インストールのシステムに不具合が見つかったため１ヶ月の発売遅れでした。単品の方は予定通り発売されたため、Just Suiteを予約していた私は、単品を購入した同僚を横目に見ながら悔しい思いをしました。
　ジャストシステムでは初の本格的オフィスパッケージになります。マイクロソフトのオフィスとの互換性にかなり意識しているようで、一太郎を始めとして表計算の三四郎、プレゼンのAgreeなど、どれもMSオフィスのファイルを読み書きできます。
　価格的にはMSのエクセルのアカデミックパックを購入するぐらいの金額でオフィスパックが買えるので、とてもお買い得と言えます。これから買いそろえたい人にとっては、大きな選択肢になると思います。
　ではMSのオフィスからの移行はどうかと言うと、純粋にはお勧めできません。一太郎やATOKに関してはやはり「さすが」と思わせる完成度で、一度こちらを使ってしまうと、WordやMSIMEに戻る気はしないですね。花子に関しても、一太郎との相性が良く、悪くないと思います。ただ、三四郎やAgreeに関しては、まだまだマイクロソフトに追いついていない感があります。三四郎で言うと、アンドゥが１回しかできないのは致命的です。一太郎との連携についても、それほどアドバンテージがあるようには感じませんでした。また、「売り」にしている互換性についても、三四郎ではエクセルのファイルを正常に読み込めないケースが大半です。数式が変換できなかった、等のメッセージが大量に出ます。マクロも当然ダメです。よほど単純なファイルであればいいのでしょうが、ちょっと高度なものになると、互換性はかなり低いと思った方が良さそうです。
　一太郎に関しては、もうほとんど日本語ワープロとして完成の域に達しており、ほとんどのユーザーは2006からの変更点に気付かないのではないでしょうか。何がどう便利になったの？と聞かれてもうまく説明できません。数年ぶりにワープロを更新する人にとっては大いに意味があるとは思いますが。　とは言え、やはり安心して使えますし、特にATOKという日本語変換システムについては、いくら進化してもしすぎということはありませんので、大変ありがたいです。
　ワープロを使っている人の多くが悩まされる問題の一つとして、行の文字が微妙にずれて困っている話をよく聞きます。フォントの変更、設定の変更、インデントの設定などで解決できますが、ここの部分はもう少し改良してほしい気がします。より直感的にインデントの設定ができるようになってくれると助かるのですが。
　あと、できればここしばらくほとんど変化のない、フォントの充実や、人名外字の充実なども推し進めていってほしいものです。また文字パレットから漢字を探すのも、もう少し探しやすい方法はないものか、特に異体字、外字などについては改善してほしいものです。
　Shurikenは、最新版の2007が無料でダウンロードできます。総合的に大変よくまとまっており、使いやすいメーラーです。今までBeckyを使っていましたが、今はShurikenがとても気に入っています。着信監視を常駐させると、Shurikenを起動していなくてもメールが届いたら教えてくれるのはありがたいですね。今のところ、唯一の不満は、起動時に、フォルダを整理しろ、と表示されるメッセージがちょっと鬱陶しいことです。FAQにも、これを設定でオフにする方法はないと書かれてありました。無駄な領域があることを教えてくれるのはいいとして、自動で行ってくれるとか、週に一度チェックしてくれるとか、そういう設定を可能にしてくれるとありがたいですね。　他、迷惑メールの学習機能も優秀だと思いますし、フォルダ振り分けの設定も大変楽です。

　結論としては、今MSオフィスを利用している人は、オフィス全体の代替として利用するには力不足。しかし、一太郎、ATOK、Shurikenなどはとても優れていますので、うまく組み合わせて使っていくのがベターかと思います。Agreeはまだ初バージョンですのでこれからに期待、パワーポイントにはない独自機能を積んでいってほしいものです。三四郎の開発にももっと力を入れてほしいですね。価格は安くても本格的に使うのに支障があるのでは困ります。劣化エクセルから脱皮したいのでしたら、もっと頑張って魅力的に進化してほしいところです。