ソフトウェア特許問題へ発展か--オンラインリッチメディア関連特許に認可

文:Graeme Wearden(ZDNet UK)
翻訳校正:河部恭紀(編集部)
2006年02月23日 12時49分

 ウェブデザインシステム企業Balthaserは米国時間2月21日、インターネット上でリッチメディアサービスを設計および構築する技術の特許が米特許商標庁(USPTO)によって認められたと発表した。

 同庁のウェブサイトに掲載されている情報によると、この特許は「インターネット経由でリッチメディアアプリケーションを設計および構築するための手法、システムおよびプロセス」に関するものだという。

 特許内容の要約には、「この発明は、インターネットからリッチメディアアプリケーションを構築する能力を提供する手法に関係する」と記されている。

 Balthaserは、Adobe SystemsのFlash、AJAX、Javaといった技術を用いてウェブ上でリッチメディアサービスを提供している企業に、同特許をライセンスしていく意向だと考えられる。

 Balthaserの最高経営責任者(CEO)であるNeil Balthaser氏は、「われわれの特許ポートフォリオに新たに加わった今回の特許は先駆的なもので、当社および当社のライセンス体系において、今後ライセンシングを行っていくための大きなチャンスとなる」と、声明の中で述べた。

 さらにBalthaser氏は、「この特許は、Flash、Flex、Java、AJAX、XAMLなどのあらゆるリッチメディアテクノロジーと、デスクトップ、携帯デバイス、セットトップボックス、家庭用ゲーム機を含む、リッチメディアインターネットアプリケーションにアクセスするすべてのデバイスを対象としている。Balthaserは、広範囲なデバイスやネットワークにおける、ほぼすべてのリッチメディアインターネットアプリケーションに対して、ライセンスを提供することが可能になる」と話している。

 リッチメディア分野のマーケットリーダーであるAdobeは、23日にも、Balthaserの特許取得に何らかの対応を取ると見られている。

 既知技術の問題により、Balthaserがこの特許を行使するのは困難になる可能性がある。同特許が出願される以前に、当該の技術がすでに存在していたことが証明された場合は、特許の認可が無効になる。

 Balthaserは、2001年2月9日にこの特許を出願した。だがそれ以前の1999年に、Javu Technologiesと呼ばれる企業が、PCユーザーがインターネット上でマルチメディアコンテンツを作成および管理できる「VideoFarm」という製品を発表している。

 OvumのシニアアナリストBola Rotibi氏は、Balthaserが特許を取得したことで、ソフトウェア特許問題に注目が集まるだろうと示唆した。

 「Balthaserの特許取得と、これが主要企業に及ぼす影響は、ソフトウェア特許の長所と短所の両方を実証している」(Rotibi氏)

 Rotibi氏はまた、「例えばMicrosoftやAdobe、Google、Yahooなどの企業は、リッチインターネット技術および双方向技術に巨額の投資を行っている。こうした技術は、普及の進む携帯端末や組み込み技術とともに、消費者、職場、アプライアンスの相互関係におけるコンバージェンスを対象とした市場へ参入する際の入り口であり、多くの企業が力を入れるようになっている。これは非常に有望な市場で、例えばPCがMicrosoftにもたらしたのと同様の影響力を持ち、将来のソフトウェアアプリケーションの基礎となると考えられている」と述べる。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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