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第3のLEDバックライト方式採用「S-LED」搭載 日立Wooo ZP05シリーズの高画質を検証する

明快で聞きやすいサウンド

 薄型テレビの本体スピーカーの音は、薄型という厳しい制約があるために、本格的なサウンドを実現しにくかったが、ZP05シリーズの音はシステムがシンプルながら頑張っている、という印象だ。

(鈴木氏)
 「以前にテレビのデザインとして、スピーカーの開口部をなるべく見せない、というトレンドがありましたが、音響性能としては音がこもりがちで限界を感じていました。テレビ単体でも聞きやすいサウンドを出すべきと考え、その答えが、「ZP05シリーズ」に採用した前面スピーカーと音響補正技術「CONEQ(コネック)」です。スピーカー構成は2chでシンプルですが、各楽器が分離されて聞こえる定位感の良さを重視しました。音質としては、従来機よりもやや低域に重点を置いた音作りにしました」

 一時は下向きだったスピーカー孔を前面に向け、開口率をアップすることで、音のこもりを低減し、ヌケの良いサウンドを実現。「インテリジェント・オート高画質2」用の色温度&輝度センサーもスピーカー部に装備されている。

 サウンドのクオリティアップも正攻法という印象で、ギミック感のない自然な音質向上が図られている。フルレンジの2スピーカーで2chステレオ、というシンプルな構成ながら、テレビスピーカーの課題だった音のこもりを解消できていて、ヌケの良い聞きやすいサウンドを実現している。試聴したのはジャズのBD「LEGEND of JAZZ with RAMSEY LEWIS」(輸入盤BD)スタジオ収録のTVショーでRAMSEY LEWISのほか、LEE RITENOURやCHICK COREAなど超ビッグネームのジャズアーティストをシカゴのスタジオに呼んで収録した贅沢なライブアルバムである。録音ソースの定位感と分離感が素晴らしく、音場補正技術「CONEQ」によるイコライジングの良さも加わって、ジャズの各パートの位置がわかる。ギターやボーカル、ドラムなど各パートのスイング感が伝わってきて、極上アーティストによるJAZZ空間を楽しめた。もちろん外置きスピーカーとは比較できないが、長時間聞いても疲れない明快なサウンドには好感が持てた。映画の台詞も明瞭だ。

 「ZP05シリーズ」に採用されている「CONEQ(コネック)」はリアルサウンドラボ社の音場補正技術である。従来の音場補正は1点を基準に行っていたが、CONEQでは400ポイントの球面上での測定を元に音場補正を行う。広い範囲で聞きやすい音場を作れるのが特徴で、リビングで複数の家族が異なった位置から視聴しても聞きやすいサウンドを実現している。

スタイリッシュさと多機能さも魅力

 「ZP05シリーズ」は、都会的なデザインに一新されたフォルムのほか、伝統のHDD録画機能*、業界トップレベルのネット機能など、Woooシリーズの多彩な機能を継承している。録画機能はデジタル放送の2番組ダブル録画が可能で、内蔵HDDの容量がXP05シリーズの320GBから500GBにアップしている。
*:アナログ放送の録画はできません。

 デザインはスタンドを低くした低重心フォルムを採用。ブラック&シルバーのツートーンで、金属ヘアライン入りのスタンドにはモダンで都会的な密度感が感じられる。
 アクリルに背面塗装を施したベゼル(画面枠)はスタイリッシュなデザインで、クリアなエッジがスマートな印象だ。
 リモコンは分かりやすい大型ボタンと、見やすい文字とカラーリングを採用。これらの表示は、分かりやすい色彩環境の普及を目指すNPO法人 CUDO(Color Universal Design Organization)に認証されたフレンドリーなデザインである。また、リモコン表面に人間工学的なカーブを付けることで操作しやすくしている。
 Wooo伝統のHDD録画機能を継承。使い勝手の良い据え置きレコーダー並みの機能を装備し、ダブル録画*1が可能。チューナーは地上デジを3基、BS・110度CSを各2基、アナログを1基搭載し、地デジの視聴中に、デジタル放送を視聴中に2番組ダブル録画できる。*2 EPG(電子番組表)は番組を予約すると赤丸がつくわかりやすい番組欄を採用し、同時間帯に2番組の録画予約ができる。
*1:デジタル放送の2番組同時録画が可能です。
*2:BS・110度CSデジタル放送を2番組同時録画中は、録画中のBS・110度CSデジタル放送のいずれか、または地上デジタル放送番組を視聴可能です。
 内蔵の録画用HDDが500GBに増量された。このほか着脱できるカセット型HDD 「iVDR-S(別売)」で容量を増やせる。内蔵HDDからコピー・ムーブが可能で、内蔵HDDに録画した「アクトビラ・ダウンロード」のセルコンテンツもダビング/ムーブできる。
 トップレベルのネット機能を搭載。Woooポータルサイト「Wooonet」は情報表示エリアが追加され、ここから「アクトビラ」や「Yahoo! JAPAN」などに直接ジャンプできる。HDDへの「アクトビラビデオ・ダウンロード」保存にも対応。AVネットワーク機能(DLNA*1)はクライアントのみならずサーバーにも対応し、コンテンツの受信*2だけでなく、本機で録画したタイトルをPCや他のWoooシリーズに配信*3することも可能だ。
*1:DTCP-IP(著作権保護機能)をサポートしたコンテンツ配信機能(ホームサーバー機能)を搭載しています。全ての機器との接続を保証するものではありません。
*2:この機能を楽しむためには、パソコン専用ソフトウェアをダウンロードする必要があります(ユーザー登録者は無償)。
*3:市販のパソコン専用ソフトウェアが必要です。録画したアナログ放送は配信できません。DTCP-IP非対応のDLNA対応機器では再生できません。

