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アクセシビリティ:会社はどこまで取り組むべきか?

2007/05/06 19:44
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ミキ・オキタWebClip ウェブデザインのニュース


会社とウェブアクセシビリティ

こんにちは。“時代の3歩先をねらうWeb屋”ミキ・オキタです。
このブログ「WebClip ウェブデザインのニュース」では、Webデザイン・Webマーケティングの業界動向をお伝えしている。

今回はウェブのアクセシビリティについて。

ウェブにおけるアクセシビリティとは、簡単に言うと「高齢者や障がい者など、身体に不自由がある方にも使いやすいウェブサイトをつくる」ことだ。
アクセシビリティはユーザビリティと密接な関係があるので、一般の方にとっても使いやすいウェブサイトをつくることにつながる。

最近、ウェブのアクセシビリティについて関わる機会が多い。
この問題に取り組んだことがある方はわかると思うが、悩ましい問題だ。
とくに会社として「何を」「どのように」「どこまで」対応してよいか、判断がつきづらい。

アクセシビリティの動機づけ

会社として、ウェブのアクセシビリティに何故取り組む必要があるのだろうか?
まずこの動機づけが難しい。

本来は、すべての会社は社会貢献としてアクセシビリティに取り組むべきである、と言い切りたいが、現実問題としてアクセシビリティに取り組むにもノウハウがいる。費用がいる。
一部の例外を除いて、会社は社会貢献と並行して利益を追求しなければならない。投資対効果の判断が出てくる。

あなたの会社のお客様には、高齢者や障がい者はどれくらいいらっしゃるだろうか?
もしあなたの会社が福祉関連や医療関連だったら、アクセシビリティに費用を払うだけの価値があるかも知れない。
上場企業だったら、社会的責任としてアクセシビリティは必要かもしれない。

ではあなたの会社が視覚障がい者の方は使わない機械を販売する会社だったら? 視覚障がい者への対応はどこまですべきだろうか?

他方で、アクセシビリティは一般の方にとっても使いやすいウェブサイトにもなるかもしれない。
たとえば、背景色と文字の色がほとんど同じだったら一般の方にも読みづらくて仕方ないだろう。
アクセシビリティへの配慮は一般の方のためでもあるかもしれない。

もしあなたが公共機関への入札案件を抱える会社だった場合、アクセシビリティは非常に重要になるかもしれない。
入札条件として指定されているケースがあるからだ。
この場合は目に見えたビジネスの必須条件なので、もっとも動機づけとしてわかりやすい。

アクセシビリティには配慮したほうが良い。
だが、どこまでやるのか、誰のためにやるのか、まず走り出す前に考えよう。

アクセシビリティはSEO対策に効果的?

いくつかのウェブ制作業者では、アクセシビリティへの取り組みはSEO対策に効果的だと言うふれこみをしている。
これは厳密な意味では間違っていて、アクセシビリティとSEO対策は別モノだ。
アクセシビリティへの取り組みの結果が、たまたまSEO対策の一部の手法と重複するケースがある、ということだ。

一部のSEO対策のテクニックはアクセシビリティ対策と正面からぶつかる。
SEO対策が最重要課題ならば、アクセシビリティへの取り組みよりも、SEO対策に徹底したほうが効果的だ。

ただ、いくつかのウェブ制作業者がアクセシビリティとSEO対策を結びつけようとする理由はよくわかる。
多くの会社において、単純にアクセシビリティという動機だけでは、どうしても社内の理解や予算の確保がしづらいのだろう。
少しでも投資対効果を高く見せようという意図に僕は感じている。

社内政治で必要なら、SEO対策という言葉を利用してもいいと思う。
ただ、アクセシビリティが最重要課題であるのならば、その推進者であるあなたは、SEO対策ではなくアクセシビリティに取り組んでいるのだということをつねに意識しておかなければならない。
取り組み内容がぶれて、結果として成果が薄くなりかねない。

アクセシビリティの基準

ウェブのアクセシビリティに取り組むとして、思いつくままにやるよりも、何らかの公的な基準を参考にしたほうがやりやすい。
以下に、僕が参考にした基準を列挙する。

まず、ウェブのアクセシビリティの基準として、国内で有名なものは下記のふたつだ。

・WCAG
W3Cが勧告として公開しているアクセシビリティ基準。

・JIS X 8341-3
日本工業標準調査会(JISC)の定めた規格で「高齢者・障害者等配慮設計指針 ? 情報通信における機器・ソフトウェア・サービス ? 第3部:ウェブコンテンツ」という。
JIS規格なので、アクセシビリティに取り組む会社は、この規格にしたがっている会社も多い。
僕もまずこれを参考にした。

米国でのビジネスに関係のある会社の場合は、次の法律がより問題になるかもしれない。

・リハビリテーション法修正第508条

国内の企業では、ウェブのアクセシビリティは富士通が有名だ。
富士通はアクセシビリティのツールを無料配布しており、富士通のアクセシビリティ指針は国内の他の会社にも影響を与えている。
また、インフォアクシアのウェブサイトも参考になる。
インフォアクシアが無料提供するアクセシビリティのツールも便利だ。

・富士通 アクセシビリティ
http://jp.fujitsu.com/accessibility/

・インフォアクシア
http://www.infoaxia.com/

また行政関連の取り組みとして、以下のふたつが参考になる。

・情報バリアフリーのための情報提供サイト:情報通信研究機構(NICT)
http://www2.nict.go.jp/v/v413/103/

・ウェブアクセシビリティの情報提供コーナー:みんなのウェブ
http://www2.nict.go.jp/v/v413/103/accessibility/

尚、今回はふれないが、PDFとFlashについてもアクセシビリティは存在する。
もうひとつ「ウェブ標準」というテーマも存在する。

何故アクセシビリティに取り組むのかを明確に

アクセシビリティは、これができれば完成、というようなものではない。
なので、取り組むにあたり、あなたの会社として、まず何を達成すれば良しとするのか、マイルストーンを設定してあげないと、何をどう取り組んで良いのかわからなくなる。
ユーザビリティの向上の一環なのか、それともビジネス上の必須要件なのか、どれだけ費用を使って良いのか。
まず会社として「何を」「どのように」「どこまで」対応していくのか、そこが最初の判断になり、そこできちんと動機づけができなければ、その後関わってくる多くの人の意識をまとめることが難しい。





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※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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