アップルの独自性とモバイル業界の現状--元「iPhone」国際マーケティング責任者が語る

文:Marguerite Reardon(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2009年07月14日 07時30分

 市場における競争を一変させたモバイルデバイスの開発と発売に尽力した後、アンコールに応じるとしたら、何をするべきだろうか?

 以前はAppleで「iPhone」の国際マーケティングを統括し、iPhoneを開発したチームのオリジナルメンバーでもあったBob Borchers氏は、起業家を育て、革新に向けて皆を奮起させる手助けをしたいと望んでいる。

 Borchers氏は、最新バージョンである「iPhone 3GS」の発売に携わったまさにその日、Appleを辞し、シリコンバレーの小さな会社Opus Capitalで、ベンチャーキャピタリストとして新しいキャリアに踏み出した。それから1週間後には、同氏は既に投資家としての新しい役割になじみ始めていた。同氏は主に、モバイル向けのアプリケーションやサービスを開発する企業およびそれに関連するハードウェアやソフトウェアのような市場の企業を対象に活動している。

 Borchers氏が歩んできた幅広いキャリアにおいては、この最近の活動は新しい1章にすぎない。同氏はこれまで、手足を切断した人のための義肢の設計、Nikeシューズの販売促進、Nokiaモバイルデバイスの高級指向ブランドの構築を行い、さらに現在の市場において最も話題に上り、競争を一変させた携帯電話の1つをつくった。

 米CNET Newsは米国時間6月26日、転職を公表したBorchers氏に電話によるインタビューを行い、新しい仕事、これまで勤めていた会社、モバイル業界の今後について話を聞いた。以下は同氏へのインタビューの抜粋だ。

--先週(インタビュー時点)、iPhone 3GSの発売に携わったばかりですね。iPhone 3GSは既に素晴らしい成功を収めています。この時期に辞められた理由は何ですか。Appleではとてもうまくいっていたように見えますが。

Borchers氏:その通りです。iPhoneは確固たる道を進んでいます。けれども、それはまた、iPhoneに関連した機会が増えているということでもあります。こうした分野を違った方法で進み探索するには、またとない時期だと感じました。それにOpusの人々と知り合ったのです。Opusは小さな会社で、共同経営者はたった4名しかいません。わたしが5人目の共同経営者です。全員が経営に関する優れた経歴を持っています。皆、最高経営責任者(CEO)の経験があり、自分たち自身の会社を立ち上げました。そしておそらく全員がそろって、起業家がやりがちな間違いをたくさん犯してきました。起業家たちが、こうした間違いを回避し、強力な企業を構築する手助けができればと願っています。

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