多くのウェブサービスが日々公開される昨今。ひとたび何らかのキッカケで着目されれば、あっという間に人気化し、一躍脚光を浴びてしまうのは、もう珍しい状況ではない。
アイデア次第で、誰もが支持される魅力的なサービスを開発・運営することが容易になった昨今の環境だが、まだまだアイデアを具体化する最初の一歩をなかなか踏み出せないという人が多いのも、もうひとつの現実だ。
一昔前に比べれば容易になったとはいえ、アプリケーションの開発・運営には、コーディング以外に、サーバーのセットアップや管理の手間暇といった相応のコストやスキルがどうしても求められる。準備の部分がとにかく手間になってしまい、せっかくの優れたアイデアが埋もれて終わってしまう--というケースは、実にもったいないことだ。
サービスを開発したいが、できれば開発のみに集中し、付随する環境整備やインフラ周りまで自分がやるのは正直つらい…、そんなユーザーを救うべく登場した国産サービスが、ニフティが提供するアプリケーションプラットフォームサービス「ニフティクラウド C4SA」だ。アイデアは手元にあるだけでは意味がない。公開して初めて、それはカタチになるといえるだろう。それを簡単に行える同サービスは、国内サービスとしては今までなかった待望の存在だ。
そう思う方も多いだろう。そこで本記事では、実際にニフティクラウド C4SAを使う工程を詳しく見て頂きながら、いかに簡単にウェブサイトを開発・公開することが可能かを示していきたい。この記事は、プログラミング経験がなくても十分に直感で理解できる内容。「こうすればサービス開発ができるのか!」というイメージをつかむ入り口としても、ウェブサービスの運営に興味のある方には、是非読んで頂きたい。開発者向けにも、具体的な使い方のノウハウが高密度に凝縮されている。
(1)超簡単。ニフティクラウド C4SAとは | (2)簡単なウェブアプリケーションを公開してみる | (3)Facebookアプリを公開! |
ウェブアプリケーションを開発する際、多くの場合は、コーディングを行う前に本番環境や開発環境における、OSや利用するソフトウェアの設定を行う必要がある。言語によっては細かいバージョンの整合が面倒だったり、意外と手間取る。
しかしニフティクラウド C4SAは、そんな面倒な環境構築作業が不要。すぐに開発を始められて、そのままインターネット上に公開することができる非常に便利なサービスだ。
クラウドサービスでもあるニフティクラウド C4SAには、仮想環境や、レンタルサーバにはない、多くのメリットがある。
また、ニフティクラウド C4SAは「キャンバス」と呼ばれるセットアップされた環境を作る度に15日間は無料となり課金されない。この15日間にじっくり使ってみれば、それなりに使用感などは掴めるはずだ。とりあえず気軽に試せるという間口の広さは、ありがたい。
まずは、ニフティクラウド C4SAのサイトへ行って、「今すぐ始める」ボタンを押すと登録画面が表示される。ニフティクラウド C4SAでは、昨今だれでも持っているFacebookやtwitterなどのSNSアカウントで利用可能だ。
登録作業は簡単で、メールアドレスを入力すると、登録確認メールが送られてくるので、記載のURLへアクセスをして利用規約に同意すれば完了する。特に面倒な入力などはないので、すぐに登録できた。
Step1 ニフティクラウド C4SAのサービストップ画面。すべてはここからだ。「今すぐはじめる」をクリック |
Step2 SNSのアカウントで認証をおこなう ※クリックで拡大 |
Step3 メールが届くので、URLをクリック ※クリックで拡大 |
Step4 利用開始! ※クリックで拡大 |
登録が完了すると、Welcomeページが表示され、キャンバスを作成するように促される。このキャンバスとは、公開するサイト毎に作成するもので、キャンバス毎に使用するプラットフォームやリソース・URLなどを割り当てる事ができるものだ。キャンバス作成は、ブラウザ上で表示される画面に従って操作していけば完了するので簡単だ。
またキャンバス作成の過程で、コンテクストの選択がある。コンテクストとは、キャンバス作成と同時にインストールしておく開発環境やアプリケーションのことだ。本記事では、ウェブ開発フレームワークとして人気の高い「Ruby on Rails」のバージョン3を選択した。ご覧のように「Ruby on Rails3」を選択してキャンバスを作成している。
キャンバスの作成が完了すると、画面に作成済みのキャンバス一覧が表示されるので、作成したキャンバスを選択して、キャンバスのメイン画面に移動する。
キャンバスのメイン画面には、ニフティクラウド C4SA上でのサイト運用に必要なコマンドやツールが揃っており、全ての作業はこの画面上で利用可能だ。キャンバス情報や、デーモン管理などの様々なツールが表示されている。
例えば、「データベース」では、データベースの容量を容易に変更できる他、phpmyadminの画面へ移動するボタンも用意されている。phpmyadminは、ブラウザから直接データベース内のデータを変更・削除などの操作を行える非常に便利なツールだ。
また、「Rubyバージョン管理」は、1.8.7、1.9.2、1.9.3などRubyのバージョンボタンを押すだけで変更することができる。新しいRubyのバージョンで動作確認を行ったり、問題が発生した場合に前のバージョンへ戻す時などに非常に有効だ。
他にも、独自ドメインの設定を行ったり、ログをブラウザ上で閲覧する事ができたりと、開発だけではなく、サービス管理を行う上で必要な作業をブラウザ上で容易に行うことができる点が、ニフティクラウド C4SAの便利なところだ。
railsが正常に動作しているかを確認してみる。
ニフティクラウド C4SAでは、キャンバスを作成した時点でユニークなURLを付与しており、メイン画面上の一番上にあるキャンバス名のところに表示されているURLを使って、ブラウザから動作確認することができる。
なお、この自動で付与されたURLの他、設定画面で追加すれば、キャンバスに独自ドメインを割り当てる事も可能だ。では、以降はいよいよ、実際のウェブアプリケーション作成に入ってきたい。
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