椿氏は、魅力的なコンテンツを継続的に発信するための留意点をこう語る。
「まず、必要とされる情報を自社が持っていると知らせる(ソーシャルメディアを駆使したコンテンツ作り、接点作り)こと。そして、定常的な接点を通じ、エンゲージメントを高める(長期視点を意識した関係作り)ことを意識するべきでしょう。
必要とされる情報というのは、カタログ的な商品情報のことではありません。潜在顧客は面白い、楽しめる情報を探しています。特に、SNSなどでは、一目で理解できるものでないと繰り返しアクセスしてもらえない。インバウンドマーケティングのコンテンツ作りはそうしたことにも注意を払う必要があるでしょう」
では、そのような条件を満たす魅力的なコンテンツは、どうすれば作れるのだろうか。少なくとも、アンケートなどの調査データは非常に魅力的なコンテンツとなる可能性を秘めているようだ。「潜在顧客を掘り起こし、継続的に接点を持ち続けるという意味で成功しているマーケティング活動を行っている企業の多くは、調査データをうまく利用して、分かりやすいコンテンツにし情報提供していますね」と椿氏は語る。
Googleが実施している検索アルゴリズムの一連の改変を意味する「パンダアップデート」でも、調査・研究結果、詳細レポート、思慮深い分析などのオリジナル性のあるサイトの順位を向上させることが挙げられている。一般の企業でも、ユニークな切り口のアンケート調査などをコンテンツ化することで、より多くの潜在顧客との接点を作ることができるわけだ。
ここで、椿氏は次のような注意点を話す。
「確かに調査データは武器になります。しかし、インバウンドマーケティングにおけるコンテンツは、長期的に潜在顧客との接点を維持させるという意味で、作り続けなければならないということに留意する必要があります。好評だった調査データのコンテンツもSNSの世界ではすぐに陳腐化してしまうのです。世の中に流れるコンテクスト(=課題感や興味)を意識して、タイムリーにコンテンツ化していかなくてはなりません」(椿氏)
継続的に調査を実施しなければならないとすると、心配になるのはコストの問題だ。潜在顧客との関係を深めることは確かに大切だが、無尽蔵に予算を使うことは不可能だ。また、こうした調査は結果が出てくるまでに時間がかかるという問題もある。調査時点ではタイムリーな内容でも、結果が出るころには古びた内容になってしまった、というのでは意味がない。つまりインバウンドマーケティングを成功させる重要ポイントとして、簡単に素早く低コストで調査ができるサービスを上手に選定できるか、という点も考慮する必要があるわけだ。では実際のマーケターたちは、どのような選択をしているのだろうか。その現実解となるのが、低価格化などで利便性が高まっている、ネットリサーチという選択肢だ。
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