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琴線に触れた発言集 - エンジニアの未来サミット

2008/10/13 23:00
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ミキ・オキタWebClip ウェブデザインのニュース

【この記事のトピック】

こんにちは。“時代の3歩先をねらうWeb屋さん”ミキ・オキタです。

9月13日、技術評論社主催、パソナテック協賛によるエンジニアの未来サミットに参加した。

このイベントは「10年は泥のように働け」論争を受けて「学生にIT業界の様子を正しく伝える」ために開催された。
2部構成になっており、第1部は、アルファギーク5名と学生4名のパネルディスカッション。パネラーは小飼弾さん(ディーエイエヌ)、ひがやすをさん(電通国際情報サービス)、よしおかひろたかさん(ミラクル・リナックス)、谷口公一さん(ライブドア)、伊藤直也さん(はてな)。(以下、敬称略)
第2部は、“30代”を迎える若手エンジニア9名のパネルディスカッション。

今回の記事では、第1部のパネリストの発言から、僕の琴線に触れたものを集めてみた。

(念のため、パネルディスカッションの内容は多岐に渡っていた。この記事で取り上げていない点も多い。パネルディスカッションの全体像を知りたい方は、この記事だけで内容を判断することは避けていただきたい)


パネルディスカッション風景。左から、小飼弾さん、谷口公一さん、伊藤直也さん、よしおかひろたかさん、ひがやすをさん。

問題は『自分がどうしたらいいかわからない』に解決策を見つけようとしないで過ごすこと。

伊藤 (「10年は泥のように働け」という)発言された方の言いたかったことは、どんなに技術があって、プログラマーとして優れた、あるいはSEとして優れてても、例えば、金融の会社にいったら金融の業務を知らないとまともなシステムを作れない、とか・・・そういう業務フローを知るために、10年ぐらい下積みが必要で、10年ぐらい働いてようやく一人前のプログラマとかSEになれるんだよ、ということが言いたかったんだと思う。

聞いている側は若い人だったので、若い人は自分は能力がすごくあふれていると信じていて、入ったらすぐに活躍したいと思っている。そこにギャップがあって、偉い人は『10年間くらい下積みをみんなやってるんだからお前らもやれ』と言うし、若い人は『いやいや俺は若いうちから活躍したい』というギャップがあって、論争になった。

じゃあ、Web業界は10年間泥のように働く必要があるかというと・・・そういう感じもなくも無い。というのは、自分もやっぱり最初は、入ったらすぐにプログラムバリバリ書いて、第一線で活躍したいと思っていた。実際やってみると、できない。何でできないかというと、どんなにひとりでプログラムが上手に書けるようになっていても、実際に作るものっていうのは、たくさんの人と一緒に作らなきゃいけないので、まずその方法論を覚えなきゃいけない。それから、プログラム書いても、趣味で書いたプログラムと、大規模な環境で書くプログラムはぜんぜんノウハウが違うので、そこの経験がないと、どうしても難しい。まあ・・・10年というのは長すぎるかなと思うが、ちょっとした下積み期間というのは絶対どこの業界でもある。
(「10年は泥のように働け」発言は)極めて常識的なことを言っていたと思うけど、そういったところで齟齬が生まれたのかな、というのが僕の印象。

学生 『泥のように働く』ってのは『必死に働く』ってこと。何でこの業界だけ『泥のように働く』ってことが強調されているのかがわからない。

小飼 『泥のように働く』っていうのは『一生懸命働く』ってことだけじゃなくて『その間、日は当たりませんよ』というのが含まれている。
例えば、給与のようなかたちで補償を得ることもなく、少なくとも10年はただただ働け。安月給で働け。誰にも評価されずに働け。『評価されない』ってのが“泥”のなかに含まれている。