日立のもの作りのノウハウを結集

(鈴木氏)
 「当社は光学ドライブや光学プロジェクターなどの開発を通じて、光を制御する技術を蓄積してきました。そのノウハウには、微細な加工や制御といったアナログ的な部分も多く含まれています。「S-LED」の導光板にもそうした光制御の技が使われています。また、「S-LED」を量産する技術の開発も独自の技といえます。「S-LED」は多くのメリットをもっていますが、タイル状の構造が比較的複雑で、これをどうやって量産するか、が課題になりました。試行錯誤の結果、シンプルに量産できる製造法を確立できました。こうした、複雑な構造を簡単に作る量産技術も、「S-LED」を製品にできた大きなノウハウなのです。これらのノウハウは簡単には実現できないもので、オンリーワンの競争力を備えていると考えております」

 というように、「S-LED」は多くのノウハウを結集した成果なのである。いわゆるコモディティ化の進むテレビの世界で、もの作りの王道にチャレンジした姿勢を高く評価したい。オンリーワンのもの作りを実現した、という意味で、今後のMade in JAPANを占う製品といえるだろう。

(鈴木氏)
「「S-LED」は構造的に大画面化しやすいので、将来は中・大画面モデルへの展開を予定しています。海外市場でも独自の競争力を発揮できる製品だと思います。」

 「S-LED」をコアに高画質ラインアップも検討しているようで、今後の展開にも期待したい。何よりも映像ファンのひとりとして、液晶の映像が新しい次元に進化したことを嬉しく思う。

 今までの液晶テレビの画質に飽き足りない人や、高性能なテレビをリビングに置いて、家族全員で多彩なコンテンツを高画質に堪能したい人に勧められるテレビである。

インフォメーション
L42-ZP05 / L37-ZP05 スペック
 



外形寸法
幅×高さ×奥行(cm)
*突起部含まず
モニター+スタンド
(モニター)
L42-ZP05
102.7×69.9×30.7
(102.7×66.3×9.3)
L37-ZP05
91.6×63.7×30.7
(91.6×60.1×9.3)
表示サイズ
(幅×高さ/対角)(cm)
L42-ZP05
93.0×52.3/106.7
L37-ZP05
81.9×46.1/94.0
液晶パネル フルHD IPS αパネル(LEDバックライト)
表示画素数
(水平×垂直)(画素)
1,920×1,080
質量(スタンド含む)(kg)
L42-ZP05
22.9(25.7)
L37-ZP05
18.0(20.8)
消費電力(待機時)(W)
L42-ZP05
179(約0.1)
L37-ZP05
151(約0.1)
年間消費電力量
(kWh/年)※1
L42-ZP05
107
L37-ZP05
99


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地上デジタル放送
(CATVパススルー対応)
3
BS・110度CSデジタル放送 2
地上アナログ放送 1
CATVアナログ受信
(C13-C63)



HDDレコーダー内蔵
(容量)
500GB
iVポケット(カセットHDD「iVDR-S」対応)※2
ダブル録画※3
ハイビジョン長時間録画
(XCodeHD)
●(8倍録画)※5
ダビング・ムーブ
いいとこジャンプ・シーンサーチ※4
追いかけ再生・同時録画再生
  • *アナログ放送の録画はできません。
  • ※1  年間消費電力量はスタンダードモードを標準状態として測定。年間消費電力量とは、省エネ法に基づいて、型サイズや受信機の種類別の算定式により、一般家庭での平均視聴時間(4.5時間)を基準に算出した、一年間に使用する電力量です。
  • ※2  iVポケットで録画機能を使用するには、別売のカセットHDD「iVDR-S」が必要です。
  • ※3  2番組同時録画の際は、1番組がTSモードでの録画となります。
  • ※4  番組によっては正しく設定されない場合があります。
  • ※5  TSX8モード時。BSデジタルハイビジョン放送(24Mbps)をTSモードで録画した場合との比較において。地上デジタルハイビジョン放送(17Mbps)をTSモードで録画した場合は約6倍です。
増田和夫 プロフィール
増田和夫

最先端のデジタル家電などを得意とするメディア評論家。
WEBでの取材&評論で活躍中。
大の録画ファンでレコーダー「ダビング10」の解説も好評だ。
物欲系レビューというよりは「モノとにらめっこするのではなく、モノの背景にあるコンセプトや開発者のメッセージを探りたい、今年は日本のもの作りの正念場で、その現場を取材したい」と開発者インタビューなどのジャーナリスティックな記事に意欲的だ。

提供:日立コンシューマエレクトロニクス株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部