SDL Webグローバリゼーションセミナーレポート

CNET Japan Ad Special2015年03月05日 14時00分

トップ企業のグローバル化を支える多言語ソリューション

 最後のセッションでは、SDLジャパン ランゲージソリューション部 ビジネスディベロップメントマネージャーの伊藤研一氏が、グローバル企業の多言語Webサイトの構築と運営を支援するSDLの多言語ソリューションについて解説した。本記事ではその内容をレポートする。

SDLに寄せられるグローバル企業の課題

 過去6年間で日本企業の海外現地法人数は30%増加し、2015年には日本企業の中でも製造業の売上に占める海外比率は40%弱にまで成長すると言われている。また、円安や2020年の東京オリンピックを背景に、中国を始めとするアジア圏からの訪日外国人観光客の増加と消費の増加が期待されている。こうしたトレンドを踏まえて海外とのビジネスを強化するには、英語はもとよりアジア系言語への対応が急務となる。

 企業の海外展開が急激に進んだためか、多くの企業ではグローバル顧客とのコミュニケーションを支える翻訳業務に課題を抱えていることが多いと伊藤氏は話す。課題の内、典型的なものは、「さまざまなコンテンツを多言語化する必要が生じているが、印刷物、Web、ソフトウェア等フォーマットが乱立している」「翻訳資産が散在しており、ブランドメッセージの統一が難しい」「管理者の翻訳に関する業務負担が増大している」といったものである。IT部門にとって、翻訳はこれまで支援する機会が少なかったか業務かもしれないが、さまざまな部門が関与するため、翻訳業務のIT化による効率化は見過ごすことのできないテーマになる。このような課題を抱え、製品・サービスの海外展開を行う企業に対して、SDLがそのソリューションを通して提供できるのは図に示すような価値である。続いて、伊藤氏はSDLのソリューションの詳細についての解説に移った。

SDL WorldServer

 SDL WorldServerは、Webを始め多様なコンテンツの多言語展開を支援する翻訳管理ソリューションを提供する。伊藤氏によると、SDL WorldServerの顧客の導入目的は、翻訳作業と翻訳管理のコストを減らすことにあるという。ANAの事例でも示されたように、SDL WorldServerを導入すれば、手作業を自動化で減らすことができ、可視化されたワークフローによりプロジェクト進捗状況を一元管理できる。さらに、SDLの他のソフトウェア製品と連携すれば、翻訳業務の生産性をさらに高めることができるという。

 翻訳作業のコストを下げるために重要な役割を果たしているのが翻訳メモリである。通常、翻訳費用は字数単価ベースで計算される。そして、次に新しく翻訳を依頼したいコンテンツが出てきた場合、以前と同じ用語や文章があっても、すべて同様の単価で計算されるため、作業分量に比例してコストも増大する。翻訳メモリは翻訳前の文節と翻訳後の文節を関連付けて記憶している。この登録した内容が累積されれば、翻訳を依頼する前に翻訳メモリと照合し、マッチングした箇所以外を翻訳依頼に出せばコストを下げることができる。また、マッチング率が高いということは翻訳の分量が少ないということを意味し、コストだけでなく納期も短くなる。当初はマッチング率が低いが、学習による蓄積を通して翻訳効率が高まるしくみとなっている。

 手作業で翻訳作業を管理していると、各国が一貫性のない用語集を持つことになるが、SDL WorldServerでは各国が使える用語集を一元的に管理している。さらに、HTMLだけでなく、オフィスアプリケーションやDTPソフトウェアのフォーマットにも対応しているため、Webサイトだけでなくドキュメントコンテンツも含めた多言語化の生産性を高めることができる。

SDL BeGlobal

 SDL BeGlobalは、42言語・92言語ペアに対応するSaaS型の機械翻訳ソリューションである。機械翻訳というと、通常連想するのはGoogleやBingのような検索エンジンのサービスである。しかし、こうした検索サービスを翻訳で利用することはセキュリティの観点から見て好ましくないと伊藤氏は主張する。SDL BeGlobalは、米国や欧州の厳しいセキュリティ要件に対応しており、営利企業だけでなく政府機関にも採用実績を持つ。Webインターフェースを利用したスタンドアロンの翻訳はもとより、多くのファイルフォーマットに対応しており、MS Officeの場合は既存のレイアウトを維持したままで翻訳を行うことができるという。さらにSDLでは、旅行、自動車、IT、エレクトロニクス、ライフサイエンスの5つの業種特化型の翻訳エンジンを提供しており、より精度の高い翻訳ができるオプションも用意している。図で示すように、翻訳の事前準備のためSDL BeGlobalを用いてSDL WorldServerと連携させれば、業務の生産性をさらに高めることもできるというわけだ。

 CMSのSDL Tridionと合わせ、SDL WorldServerおよびSDL BeGlobalで構成されるSDLの多言語ソリューションは、グローバル顧客との接点であるWebサイトだけでなく、印刷物も含めた顧客への提供物すべての多言語化を包括的に支援する。伊藤氏のセッションは、翻訳業務の効率化に取り組むにはどのような基盤を整備するべきかを示し、SDLのソリューションで実現できる成果を理解できる内容であった。

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