学生 博士号を持っていても企業からは評価されない。『大学でずっと遊んでたの?』という話になってしまう。博士号よりも実務経験がものを言う。就職できない。

伊藤 入社して1年くらいは、下積みをしていた。自分がつくったプロダクトが外に出て、評価していただいたのは社会人3年目。

『プログラマ35歳定年説』とか『自分でプログラム書けばいいじゃん』と言っていたが、それができる人は問題じゃない。
たぶん“泥”の発言も『35才』に関しても、いわゆる平均というか・・・大きい会社のなか、あるいはもう少し小さい会社のなかにいて、どうしたらひがさんやよしおかさんのようになれるかがわからなくて、ただ過ごしていると、どうしても『35才』とか“泥”っていうのが見えてしまうっていう人たちが不安に感じている。

自分にあてはめてどうかと思うと、25〜27才ぐらいのときに『35才定年説』とか聞いたときは愕然として、35才までしかできないのか・・・もっとこれずっとやってたいな・・・と思った。

今、もうちょっとで31才になるんですが、管理の仕事が増えてきて、嫌かっていうと意外とそうでもない。年齢的なものってあると思う。自分が30才くらいになってくると、後輩が入ってきて、5才くらい下の優秀な技術者が何人か自分のプロジェクトを手伝ってくれる。彼らの力を使って、自分ひとりではできなかったことができるようになる。それはそれで面白い。必ずしも35才になって管理職の仕事が増えるってのは悪いことじゃない。

ただ、一番、問題あるのは、無自覚に『自分がどうしたらいいかわからない』ってことに解決策を見つけようとしないで、35才くらいまでずーっとのんびり過ごしてて管理職になると、そういう面白みを感じることもできない。あるいは自分で選択した結果じゃないので、あまりしあわせなことにならない。
それが不安な方は、35才くらいまでに『自分が何ができるか』っていうこととか、『自分は何が面白いと思うか』ってことを、もっと自覚したほうがいい。

何かができるかできないかはやってみないとわからない。

よしおか 自分が書いたコードが、受託開発(SI)だと、受託された側ではなく、発注した側に行ってしまう。自分のコードが自分のものではない。

ところがオープンソースとかそういうものでは、自分のコードは自分のもの。自分のものにアタッチできる。人格と一緒に。そういうことを知った瞬間に気持ちいい。
あるいは、伊藤直也さんの場合だと、自分のサービスが、自分の名前とアタッチできる。自己同一化できる。それは商品としての、例えばOracleのエンジンをつくりました、という、ほんとに1/100くらいの小さいパートをやっても、自分が何かをコードとしてつくったなという喜びにアタッチできるから、同じコードを書いていてもぜんぜんモチベーションが違う。

こないだ宮川さん(※)が言っていたのは『オープンソースにすることのメリットは、実はそういうことだよ』なんてことをおっしゃってて、ああ、そうだよなぁと。
受託開発よりそっちのほうが気持ちいいってのはそういうところなのかなぁと、自分的には腑に落ちた。
※宮川さん=宮川達彦氏。シックス・アパート株式会社執行役員。

学生 自分はコンピュータサイエンスの知識があるから役に立つかなと思ったら、畳水練というか、実践(はてなのインターン)ではついていけなかった。社会に貢献したいという漠然とした考えだけではまだまだだな・・・と思った。

よしおか 何かができるかできないかはやってみないとわからない。その限界を決めているのは誰かというと自分。『あ、これできねぇだろうなぁ』と思っちゃう自分が決めている。

で、大人はそういうことないんだよ、という若者を背中を押さなくてはいけない。
例えば、コードを書くっていうことが、こんなに面白いよってことが言葉で説明しても駄目で、伊藤直也みたいな人間が自分のコードを書いてこういうサービスつくってすげぇと思わせないと駄目。
だから彼は言葉で語るよりもコードで語った方がいい人なんだよね。やっぱり。それをハッカーって言うんだけど、そういうようなハッカーが普通に一杯いるような社会に私はしたい。

そういうような社会であれば、もう勝手に、あ、伊藤直也になりてぇよ、ひがさんみたいになりてぇよって人がぼこぼこ出てきて、東京駅の界隈(エンジニアの未来サミット会場)に、200人も集まらなくて済むようになる。

