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第3のLEDバックライト方式採用「S-LED」搭載 日立Wooo ZP05シリーズの高画質を検証する

「S-LED」ならではのシネマ画質を体験

(鈴木氏)
 「「S-LED」の目標は、単に数値上のコントラスト比を上げることではありません。黒が出せる、といっても潰れた黒では意味がないと考えました。目指したのは、映像の表現力を上げること。表現の領域にまで踏み込んだコントラストの改善です。映画の陰影感、例えば女優の着ているベルベットの衣装は、同じ黒でも光の演出で微妙な陰影や艶などの表情が生まれます。こうした表現を実現するのが「S-LED」の狙いです」

 「S-LED」の最大の魅力は階調性の高さにある。夕暮れの倉庫街の陰影感、滑らかにきらめく波の質感が良く出ている。

※画面はハメ込み合成です

 Hi-Fi(高忠実度)な階調表現ができることはAV機器の基本で、それを妥協なしに正攻法で追求している点が高く評価できる。

 特に映画では階調性の高さが求められる。「S-LED」でシネマを鑑賞してみよう。映画モードとして「シアタープロ」と「リビングシアター」が用意され、これらのモードでは超解像などの補正はオフで、映画のソースに忠実な映像になる。

 映画「オペラ座の怪人」(2004年版)では、怪人がヒロインとともに地下水路を渡るシーンが印象的だ。ミュージカル仕立てなのでセットが舞台的で、地下道は単に暗いだけでなく、部分的に照明効果などがちりばめられていて、意外に明暗の差が大きい。このため今までの液晶では難しいシーンといえる。

 「S-LED」で見ると、地下道の闇と渦巻く霧など、シャドウ部周辺の階調の豊かさが印象的である。間接照明に映える壁面の陰影もしっかり描き出している。黒を表現すると同時に、燃えさかるキャンドルのまばゆさも表現できている点がリアルで素晴らしい。階調に幅広いレンジ感があり、ファントムのテリトリーである「夜の音楽に満ちた暗黒の世界」の暗い優美さが伝わってくる。モノクロの回想シーンにもレトロなテイストが充分に感じられる。部屋を暗くして見ても階調の印象が変わらない点も実に映画向きだ。映像ファン的には、「S-LED」の最大の魅力はこの豊かな階調性にある、といっても過言ではないだろう。

 このような高い階調性を実現するために、絵作り(画質設定)にも「S-LED」ならではのこだわりがあるのだろうか?

(鈴木氏)
 「「S-LED」の高いコントラスト性能を引き出すために、絵作りにも工夫を凝らしています。液晶には、黒の間近の特性が僅かにリニアではない(黒に限りなく近い部分がごく僅かに明るくなる)という特性があります。従来の液晶では光漏れのために、そうしたごく僅かなレベルまで表現できなかったので、気にしなくても良かったのですが、漆黒が作れる「S-LED」では微細なレベルにまでメスを入れてガンマ特性を補正し、忠実な階調表現を実現しました」

「S-LED」採用で自動調整が活きる

 「S-LED」を搭載した「ZP05シリーズ」は、視聴環境に連動する自動画質調整機能「インテリジェント・オート高画質2」をXP05シリーズから継承している。この機能は、テレビ下部のセンサーによって部屋の輝度と色温度を測り、そのデータを元に、番組のEPGジャンル情報や、実際の映像シーンの輝度解析、さらに下記の超解像処理も加えて、最適な画質に自動調整する。また、同時に電力のムダを抑えて省エネにも大きな効果を発揮するという、インテリジェントな機能である

 視聴環境を感知して最適に自動イコライジング(調整)を行う、という発想はAVアンプでも採用されている先進的な手法だが、自動調整の前提として機器自体のキャパシティが高くないと最適化しにくい。調整レンジの広い「S-LED」の採用によって「インテリジェント・オート高画質2」がさらに活かされている、という印象だ。

(鈴木氏)
「『インテリジェント・オート高画質』は幅広い調整を自動で行う機能で、『2』になってさらに完成度を上げましたが、それに見合ったレンジの広い液晶がない、特に暗い部屋での液晶のレンジが狭い点が課題でした。自動調整を充分に活かせる液晶を実現したい、というのも「S-LED」開発の狙いです」

