Windows Liveはなぜ生まれ、そしてどこへ行くのか

インタビュー:永井美智子(編集部)
文:田口和裕
2005年11月22日 08時00分

 11月1日(米国時間)にMicrosoft会長のBill Gates氏により発表され、現在日本でもベータ版が公開されているMicrosoftの新しいオンラインサービス「Windows Live」について、製品担当者であり、11月18日に行われた「CNET Japan Innovation Conference 2005 Autumn 次世代ウェブの検索サービスを探る」にスピーカーとして参加した米MicrosoftプロダクトマネージメントジェネラルマネージャーのDerrick Connell氏に、サービスの狙いや将来の展望について聞いた。

--発表から2週間が経過しました。反響はどうでしょうか。

 現在ロンドン、北京、東京と世界中をまわってテクニカルプレビューに対するユーザーの意見を吸い上げているところです。文化的な違いはさておき、AJAXを使ったシンプルなインターフェースと、ユーザーの意志で画面構成やコンテンツなどをコントロールできるところが好評です。

 また、Windows Liveで利用できるアドオンツール「Gadget(便利ツール)」も話題を呼んでいます。Gadgetは仕様が公開されているので誰でも簡単に開発することができます。Microsoft Gadgetsというサイトにはすでに200を超えるGadgetが投稿されています。

--Windows Liveの開発経緯を教えてください。

 Microsoftがユーザーリサーチをしたところ、PCや携帯電話など端末によってユーザーエクスペリエンスが違いすぎるという指摘が多く寄せられました。これをなんとかできないか、そう考えたことがWindows Live開発のそもそもの経緯です。

--ユーザーエクスペリエンスの統一が開発の主眼なのですね。

 はい、そうです。これは単にPCや携帯電話だけではありません。ネットワーク対応テレビやゲーム機など今後新しいデバイスがどんどん出てくると思うのですが、そのどれを使っても同じような経験を得られるようにすることが狙いです。中でも情報やコミュニケーションの分野は特に重要と考えています。

--情報やコミュニケーションの分野とは具体的にはどういう事でしょう。

 Windows Liveには3つの大きなイノベーションがあります。

 1つはライブインフォメーション(生きた情報)です。検索エンジンからいかに目的の情報を取り出すか、そしてそれをどのようにブラウズするかというのが鍵になると思います。もちろんRSSやブログへの対応も重要です。

 2つめはコミュニケーションです。この分野についてはすでにMSNでもイノベーションが起きています。現在MSNで提供されているMessanger、Hotmail、Space(ブログ)といったサービスは今後どんどんWindows Liveになっていきます。バディー(友達)同士をつなぐSNS的な機能を持ったソフトも開発しています。

 最後はセーフティーとセキュリティーです。自分のデータをモバイルやネットカフェなどの環境で利用する際にいかにデータ自体やプライバシーを保護できるかが鍵だと思っています。

--Windows Liveの想定するターゲットユーザーを教えてください。

 Windows Liveのターゲットユーザーを我々は「インターネットオプティマイザー」と呼んでいます。彼らはニュースやスポーツの結果などを毎日インターネットで確認し、メールやメッセンジャー、検索エンジン等を積極的に活用しています。

 我々の調査によるとインターネットオプティマイザーは全ネットユーザーの23%ですが、検索エンジンやニュースサイトなどのトランザクションのうち62〜63%を占めています。

 また、彼らのアクティビティは最近までほぼリードオンリーだったのですが、現在はブログやSNSなど自分を表現する手段としてもインターネットを利用しており、我々もこれからもっともっとそこが伸びていくと考えています。

--MSNとはどのように住み分けていくのでしょうか。

 今MSNではMessanger、Hotmail、Spaceなどのサービスを提供していますが、これらはすべてWindows Liveのポートフォリオのひとつという位置づけになります。現在これらのサービスでは多くのイノベーションが起きています。

 メールではAJAXテクノロジーが使われ、表示スピードも速くなっていますし、メッセンジャーもVoIPを使った根本的な作り直しが行われています。これらはすべてWindows Liveの一部になる予定です。

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