すごい地道に苦労してきたから、今、アルファギークと呼ばれる。

谷口 アルファギークって、人の目から見たら、好き勝手やって、偉そうなことを言って、だけどすごくその発言が人を動かしてしまう、という感じだと思う。だけど、みな生まれてすぐアルファギークだったわけじゃない。アルファギークになるまでの過程がいろいろある。
直也さんも、昔は有名になりたいって自分が一所懸命コード書いて、外に出していくことで、いろいろな方に注目されて、周りが直也さんのことをアルファギークって呼ぶようになったから、直也さんはアルファギークだと思う。誰も楽してアルファギークだと言われているとは思ってない。
『アルファギークに会ってきた(小飼弾氏の著書)』に出ている人は、みんなすごい地道に苦労して・・・もちろん才能とかでパッとなれる人とかもいると思うけど・・・実際は僕もすごい大変だった。

会社にも認めさせて、好き勝手なことができるところまで、自分で来た。

よしおか 典型的なSIerにいるひがさんに実は訊きたくて・・・多くの人はSIerに入ると、やっぱり受託開発的な仕事をされるわけですよ。もう延々と。それがたまたまJavaっていうテクノロジーであったり、もっと昔のテクノロジーであったりするわけだけど・・・。

だけど、ひがさんは10年間そういうような業務をしつつ、Javaに巡り合って、自分でフレームワークをつくって、それを会社にも認めさせて、それを会社の商売、ビジネスさせて、ある意味で言うと、もう好き勝手なことができるようなところまで、自分で来たわけですよね。
誰かに言われてやったわけじゃなくて、上司にやれって命令されてたわけじゃなくて。そういうようなところの戦術論、戦略論、あるいは、どうやってそういうふうにやったか? っていうのは、たぶん、参考になるかなぁという感じがする。教えていただければ。

ひが 私はSeasarっていうオープンソースのプロダクトを出す前までは、普通のSIerのいる人たちはこんな感じでないかなあ、というふつうの人なんですけど・・・私はもともとプログラミングするほうが好きで、あんまり人を管理するのが自分の仕事だよっていうのはあんまり好きじゃなかった。会社の評価もあまりよくなかった。

でも、例えば『受託してそれをパートナーさんに丸投げして差額を儲ければいいじゃん的なビジネスっていうのは、今後絶対崩壊しますよ』『ちゃんと設計する人たちがコードを書かないと、コードを書いて、コードも理解できないと、きっちりした設計できないですよ』っていうのを(そのころから)ずっと言い続けてきていた。
実際に、丸投げ案件だとか、失敗だとかが、大型不採算案件だとかあったりして、会社的にも単にコードを知らない人が設計してても駄目なんだと、もっともっとコードを書ける人を育てていかなきゃいけない、という方向にちょうどなった。
それと同じように偶然に私はオープンソースでSeasarっていうプログラムを出して、コードを書けるよ、ってことをちゃんと会社に認めさせた。

っていうのがあって、コードを書ける人を大切にするっていう文化がうちの会社に中にはある。そういう意味で、今、自由な立場にいるっていうのはそういうところがあると思う。

よしおか それって結局、誰かに言われてじゃなくて、自分でやってた、っていうのが、今回のポイントだと思う。へこたれずに、延々、SIerでやってて、そういうメッセージって、すごく力強い。
多くの人たちは、あれがいいなぁ、と思ってるんだけど、手を動かさずに、思うだけ。そのうち何人かにひとりは、やってみる。やってみて、ほとんどうまくいかないかもしれないけど、少なくともひとりここに上手くいった人がいるわけだから、不可能ではない、ってことを証明しちゃったわけですよね。

