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弁護士が提言、バックアップは法的にも企業を守る!そのために必要なことを考える

企業が法律的に求められるアーカイブの要件

森川: 法律で保管が義務づけられている文書の中には電磁的記録(データ)として作成/保存が認められている文書が多数あります。そのようなデータを消失するということは、法律上の義務違反に問われます。また、法律で保管が義務づけられていないデータであっても、重要なデータを消失すると、監査や訴訟に耐えられない場合もでてきます。

たとえば特許関連でいうと先使用権の例が挙げられます。先使用権とは、他者が特許を登録する以前から同じ技術を独自に発明し使っている場合、他者が特許登録した後であっても、引き続きその使用が認められるというものです。先使用権を主張するには、以前から対象となる技術/製品を使用していたという証明(たとえば当時の資料など)が必要になりますが、その証明に必要なデータを失った場合、ずっと続けてきた事業なのに特許侵害を問われて継続できなくなるというリスクを抱えることになります。このように、自社のビジネスに直結する類のデータは、できるだけアーカイブしておいたほうが法的なリスクも小さくてすむと言えます。

金谷:大企業と異なり、法務担当の専門家を中堅/中小企業が社内に置くことは難しいと思われます。そういった企業のために、最低限、ITに関して知っておくべき法律、および保管すべきデータとその期限の目安などはありますでしょうか。

森川: 「これだけ知っていればOK」といった法律は残念ながらありません。対象となる法律は今後も増えるでしょう。また、先ほども触れましたが、法定の文書の中には、会社法、e文書法(民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律)、電子帳簿保存法などによって、データとして作成/保存が認められている文書が多数あります。それらの法律に従って作成するe文書は、最低限保管すべきデータとなります。e文書の対象となる文書、保存期間は様々ですが、いくつかご紹介しましょう。

知っておきたい、データとして作成/保存が可能な文書

森川: 文書の法定の保存期間の例を挙げておきます。

文書の種類文書名保存期間
組織・運営定款、株主名簿期限なし
株主総会議事録、取締役会議事録、監査役会議事録開催日から10年
帳簿類計算書類、付属明細書作成時から10年
会計帳簿、事業に関する重要な書類帳簿閉鎖時から10年
取引に関する帳簿、取引証憑書類確定申告期限から7年
労務労働者名簿、雇入、解雇に関する書類退職や死亡の日から3年
健康保険に関する書類完結の日から2年

 そのほかに中堅/中小企業であってもデータ保管に関して留意しておきたい法的な項目としては、「善管注意義務」「J-SOX」などがあるでしょう。前者は最近増えてきた労務管理のアウトソースなどを引き受けて顧客のデータを保管している場合に注意したい要素です。万一、顧客企業のデータを漏洩/喪失した場合、これに問われる可能性が高まります。後者は中小/中堅であっても上場企業からの受託が多い企業の場合、内部統制の評価範囲(IT統制など)に含まれ、保管を求められる文書が増える可能性が高くなるからです。

金谷:本当に対象となる法律も文書もたくさんありますね。ただ、このように明確に法律で定まっているものは当然、アーカイブするデータとして分類できますが、企業の担当者が悩むのはそれ以外にどのデータを対象にすべきか、という点だと思われます。たとえば電子メールや社内会議の議事録などです。法律上の保管義務はなくとも、長期保管が望ましいデータについて、ご教示いただければと思います。

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