検索は、ユーザーのブランド選考に影響を与えるか。
昨年末の「AdWords 日本版 公式ブログ」で、グーグルからもリリースがされていますが、
このテーマで、電通とグーグルで共同調査を昨年から行っています。
AdWords 日本版 公式ブログ
http://adwords-ja.blogspot.com/2009/12/blog-post_25.html
マスメディアと検索の関係式においては、
マスメディア→検索(インターネット)であって、
検索→マスメディアといった考え方やスキーム設計がなされることは少ないというのが正直なところです。
(AdWordsで、詳しくは、○月○日○○時のテレビで。ってのは、あまり見かけませんよね)
インターネット広告は、他の広告に対して、費用対効果が見えやすいメディアであり、ROI指標による広告評価でキャンペーンの良し悪しが判断しやすいので、投資対効果が見えにくい他の手段(メディア)から予算を獲得し易かったという理由で、これまで成長して来ましたが、ここに来て、インターネットでもブランディングを。
ということが、叫ばれるようになってきました。
インターネット広告にも、タイアップやインプレッション効果をメインにした広告メニューなどもあるので、ブランディング需要がなかったわけではありませんが、メディア(オークションルール)の性質上、より一層のROI指標による広告運用が行われやすい検索(AdWords)に関しても、ブランディング価値の模索が始まっています。
検索でのブランディングというと、SEO対策で、どうしても特定のKWで一番上に掲載されたいといった、ブランディングというよりも、プライド的なことでROI指標ではない広告投資!?が行われていましたが、純粋に、ユーザーに対するブランド価値の向上ということで考えた場合に、その価値はあると推測されるのに、そこを実証することがなく、これまで全くといって良いほど話題に挙がっていませんでした。
しかしここに来て、SEM市場の成熟による市場成長率の低下(と言っても、伸びていますが)やROI指標における運用手法の高度化(行き詰まり!?)による他手法の開発ニーズの高まりなどを受け、ようやくブランド価値に目が行き始めたというのが正直なところだと言えます。
電通とグーグルで調査している内容としては、
まず、検索結果ページのどの場所で掲載されると認知やブランドへの影響があるか。
(ブランドとひと括りに話していますが、興味や概要理解、購入意向などに分かれます)
といった視点で調査したものが、第1段として公表されており、
この年末に、公表させて頂いたものは、
どのようなクリエーティブであれば、ユーザーのブランド価値へ影響を与えるかという、掲載内容による影響度を調査したものになります。
もちろん、この分野は視点や考え方によって、様々な切り口があり、今回、調査したもので全てが語れるわけではありません。
例えば、短期記憶だけにしか影響を与えず、中長期的には影響がないかもしれないですし、購買直前のブランド価値の創造ということで、結果以上の価値を生み出しているかもしれません。
ただ、今まで、何の指標もなかったところにクサビを打つことは、個別ケースで同様の検証を行う際の比較材料としても重要だと思いますし、このような考え方があると提議する意味でも価値はあると思っています。
今後、継続的に調査、研究が必要なテーマだと思いますが、興味を持って、ご一読頂ければと幸いです。