小飼 不可能でないっていうんじゃなくて、よくあるのは、成功例を挙げても、あいつら運がいいだけじゃないか、という・・・。

よしおか 運はいいんだよ。当たり前じゃん。運はいいに決まってる。
だけど、宝くじ買わなくちゃ当たらないんだよ。それだけの違いってのは、そうとう大きな違いだよ。

小飼 そうなんですけど・・・その宝くじってのはオッズわかってますよね? 一等が何本あって・・・。

よしおか 人生はわからないんだから、やるか、やらないか、だけですよ。本当に。
たとえば今日ここに200人いたうちで、日記に書く人とかブログ書く人は何人かいると思うんだけど、今USTで見てる人。あるいはこの会場に来れなかった人もいるわけじゃないですか。だけどここにいる200人っていうのは、わざわざここに来たっていう奇跡なんです。自分はここに来たい、と思って、自分で来ている。上司に言われてきているけじゃないでしょう。
もうそれだけでも十分奇跡。そういうことの、自分は何かをやるってことを積み重ねていれば、今の自分になる。

ひが SIerにいて『プログラミングが結構好き』でも、基本的にSIerの中って『プログラマーだったりSEから、マネージャっていうキャリアパスがデフォルトで引かれている』っていうのが『気に入らない、できれば変えたい』って思うけど、しょうがないなぁと思ってる人たちって、結構いらっしゃるんじゃないかなあと思う。
そういうときに、単にある程度年いったらマネージャにならなきゃいけない、と思うよりは、思い切って、オープンソースなり、そういうプログラムのちゃんとやって、それを世の中に認めさせるみたいなことをやる最初の一歩っていうのを踏み出さないと、結局、何も人生変わらない。

もしそういうことに悩んでいる人がいれば、まずはコードを書いてきて。

で、一番認めてもらいやすいのはオープンソースをやることだと思っているので、マネージャだとかになりたくなくて、ずっとプログラミング書いていたいという人は、ぜひオープンソースに取り組んで欲しいと思う。


パネルディスカッション風景。

技術者の能力を引き出して、ビジネスにする人がいないと成り立たない。

伊藤 マネジメントは非常に重要です。源馬さんと僕は先月1ヶ月間インターンをやってたんですけど、源馬さんがさっきコンピュータサイエンスの知識あったけど通用しなかったっていう話をしていたんですが、あれは責任の半分かそれ以上はこちら側にある。コンピュータサイエンスの能力を持っている人の、その能力をちゃんと引き出してあげて、製品まで結びつけてあげるってことはマネジメントがやんないといけない。

技術を極めたいと思ってる人が、技術者として、まっとうにプログラムを書ける環境をつくるには、マネジメントをしてあげて、能力を持っている人の能力を引き出して、それを製品に結びつける、あるいは、それからお金を生み出して、ビジネスにするっていうことができる人がいないと成り立たない。どっちか極端というのはない。マネジメントだけやってればうまくいくということもないし、コードだけ書いてればうまくいくということもなくて、両方ないと、基本的にはうまくいかない。

こういうカンファレンスに来て、コードを書くのが大事だって話になると、まあその35才プログラマ説否定みたいな感じになって、管理はてきとうにやっときゃいいんじゃん、みたいな話になるんですけど、さっきのオープンソースの話もそうだし、私の会社の話もそうですけど、やっぱりマネジメントがうまく回っているときっていうのは、エンジニアも生き生きと仕事ができる。そうじゃないときは、技術を持っている人はたくさんいるんだけど、会社自体に魅力を感じられないみたいなふうになる。

もうひとつ重要なのは、マネジメントに技術力があるということが重要。
マネジメントの人が技術がないと、それこそコンピュータサイエンスの力を持っている源馬さんみたいな人の、能力がどういうものなのか、どれくらい深いのかが判断できないので、技術をやって叩き上げの人がマネジメント能力ある人がマネジメントになって、35才以降を迎えると。もう一方で、自分はマネジメント得意じゃないけど技術は極めたい、という人は35才くらいになっても技術を突き進んでいけばいい。
そういうふうになっているのが理想。

勉強する時間もないほど仕事が大変な人は、思い切って会社をやめるしかない。

会場の質問者 技術力が最初あって、学生の頃とか好き勝手オープンソースでやったりして、それからそういうことを認めてくれる、たとえばはてなのような会社に行く、という人は問題ないと思う。運悪く就職するタイミングまでに技術というか、コードを書くという経験が無く、よくわからないままコードを書かないと面白くないようなSI業界などに行ってしまう人が多くて、そこが一番問題なのではないかと思っている。
それに対する対策、こうすればいいんじゃないか、ということについて何かありますか。

