企業のクラウド化を阻む“壁”と、導入時におけるポイントとは?

CNET Japan Ad Special2012年05月28日 11時00分

従来型サーバと異なる選び方の基準

 クラウドサービスが増えてくると、その選び方や基準も難しくなってくる。久保田氏に伺ったところ

 大切なのは、従来型のサーバ購入と同じような基準や考え方で評価しないことです。実はニフティクラウドも単純なカタログスペックだけで比較されてしまうことが多いんですよ

 という答えが返ってきた。

 従来型のサーバと大きく異なるのが、クラウドは仮想化によって同一サーバ内に数多くのVMを詰め込める点だ。たとえば60万円で60ヶ月償却の場合、1個のサーバだと1ヶ月あたりのコストは1万円になるが、VMを100個入れれば100円で済む。また、実際の利用者が10人なのか、100人なのかによっても違いが出てくる。

 CPUについても「コア数が多ければ性能が高い」という思い込みは強いが、実際のところ旧世代の8コアと最新の4コアでは単純比較が成り立たない。たとえば、最新型のXeon X56シリーズは1コア2スレッド、4コアなら8スレッドで動作するため、旧世代より性能が高い場合もあるわけだ。また、従来型サーバのようにマシンのコア数をすべて自分たちが専有できるわけではない、といった部分も変わってくる。

 さらに、従来のサービスでは多くのケースで冗長化が必要だったことも挙げられる。冗長化を考えると、通常はホットスタンバイとコールドスタンバイのサーバ計2台を用意することになるだろう。しかし、ニフティクラウドはこの問題を「HA(High Availability)機能」の標準搭載により解消。1台でコールドスタンバイのサーバを常時待機させているのと同じ状態を作り出し、仮に物理サーバがダウンしても数秒~数分で正常稼働しているハードで起ち上げ直すことが可能となっている。

パブリッククラウド随一の高稼働率を実現

ニフティクラウドは、全システム構成コンポーネントの冗長化に加え、物理サーバー障害時の自動フェイルオーバー(HA)機能の標準実装などにより、高稼働率を実現しています。

 中には『ニフティクラウドは価格が高い』といったご意見もありますが、実際の費用対効果を比べると変わらない、もしくは弊社の方が安くなるケースが多いんです

 と、久保田氏は基準の違いを語ってくれた。

サーバは“最高”でなく“最適”なものを

 ただし

 弊社のサーバは優れた性能を持っていますが、すべての業務に最高スペックを使えば良いかといえば、実はそうでもありません。むしろ“最高”ではなく“最適”なものを選ぶことの方が重要です

 とも語る久保田氏。

 事業影響度分析を行うと、顧客向けサービスに直結する部分や基幹業務などクリティカルな部分と、それほど重要度が高くない部分を切り分けられる。これらのバランスを見ながら、最適な性能のサーバを振り分けるのがクラウドサービスの効果を最大化する秘訣なのだ。

 たとえば、Web事業者のサービスは少しでもパフォーマンスが落ちるとリピート率の低下につながる。そこは高速かつ止まらないことを最優先し、性能が高いものを選ぶべきだろう。逆に1日数アクセス程度しかない企業紹介用Webサイトのように、もしダウンしてもビジネスに大きな影響を及ぼさない、稼働率が非常に低い場合は安いものを選んでも構わない。このように、クラウドは利用するサービスや目的に応じて一番最適な価格を選択、最適な投資を実現するべきなのである。

 クラウドは残念ながらコスト面ばかりを訴えかけるケースが多く、お客様にも誤解されやすいんです。一部だけを見た場合はそこまでコスト削減効果が表れませんからね。そこで、クラウドを使うと全体で見た時の投資対効率が高まる、より事業拡大がしやすくなる、といった捉え方をしてみてください。企業全体の売上を基準に、グロスの金額ではなく比率として安くなっている、という考え方へシフトすれば、インフラ投資を抑えられていることが分かるはずです

 こうした事情を正しく説明できるか否かも、ユーザーの不安解消につながるそうだ。

 弊社では企業の実情を見て相談しながら、最適なものを選んでいきます。どちらかといえば、私がやっているのは費用を下げる営業ばかりですね(笑)

 と久保田氏は笑う。

 なぜこうしたビジネスが成り立つのかといえば、従来のようにサーバを一括導入するモデルではなく、月額課金や従量課金を採用しているためだ。導入がしやすい反面、やめたり切り替えるのも簡単なクラウドサービスでは、ユーザーに継続して使ってもらうことが一番重要となる。また、ユーザーが減れば宣伝広告費用も無駄になってしまうだろう。


1時間 12.6円からの従量課金で、設備コストを変動費化できます。

 お客様に『高いからやめよう』と思われるより、たとえ安くても最適な分量を使ってもらい、長くお客様とお付き合いできる方が私たちにとっては幸せなことなんです

 と久保田氏。

 ニフティには直営業の担当者が数名しかいないが、月額課金や従量課金制であること、そして何より迅速かつ丁寧な対応により、サービス利用をやめる顧客はほとんどいないそうだ。

 人数が少ないため常時訪問することはできませんが、お客様が悩みを抱えられた時、何か問題が起きた時にしっかりとした対応を心がけています。現在、ニフティクラウドの実稼働率は限りなく100%に近いですが、逆に捉えるとわずかでも止まっている場合があるわけです。この停止時にご迷惑をおかけしたお客様のため、どれだけ誠意を尽くせるかどうか。こうした積み重ねこそが“人”として信頼していただける結果にもつながります

 と久保田氏。こうした取り組みは、同社が掲げる「ニフティとなら、きっとかなう。(With Us, You Can.)」のスローガンにも表れている。

ホワイトペーパー

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パブリッククラウドサービスは、ハードウェア・ネットワークの調達コストや導入期間を短縮できる一方、それらのリソースをほかの利用者と共用しており、クラウド内部からのセキュリティ対策に関心が集まっています。 
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