オラクルのエリソンCEO、クラウドコンピューティングの流行語化を語る--WSJ報道

文:Dan Farber(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2008年09月29日 15時28分

 クラウドコンピューティングについて本音を語るテクノロジ企業幹部がついに現れた。Oracleの最高経営責任者(CEO)であるLarry Ellison氏は、同社の年次カンファレンスOracle OpenWorldで、コンピュータ業界は女性のファッション以上に流行に敏感な業界であり、クラウドコンピューティングこそまさに最新の流行だと語った。Wall Street Journal(WSJ)がEllison氏のコメントを引用している。

 「クラウドコンピューティングに関して興味深いのは、われわれはクラウドコンピューティングを再定義し、われわれがすでに行っていることすべてをそれに含めてしまったことだ。これらのどの発表を聞いても、クラウドコンピューティング以外のものは思い浮かばない。コンピュータ業界は、女性のファッション以上に流行に敏感な唯一の業界だ。わたしに問題があるのかもしれないが、みんなが話している内容がさっぱり分からない。それが何なのか、全くちんぷんかんぷんだ。混乱している。この状態はいつもまで続くのだろうか」

 「われわれは、クラウドコンピューティングについていくつか発表を行う。わたしはこの件で言い争うつもりはない。しかし、われわれが、クラウドに照らし合わせて違った何か別のことをするのかわたしには分からない」

 筆者は先ごろ、MIT Emerging Technology Conferenceで行われたクラウドコンピューティングに関する公開討論会の司会を務めた。討論会には、クラウドコンピュータ界のリーダーたちが参加した。参加したのは、カリフォルニア大学バークレー校の研究科学者David P. Anderson氏、Googleの製品管理担当ディレクターMatthew Glotzbach氏、Salesforce.comのテクノロジー担当エグゼクティブバイスプレジデントParker Harris氏、VMwareの共同創業者兼チーフサイエンティストMendel Rosenblum氏、Amazon.comのバイスプレジデント兼最高技術責任者(CTO)Werner Vogels氏だ。パネリストらは、クラウドコンピューティングにはオフプレミスで動作するソフトウェアも含まれるが、さまざまな作業負荷やシナリオが存在するということで大筋合意した。

 問題は、自分たちの製品やサービスがクラウドコンピューティングの基本的な基準を満たしているかどうかに関係なく、すべてのテクノロジ企業が今や、クラウドコンピューティングととかかわり合いを持ちたいと思っている点だ。少なくともEllison氏は、Oracleも含めて、マーケティング担当者らによるこのフレーズの乗っ取りに恐れず対処しようとしている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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