よしおか そういう対策はないんですよ。自分の人生、自分で生きる、ってことで、何にも考えずにSIerに就職して、つまんねえな、だったらそれは君が選んだ人生なんだから、それを我々に解決して欲しいなんておこがましい話で、誰にも解決できない。自覚して就職しようよって話だよ。
それも誰かに救ってもらおうなんてありえない。親が何かやってくれるなんてありえない。自分の上司が何かやってくれるかったらありえない。
自分の人生、一番興味持っているのは自分なんだよ。当たり前の話だよね。

伊藤 (今日の議論が)・・・個人責任論、個人に全部自分の責任がある、っていう偏りすぎたなってところも若干感じる。

自分は、けっこうどちらかというと今質問された方のパターンに近くて、プログラム書くようになったって大学院の、会社に内定もらったあとなんですよ。

僕は運悪くというか、自分で選んだってところだけがちょっと違うんですけど、やっぱりすぐそう、入ってすぐプログラムが書けたけじゃないし、何か特別な技術を持っていたわけでもないパターンです。入ってみて、あ、これ、技術力がないと大変だっていうのはその時点でわかった。

で、どうしたらいいかっていうのは、あんまりその、こうしたらいいってのはそんなにないんですけど、ただ勉強はしないといけない。
僕の場合は、最初入って、プログラムが書けなかったので、結構毎日会社が終わった後にずーっと本を読んで勉強してたっていう経験があって、そのときにかなりたくさん本を読んだってのは、今、生きているっていう実感はある。
そういう、勉強もしないし、努力もしないし、でも何となく会社に行ってるだけでスキルが身につくと思ったらこの業界はちょっと違うんで、そこはなんとかしなくちゃいけない。

で、問題は、勉強する時間もないぐらい仕事が大変だっていう人だと思うんですけど・・・それはもう思い切って会社をやめるしかないのかなあと思います。

いや、結構、会社って、辞めるってなると、あー生活がーとか、家族がーとか、いろいろな問題があると思うんですけど、意外と辞めてみると大したことないんで。
僕も本読んでたって言っても、5年間本読んでたわけじゃないんで、辞めて半年くらい本読む生活をして、それから就職先探して・・・って、たぶん半年くらい持ちますよね。
とくに若い人だったら、家(実家)もあるんで。そういうことをやってみるのは悪くないと思いますけども。

人のせいにしても何の問題も解決しない。

会場の質問者 SIerと呼ばれる業種の会社におりまして・・・新入社員が皆、入った頃は、この会社のやりかた変だよね? 何でこんな変な受託のフレームワークで、データベースから全部文字列で取ってくるの? JavaじゃなくてCOBOLじゃないの? とかってみんな言う。ところが2年3年するうちに、まるで足に重りをつけられた像のように大人しくなってしまう。あれ、あのころの情熱はどこに行ったの? なんてけしかけても、とにかく納期が、納期が、とかって、一生懸命会社のフレームワークで作ってる。
なぜそうなるのか私には理解できないが・・・よほどSIerというビジネスモデルが会社にとって旨みあるものなのか、経営者がそれで黒字になっているんだったらそれを変えようとは思わないと思うんですけど、会社のビジネスモデルに技術者がやられてしまうくらい、人月モデルってのは強力な破壊力があるのか?

