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IoT最前線 「IoT活用で実店舗の
顧客エンゲージメント向上」 〜データドリブンな意思決定を実現する「スポーツクラブ ルネサンス」の取り組み〜

負担を少なくスピーディーに実現させた実証実験

 実際、数回の打ち合わせで、企画から実施決定までこぎつけた。思い立ってすぐに具体的な計画立案へと進んだかたちだ。瀧田氏は、このあたりのフットワークの軽さと実行力の高さも心強かったと評価する。

 実証実験では、対象となる店舗を選定したあと、店舗を3つのエリアに分けて人の動きを可視化できるようにした。具体的には、受付スペース、チェックインアウトのスペース、バックヤードのエリアに分け、それぞれに親ビーコンを設置。また、スタッフには、勤務中にポケットの中に小型サイズの子ビーコンを常備してもらうよう依頼した。

 ビーコンから発信される情報は、店舗内に置かれたRaspberry PIをゲートウェイにし、データがインターネットを介して、クラウド上に蓄積されるという仕組みだ。さらに、分析のためのデータとしては、スタッフの勤務データやスキルデータも用意した。それらのデータをマッシュアップし、どういった属性のスタッフがどう店舗内で行動するかを分析していったという。ニフティIoTデザインセンターの西尾氏は、IoTの取り組みのポイントについて、こう話す。

 「実証実験ではできるだけ予算をかけずスピーディーに行って結果を得ることが大切です。入手しやすいデバイスやテクノロジーを使いながら、クライアント企業に負荷のかからない、顧客にも影響のないかたちで取り組みを進めていきます。ニフティIoTデザインセンターでは、これまでにもさまざま取り組みを進めてきました。店舗のどこに機器を設置して、どう可視化すれば効果的な人の動線把握ができるかといったノウハウが蓄積されています。ビジネスの視点を持ちながら、データドリブンな意思決定を支援できることがポイントです」(西尾氏)

データを可視化することで現場が気づきを得た

 3ヵ月にわたる実証実験の期間中は、小型ビーコンをポケットに入れ忘れたり、棚などに置き忘れたりといったことこそあったものの、大事に至るような目立ったトラブルはなくスムーズに検証が進んだという。スタッフに対しても個人の行動を監視するような目的ではないことを事前にきちんと知らせたため、心理的な抵抗や不安の声が聞かれることもなかった。

 瀧田氏は、実証実験で得られたこととしてまず「リアルな行動実態が確認できた」点を挙げる。店舗内での人の動きは、個人のスキルや経験から想像することしかできない。その想像をもとにシフトを作るため、現実との間にギャップが生まれやすい。たとえば、来店が少ない と思っていた時間帯に想像以上の来店があり、実際には人手不足だったりする。反対に必要以上に受付要員として人員を配置しており、顧客感動満足向上のアクションが取れる機会を逃していたこともあった。そうした実態をデータで確認できたことが大きいという。

 2つめは「エリアごとの流れが確認できた」ことだ。来店が多く、受付での接客対応するスタッフが足りなくなった際に、適切なコントロールができず、ご理解いただけずに待たされる客が増えると 、顧客満足度は下がってしまう。そうなることが無いようスタッフの配置変更が適時できればいい。データで可視化してみると、実際に配置が非効率になっているケースもあったという。

 3つめは「現場レベルでの気づきが得られた」ことだ。分析したデータは、まずマネジメント層に報告し、改善プランのディスカッションを行った。さらに、現場での話しあいの材料としても利用された。その際、スタッフが直接シフトや業務フローの問題点に気づき、改善を試みる動きが進んだという。

 たとえば、データを見ると、フロントセールス担当者がバックヤードにいるタイムロスや、その間に来客があると、顧客が待たされたり顧客接点の機会ロスに繋がるケースが想定できた。

 「受付時の書類作成の時間を短くできないか。受付とバックヤードの業務は担当者を分けてはどうか。そういった声が現場から自然にあがってきました。データを見て自主的に気づきを得る。これはとてもよい変化でした」(瀧田氏)

顧客一人ひとりに合わせた接客を実現していく

 実証実験の結果を経て、ルネサンスがこれから取り組もうとしているのは、まずは従業員の満足度を高めるような施策だ。例えば、データ分析の結果を活用することで、オペレーションを見直し、さらにスタッフ個人のスキルや経験を考慮した最適なシフトが作成できないかを模索している。

 より洗練されたオペレーションで、さらにスタッフ一人ひとりのスキルや経験に合わせて、働きやすく、顧客接点に注力できる環境を作り、それを適切に評価できるようになればスタッフのモチベーションは高くなる。それが顧客の満足度を高める土台を形成していくという。

 本丸というべき「顧客感動満足」に向けた施策にも取りかかろうとしている。具体的な施策内容は申し上げられないが、個々のお客様に向き合い、適切なタイミングでより効果的なコミュニケーションを行っていくことが大事だと思っています。ビーコン、ネットワークカメラ、タブレット、アプリといったさまざまな技術に、NPSなどマーケティング指標などを組み合わせて、お客様一人ひとりに合わせた快適なフィットネスライフ・プランを提案していきたいと思って取り組んでいます」(瀧田氏)

 こうした新しい取り組みに向けたアイデア出しや企画立案には、ニフティIoTデザインセンターの西尾氏も協力している。ルネサンスのIoTを活用したデータドリブンな"改革"は始まったばかり。ニフティIoTデザインセンターのサポートを得ながら、顧客エンゲージメントの向上を目指して、取り組みを加速させていく構えだ。

本記事に記載されている会社名および製品名、商品名は各社の登録商標または商標です。記事の内容は、2017年9月現在のもので、予告なく変更される場合があります。

提供:富士通クラウドテクノロジーズ株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2017年12月31日

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