Google「Open Social」公開、SNSに何が起きる?

2007年11月5日 08時00分

 Googleが、SNS向けソーシャルアプリケーション構築の共通規格「OpenSocial」を公開しました。すでにMySpaceやSix Apartなど多くのユーザーを抱える米国企業が賛同を表明したほか、日本の最大手SNS「mixi」もOpenSocial仕様のAPIを公開する予定であることを明かしています。この規格に沿ってアプリケーションを開発すると、膨大な数のユーザーを獲得するチャンスを得ることになりそうです。一方で、OpenSocialへの参加SNSはプロフィール情報やリンク情報を共通規格のAPIで提供することもできますが、これはSNSをはじめとしたコミュニティサービスの在り方にどのような影響をもたらすのでしょうか、また、それによってユーザーはどのようなメリットを得るのでしょうか。パネリストの皆さんのお考えを聞かせてください。


  • 和蓮和尚
    和蓮和尚さん (ネット家電を作る某ベンチャーの代表)
    家電メーカーの視点からみると、複数コミュニティを渡る統一APIが整備されるのは喜ぶべきことである。

    家電の処理能力はまだまだ低いため、SNSと連携する家電を作ろうとすると、組み込みLinuxのコードでごりごりと連携機能を作るなどしないと快適な操作性は望めない。しかし、一旦組み込みコードとして機器にインプリしてしまうとあとからコードを変更することは大変困難である。

    例えば「SNSの友人が公開した写真をスライドショー表示する」機能を搭載したTVを作ることを考えてみよう。これまでであれば「MySpaceと交渉して独自APIを公開してもらってそれを叩く」といったアプローチを取っていたはず。だが、これではMySpaceがAPIを変更するリスクや、MySpaceがサービスを終了してしまうリスクがあり、先に述べた「あとで変えづらい」特性ゆえになかなか実現できなかったのが実情だ。

    そこへきてOpenSocialである。汎用的なAPIがあることは実装面で楽なだけでなく、保守という観点からも扱いやすいものとなり、結果的にSNS連携機能に関して経営判断でGoが出やすくなるのではないだろうか。


    先の例で1年後にMySpaceが消滅しても、OpenSocialに対応した他SNSが生き残っていればそのTVの商品価値が大きく変わることはなく、最悪の「TV代返金」といったクレームにつながることを避けることができるからだ。また、複数SNSの橋渡しをするようなAPIを、下位互換なく大幅に変更する、ということも考えにくい。

    というわけで、家電とネットの連携という観点からはOpenSocialのようなアプローチは歓迎したい。

    ※MyBlog"キャズムを超えろ!"にてもう少し詳しく書いてみました (リンク »)
    2007-11-06 02:38:53

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