よしおか なんにも考えなくても、Aランクの人は80万円、Bランクの人は70万円・・・本当になんにも考えなくてもいいわけですよ。経営者として。そこに自助努力あるかとか、競争があるかっていうとほとんどなくて、単にAさんBさんCさんがいて、AさんBさんCさんに対して、人月単価を掛けて、はい、このプロジェクト。空きがないように詰めてるってだけ。経営の責任ですよ。
そういうようなビジネスがそれが今後続くかどうかってとこが、ひがさんの危機意識でね。SIerってのはそれじゃまずいだろと。
自分の努力、売り物を持っていないと、もっともっと単価安いところにがんがんやられるだろうって認識。ぬるま湯にいると、やっぱぬるま湯で気持ちいいから、とりあえず食ってる、っていう麻薬的なところなんじゃないのかな。

ひが そうなんじゃないですかね。SI業界って言っても、ピラミッド型になってると思うんですけど、一番上の人たち以外は、実はすごい苦労されているはず。ブラック企業だとかって言われるようなのは、一番底辺の層にいる人たちだと思うんですけど、それは辞めるしかないと思うんですよ。やっぱり。

そういう会社は辞めるしかないと思っていて、で、一番上のSIerにいればいいかっていうとそういうこともなくて、私ブログで、どんどんSIerの給料下がるよって書いたことあるんですけど、今のSIerってすごい横並びで、みんな今後は上流にシフトしていきますよ、下流はどんどん下請けに投げていきますよ、と、同じことばっかり言う人たちだけじゃないですか。今のSIerって。同じことをしていたら、どこにも差別化する要因がないから、どんどんどんどん価格競争になっていって、単価も下がるし、売上も下がっていくよ、っていうふうになると思ってる。
逆に私は、今のSIerっていうのは、上から下まで全部トータルにできますよ、プログラミングもできる人が設計もやるし、ていうような感じ、設計をやる人がプログラミングも書けますよ、というような感じで、全部自分たちの中でコントロールできるSIerが強くなるし、単価も上げられるし、付加価値を出せるよ、と思っている。
私は今後のSIerはそういう方向に向かっていかないといけない。
どんどんどんどん単価が下がって行って、ビジネス的には苦しくなるじゃないかな、と思っている。

会場の質問者 技術者側はその環境(経営者側に技術の大切さをアピールする)をつくらずに、今のぬるま湯が気持ちいいからずーっとそのままになっているってのが問題なのか?

よしおか そうですよ。そういうこと言うと、みんな私なんかマッチョだ、なんて言われちゃうんだけど(笑)。最終的には、人のせいにしても何の問題も解決しない。これは政府が悪いんだ、とか、何々が悪いんだ、ってもさ。

だとしたら、したたかに生きるととしたら、少しでもいい環境にしたいわけですよ。みんな。少しでもいい給料もらいたいわけじゃないですか。少しでもいい生活したいわけじゃないですか。それは、したたかにそういう環境を自分の半径5mからやるしかないわけですよ。

それをやってる人たちがひとりでも増えていけば、君にとって素敵なのが、ひょっとしたら僕にとって素敵な社会になるのかもしれないし。そういうことだと思う。

ぬるま湯でいいって言っている人も、たぶんそういう生活で満足している人は、別にその人に向かってあーだこーだ言う筋合いでもないから。それじゃ嫌だと思うんだったら、自分でやるしかない。

自分が『何ができないか』がわからないのが一番問題。

学生 自己責任の話があったんですが、僕インターネット大好きで、インターネットできて、昔からあって、IT業界もっと盛り上がって欲しい。自己責任って言ってるとなんか成長できない感じとかブラックな感じがして、人が集まってこないとIT業界も盛り上がらない。
自分はIT業界で食っていけても、IT業界が盛り上がんないから嫌なんです。
だから自己責任(と結論づけることに)は違和感がある。

伊藤 たぶん、自己責任って言われるのが嫌なのと、逆にその自己責任を押しつけないいい会社を選ぶっていうのが重要。
学生さんは逆にどういう情報があれば、この会社が自分にとっていい会社じゃないかってのがわかるのかってのは、原体験としてどうなんですか?

学生 同級生の話になるが、就活するときに、とりあえずリクナビ見て、マイナビ見て、それに載ってること以外の情報って取りにいけない。どうやって取りに行っていいかわからない。

伊藤 そもそも情報の取り方がわからない?

