先月末頃に日立ソリューションさんにご招待頂いて、スマートフォンのビジネス活用をテーマにして1時間弱ほどの講演にお邪魔してきました。ビジネス活用といっても、アプリやソーシャルも絡めてのマーケティングが、というのではなくいわゆる業務用途の範囲となります。
震災後の流れが強くあったことから、当日はBCP絡みの話も何割か混ぜて準備を進めていたのですが、海上いらした方の反応を見ていても概ねそんな感じでした。
スマートフォンの業務利用とのテーマで良く聞く問いかけは三つ(と、BCP絡みを加えると四つ)です。
1)どういう場面で使うのがいいのか事例を知りたい
IT系でも新しいツールが出てきた際は必ず出てくるお約束的問いなので、スマフォに限ったことではありません。位置づけが定まってない初期段階にいるのかどうか、発生頻度から市場のフェーズが掴める問いかけです。
スマートフォンというのはケータイ的であると同時に小さいPC的でありしかも通信機能がふんだんについており、ということからどの要素機能を生かす発想でいけばいいのかとの問い、つまりどういう方面に適用していけばいいのかとの疑問がまだ落ち着いていません。効果場面の見さだめも十分には進んでいないことから、効果のある場面について実績情報を知りたい、との段階にあります。
2)営業改善に使いたいんだけど。。
1と重複するテーマ視点でもありますが、営業向けで使いたい、営業支援の事例はないのかとのピンポイントでの問いかけが多く見かけられます。つまりこれは、持ち歩きやすいデバイス=外回りの人が使うに便利という発想から出てきている問いかけと言えます。
3)セキュリティは?
外に持ち出せる機器=漏えいとセキュリティが問題、というのはノートPCを中心としての継続課題というかチェックとしては基本動作的な流れとなっています。興味深いのは、セキュリティをクリアしなきゃいけないというところまでははっきりしているのですが、では、何をどこまでやればいいのかが定まっていない点です。つまり、ケータイ的な代物なのかPC的な代物なのかどの水準で検討を進めれば良いか定まってないということを意味しています。
おまけ1)
BCPを進めるにスマフォはどういう役割を期待出来る?という問いは震災後そこそこ時間の経った後ですが、相応の量で出てきています。各社がBCPとして考える要件がまちまちなことから、一様の回答は出来ないですが、いわゆるシステムの継続性というところに留まらず、組織の人の安否から出来る範囲で業務を柔軟に維持するにはとの問いかけに対してスマートフォンが期待されている構図が浮かびます。
全体として興味は深いがまだまだ大きく動くには整理すべき事項が多いというのが傾向として出ています。
特に、業界関係者ともたまに議論をするのですが、定まってないのがセキュリティ周りです。プロダクトは出そろいつつありますが、どういう組み合わせや全体方針で管理体制を組むのか、あるいはその前にどのようなガイドラインを意識するのかについてコンセンサスが定まっていません。製品の流れと、おそらく出てくるだろう先ぶれ的なトラブル事案と、リスク管理のコスト及び利便性を踏まえての落とし所探しがこの先しばらくかけてゆっくり行われるとの流れが予想されます。
このあたり、スマートフォン自体の進化もまだ落ち着いていないことから、OSや機能組み上げの微調整が進むとともに期待される役割位置づけも変わってくることが予想されます。特にタブレット型のマシンはこれから多様なパターンが出されることからノートPCとどの程度入れ替え可能かとの問いが各所で議論されており、ベンダーやメーカーのシェアにも影響しそうな勢いです。
というあたり、各所で意見交換をした方が良いということで、幾つか調査やディスカッションを進めていけるような形で調整を進めています。第一弾はFacebookにスマートフォンのビジネス利用事例を整理するページを作って進めていますが、セットでイベントもやろうということで少し近いですが24日の晩に青山で実施します。
開催概要他詳細についてはこちらの申し込みページをご覧頂けましたら。