 「インテリジェント・オート高画質2」+「S-LED」の効果を見てみよう。

 外光のさす昼間のリビングなど明るい部屋では、高輝度で高コントラストな映像に自動調整される。色温度は外光に合わせて青寄りになる。明るい部屋はもともと液晶テレビが得意とする環境で、「ZP05シリーズ」も液晶らしいメリハリのある映像を見せてくれる。
 夜のリビングでは「S-LED」の威力が発揮される。照明を落とした暗い部屋など、従来の液晶が苦手だった視聴環境でも、映像に黒浮きが感じられない。電球色の暗い部屋に最適な輝度と赤寄りの色温度に調整されるが、それでもコントラスト感は充分で、階調をしっかり描写できている。このように明暗どちらの環境でもバランスの良い映像が楽しめる。「S-LED」の能力の高さが活かされていて、自動調整の幅が広がった印象だ。
※画面はハメ込み合成です
 「センサーオート」モードにすると「インテリジェント・オート高画質2」の自動調整が有効になる。環境に合った画質調整は省エネにも有効で、画面右に、周囲の色あい(色温度)と明るさのほか、日立の樹を連想させる「エコメーター」でエコ効果(省エネ度)がリアルタイムに表示される。
※写真はイメージです
インフォメーション
L42-ZP05 / L37-ZP05 スペック
 



外形寸法
幅×高さ×奥行(cm)
*突起部含まず
モニター+スタンド
(モニター)
L42-ZP05
102.7×69.9×30.7
(102.7×66.3×9.3)
L37-ZP05
91.6×63.7×30.7
(91.6×60.1×9.3)
表示サイズ
(幅×高さ/対角)(cm)
L42-ZP05
93.0×52.3/106.7
L37-ZP05
81.9×46.1/94.0
液晶パネル フルHD IPS αパネル(LEDバックライト)
表示画素数
(水平×垂直)(画素)
1,920×1,080
質量(スタンド含む)(kg)
L42-ZP05
22.9(25.7)
L37-ZP05
18.0(20.8)
消費電力(待機時)(W)
L42-ZP05
179(約0.1)
L37-ZP05
151(約0.1)
年間消費電力量
(kWh/年)※1
L42-ZP05
107
L37-ZP05
99


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地上デジタル放送
(CATVパススルー対応)
3
BS・110度CSデジタル放送 2
地上アナログ放送 1
CATVアナログ受信
(C13-C63)



HDDレコーダー内蔵
(容量)
500GB
iVポケット(カセットHDD「iVDR-S」対応)※2
ダブル録画※3
ハイビジョン長時間録画
(XCodeHD)
●(8倍録画)※5
ダビング・ムーブ
いいとこジャンプ・シーンサーチ※4
追いかけ再生・同時録画再生
  • *アナログ放送の録画はできません。
  • ※1  年間消費電力量はスタンダードモードを標準状態として測定。年間消費電力量とは、省エネ法に基づいて、型サイズや受信機の種類別の算定式により、一般家庭での平均視聴時間(4.5時間)を基準に算出した、一年間に使用する電力量です。
  • ※2  iVポケットで録画機能を使用するには、別売のカセットHDD「iVDR-S」が必要です。
  • ※3  2番組同時録画の際は、1番組がTSモードでの録画となります。
  • ※4  番組によっては正しく設定されない場合があります。
  • ※5  TSX8モード時。BSデジタルハイビジョン放送(24Mbps)をTSモードで録画した場合との比較において。地上デジタルハイビジョン放送(17Mbps)をTSモードで録画した場合は約6倍です。
増田和夫 プロフィール
増田和夫

最先端のデジタル家電などを得意とするメディア評論家。
WEBでの取材&評論で活躍中。
大の録画ファンでレコーダー「ダビング10」の解説も好評だ。
物欲系レビューというよりは「モノとにらめっこするのではなく、モノの背景にあるコンセプトや開発者のメッセージを探りたい、今年は日本のもの作りの正念場で、その現場を取材したい」と開発者インタビューなどのジャーナリスティックな記事に意欲的だ。

提供:日立コンシューマエレクトロニクス株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部