学生 たぶんそうだと思います。みんながリクナビ見てOB訪問してそれで決めてるからそれでいいや。で、そのほかを知らせるものをもっと有名にしていきたい。

伊藤 業界の構造自体に問題があるって話になると、その構造を変える方法が必要だと思う。

構造を変える方法ってたぶん一番シンプルなのはたぶん淘汰じゃないですか。
学生さんがそういういわゆるブラックとか呼ばれている企業を選ばない必要がある。

ただ、それプラス、それを選んだ学生が悪いってなると、また自己責任になるんで、それだと面白くない。
どうしなきゃといけないかというと、企業側に、面白いことをやっている会社がどういうことをどういうふうに伝えれば学生さんにそれが伝わるのかってのが知りたい。
みなさんどういうふうに考えているのかってのがもっと詳しく教えて欲しい。

学生 今、就職活動やってる最中なので、そういうことがすごい問題になってるっていうのは重々自覚している。

この業界だけじゃなくて、日本全体の問題として今出ているのは離職者が、3年以内に辞めるって人が多い。その数が36%ぐらいって言われているが、何が悪いかって説明すると、辞めた後が問題。

理由があってこの会社では私がやりたいことができないと、あっちの会社だったらやりたいことができるからあったへ行こう、というポジティブ転職だったら問題はない。でも、今、36%を上げている原因の多くは、今、俺はここ合ってねぇから辞めよう、だけなんですよ。その先のビジョンが見えてない。

とくに多いのが、もともとビジョンが見えてなくて、適当に入った会社だから、そういうふうにまたなって、また結局ここは合ってないから辞めようっていって、また何も考えずにまた行く。

たぶんこれがスパイラルとして回っている。で、どんどん離職率が上がってる。

何が大切かってのは、自己責任と一緒なんですけど・・・自己分析能力。自分は何ができるかってのがわかってない。
私はプログラムができる。だからプログラマーになろうだったらわかる。
実際は、自分が何ができるかってのも明確でもないし、自分が何ができないのかってのも明確じゃない。

とくに一番問題なのは、自分が何ができないかってのがわからないのが問題なんですよ。自分ができないものをやらなければ、できるだけ活躍する機会が増えますよね。苦手なものって無理なんですから。だから、そういう自己分析能力ってのが欠けてるってのは現状の一番の問題。
そういうのってのはやっぱり自分。他人はできない。

伊藤 自己分析ができないとって話になると、結局、自己責任論になちゃう。

そこじゃなくて、面白いことやっている会社を僕はいっぱい知っている。
今日はIT業界は3Kだとかよく言うんだけれども、僕は面白い会社をたくさん知ってるし、自分の会社だけじゃなくて、他の会社でも、この会社も面白い、この会社も面白い、ってのはある。だからそれを学生さんに伝えて、学生さんにこの業界は面白いと思ってもらって、そういう会社にみんな入ってもらって、そうじゃない会社は全部淘汰すると、そういうのが僕たちのミッションなわけですよね。
そのときに、何をしたら学生さんに面白い会社はこんなふうに面白いんだよっていうのが伝わるかってのが知りたくて、そこでどっちもそんなん知ろうとしらないほうが悪いんだとか、自己分析ができないほうが悪いんだって言うと、何の建設的な議論にならない。
そうじゃなくて、どういう情報が欲しいのかとか、逆に、どういう会社だったら面白いと思うみたいな率直な意見を聞かせて欲しい。

学生 某就職サイトのインターンシップに行ってまして、そういう話題ってよく出ていた。
実際、マイナビやリクナビといった企業説明書いてるホームページあるじゃないですか。あれ見たところで、どこが魅力かって言ったらはっきり言ってわからない。だいたい同じようなこと書いてる。どこが違うかって言ったら、文で差別化ってのはかなり難しいと思う。
だって、人はその文を見て、あ、この会社って素晴らしいなって思えるような文を作るのってすごく難しい。人間の感情を文だけで動かすってのは難しいと思う。
やっぱり人対人、仕事現場を見せるってのが一番大きいと思う。その仕事現場を見せるってのがやりやすいってのはインターンだと思う。

