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企業サイトのアクセシビリティでビジネスチャンスをつかむ

2009/10/13 23:37
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WebClip ウェブデザインのニュース

この記事のトピック

こんにちは。“時代の3歩先をねらうWeb屋さん”羽山 祥樹です (ハンドル名をミキ・オキタから変更しました)。
このブログ「WebClip ウェブデザインのニュース」では、Webデザイン・Webマーケティングの話題をお届けしています。

10月7日(水)に、毎日新聞社ユニバーサロン様、gihyo.jp様、Web担当者Forum様の後援で、Webアクセシビリティの公開討論会を開催しました。
公開討論会の運営リーダーと当日の司会を務めさせていただきました。

公開討論会“だれもが使えるウェブサイト”
〜 企業サイトのアクセシビリティでビジネスチャンスをつかむ 〜

イベント自体のレポートは、後日、公式のものを出す予定です。
この記事では、副題に掲げた「企業サイトのアクセシビリティでビジネスチャンスをつかむ」について、僕の考えをお話します。

アクセシビリティについて議論の土俵をビジネスから外さない

公開討論会“だれもが使えるウェブサイト”では、モデレーターで毎日新聞社ユニバーサロン編集長の岩下さんをはじめ、パネリストそれぞれの立場から、ビジネスに役立つという視点でアクセシビリティを語っていただけるようお願いした。

このテーマにした背景には、事前の打ち合わせで岩下さんと次のような話題で盛り上がったことがある。

社会的責任や福祉のために、あるいは人権保障のために、企業がアクセシビリティに取り組む、という話を聞くことがある。
しかし、企業が興味を持つポイントは、やはり儲けになるかどうかではないか。
その観点から、アクセシビリティについて語る必要があるのではないか。

僕は、アクセシビリティの普及のためには、ビジネス上の直接的なメリットを訴求しなければならないと思っている。

企業のWeb担当者は、たぶん、彼らの上司からこんなことを言われているに違いない。

「Webサイトでの、今月の売上は目標達成か? お問い合わせ数は? 閲覧数は?」

この状況で、企業のWeb担当者が上司に「アクセシビリティを向上させたいので予算をください」と言っても、理解されづらいだろう。一方で、だが「検索エンジンからお客様を増やしたいので、リスティング広告の予算をください」ということなら、予算がつきそうな気がする。

では、こういうトークはどうだろう。

「コンバージョン率を上げたいので、アクセシビリティの予算をください」

ちょっと違和感があるかもしれない。
だが、本来はこういうトークをするべきだと、僕は思う。

企業が存続するためには、利益が必要だ。本業で利益を出さなければならない。
先の例で、リスティング広告の予算が取りやすいように感じるのは、企業のビジネスでの利益を生むことに直接的な関係があることがわかりやすいからだ。
一方で、アクセシビリティの予算確保が理解しづらく感じたのは、企業のビジネスの土俵から外れたところで、社会貢献や福祉のイメージで語っていたからだ。

アクセシビリティが、企業のビジネスの目的と一致しないと、企業は採用しづらい。

社会的責任や福祉のため、という話は素晴らしいことなのだが、僕の経験的に、それだけで動ける企業は多くない。
もっと直接的なビジネス上のメリットを訴求しなければならないと思っている。

アクセシビリティをビジネスの目的と一致させるトーク

僕自身の経験として、アクセシビリティをビジネスの目的と一致させるトークとして、アクセシビリティの対象者が『自社のお客様』という話し方が大切だ。

「アクセシビリティ=高齢者・障がい者のため」という印象があるが、そのようなトークは避けた方がいい。
たいていの場合「うちの顧客のうち、高齢者・障がい者の占める割合は多くない。だったら主要顧客のためにリソースを割く」という話になる。
そして、企業は自社の最重要顧客のために最大のリソースを割くという考え方は間違っていない。

だとしたら「最重要顧客にとって、アクセシビリティが必要だ」という話し方をする必要がある。

「アクセシビリティ=高齢者・障がい者のため」という理解は間違ってはいない。
ただ、もう少し広くとらえることもできる。

例えば、昨年末に勧告となったW3Cのウェブコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン (WCAG) 2.0の冒頭にはこうある。

「さまざまな障害のある人に対して、コンテンツをアクセシブルにすることになるだろう。また、このガイドラインに従うと、すべてのユーザに対してウェブコンテンツをより使いやすいものにすることにもなるだろう。」
引用元:ウェブコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン (WCAG) 2.0 日本語訳

高齢者や障がい者を含めた、すべての利用者に対して、アクセシビリティは使いやすさを提供する。
彼らに使いやすいものは、たいていの場合、他の利用者にも使いやすい。

さらに言うと、Webに詳しくない初心者の、Web上での行動は、高齢者のそれと似ている。
アクセシビリティを向上させることは、Webの初心者への配慮にもなる。

アクセシビリティの対象者を『自社のお客様』と話すべきだ。『お客様のメリットにつながります』と。
さらに「Webサイトが使いやすくなるので、途中で諦める人が減り、コンバージョン率が上がります」など、ビジネスとからめて話すといい。

アクセシビリティには、ノウハウを集積した規格がある

アクセシビリティには、いくつか規格がある。日本では JIS X 8341-3 としてJIS規格になっている。
規格とは何だろう。ルール? 破ってはいけないもの?

JIS X 8341-3 に関して言うと、僕はノウハウの塊だと思っている。
僕はIA(情報アーキテクチャ)を志す人間なので、とくに感じるのかもしれないが、JIS X 8341-3 は「Webサイトの使いやすさをいかに向上させるか」の教科書としても価値が高い。

どうすれば、ある利用者にとって使いやすくなるか。網羅性を持たせて調べ上げる。これはなかなか手間のいる作業だ。
JIS X 8341-3 は、見方によっては、「使いやすさ」で問題になる個所を網羅性を持って抽出し、ノウハウとして体系立てたものとも言える。

JIS X 8341-3 を参考にすることで、アクセシビリティは高齢者や障がい者を含めた、すべての利用者に対して使いやすさを提供することになる。

参考リンク

「公開討論会“だれもが使えるウェブサイト” 〜 企業サイトのアクセシビリティでビジネスチャンスをつかむ 〜」について、各メディアやブログでも告知いただきました。ありがとうございます。

毎日jp ユニバーサロン - ネット中継やツイッター配信も実施−−7日に毎日新聞社で「使いやすいウェブ」公開討論会

Web担当者Forum - NPO法人ハーモニー・アイが公開討論会「だれもが使えるウェブサイト」を10月7日開催

gihyo.jp - 公開討論会“だれもが使えるウェブサイト”,10月7日に開催

CSS Nite - 公開討論会 "だれもが使えるウェブサイト"

WebSig24/7 - 「公開討論会 だれもが使えるウェブサイト 企業サイトのアクセシビリティでビジネスチャンスをつかむ」開催のお知らせ

毎日jpのtwitterアカウント「 @mainichijpedit 」でもつぶやいて (その1その2) いただきました。

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※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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