でもインターンは実際今、行ってる人は行ってるけど、行ってない人はまったく行ってない。やっぱりとくに技術系ってのは、いきなり仕事やれってとこもあるらしいですけど、1dayとか説明会のみってのもある。そういうところだとやっぱり魅力は伝わらない。
どんどんどんどん職場を見せる。インターンシップのようなものをどんどんどんアピールしていくってのが必要だと思う。
とくに技術系ってのは腕を見せる、結果を見せるってのが技術だと思う。もっともっとそういうのをアピールしていけばいいかなって思う。

ひが 学生だとか若い人たちに、自分たちの会社をよく見てもらうっていうのは、就職情報のところに載っけるだけじゃなくて、社員が『こういうことしてますよ』、ブログで『自分はこういう会社にいて、こういうことやってますよ』っていうの伝えたりとか、あるいは、こういうイベントで来て会社のことを喋るっていうのも、伝えるために非常に有効な手段だと思う。社員がどんどんどんどん外に出て行って、『自分たちが何をやってますよ』ってのを言い易い、そういう会社にすることによって、学生たちに自分たちの会社の様子を伝えられるんじゃないかな、と思います。

勇気を持って、まずは行動しよう。自分の人生、自分で決めるしかない。

谷口 9割ぐらいの人はSIerですごく不満をお持ちの方だと思うんですけど、たぶん目の前の仕事を片付けることで必死で、自分の中の売りってなんだろうってところに気づいていない方ってたぶん沢山いらっしゃると思う。
そういう方が何かひとつ売りを作って、そうじゃないたぶん不満が少なそうだなって会社に目をつけて、そちらに自分から動いていく勇気って今後必要になるんじゃないかなって思う。

伊藤 学生さんの意見が非常に面白かったんですけど、話してみて思ったのは、結構ステレオタイプというか、マスな情報でしか伝わってない情報ってのにかなり毒されてるなあという印象があって、それを変える必要があるんじゃないかなってのが1点。
じゃあそれを変えるために一生懸命広報してくかっていうのはちょっと難しいかなと。

自分ができることは、自分がやっている産業をでかくする。そこで雇用をたくさん抱えるくらいの大きいサービスをつくって、エンジニアを大事にする会社ってのをつくりたい。
それで、自分がやっているところがでかくなって、そこに人がたくさん入るようになって、他の会社に入らない、っていうような状況がつくれるっていうことが、僕自身にできることかな。

よしおか 最終的には自分の人生、自分で決めるしかない。繰り返しになりますけど、それが1点。

実は東京っていう土地、ローカルな場所っていうのはすごいメリットがある。世界的に見ても。たとえばIT勉強会カレンダーなんて見ると、もういたるところで毎日毎日勉強会があって、自分のなかで何か勉強したいというものがあれば、インターネットのおかげでそういうのを自主的に取ろうと思えばいくらでも取れる環境が東京にはある。
例えば、今日みたいなこういうセッションも来ようと思ったらこれるし、あるいはUSTのインターネットの向こう側にいても聞けるし、だから自分がなにか積極的になれば、そこを変えられる可能性に満ちている。
それはインターネットのおかけですごい青い空が広がっている気がする。

やっぱり最終的には自分の人生は自分で決めようと。誰のせいにするのではなく。

ひが まずは行動しよう、というのが、今日私が一番言いたかったこと。

行動するってことで、私自身も行動してみたいと思う。さっきいろんな学生たちにIT業界の本当のことを伝えるためにはどうすればいいのかってことで、月に1回、ひがやすを飲み会っていうのをブログ上で告知して、参加したい人は誰でも参加できるような、そういう飲み会をやろうと思っている。
今日はいろいろ訊きたかったけど訊けなかったことだとか、そういうものがあれば、学生だけじゃなくて、誰でも参加してくれていい。ぜひ私なんかいろんなことを喋りたいという方がいれば、たぶん月のはじめらへんに告知をすると思うので、ぜひ参加して欲しい。

謝辞。

今回のイベントへの参加は、アルファブロガーで第2部のパネラーid:gothedistanceさんの招待枠をいただいた。ありがとうございました。

GoTheDistance (id:gothedistanceさんのブログ)

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※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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