別方面向けにまとめた一文をこちらにも掲載します。ご覧頂けましたら幸いです。
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メルマガ読者及び関係者の皆様へ
今回被害を受けられた皆様にお見舞い申し上げるとともに、早期の復旧および復興を心よりお祈り申し上げます。
継続的に起きる余震、規模は小さくなったものの何度か発生している津波、余談をまったく許さない福島原発の動向など、地震発生直後のショックは収まったものの事態は収束したとはいえない状況にあります。弊社関係者も、各所と連絡を取りつつ慎重な姿勢を維持したまま業務を行う状況にあります。
事案発生後、事態の推移が分かるにつれ被害の実体や死者行方不明者の数が刻々と増えていったのは、95年の阪神大震災の時を思い出すようです。現状、災害後72時間という生存者がいるなら助けられるひとつのリミットラインを迎えつつあるタイミングです。自衛隊など救助チームの尽力により1万人以上の方が救助されたとの報が入ってきています。死者不明者合わせて1万を超えようというところで、この数字がいいの悪いのなど簡単には言えません。ただ、それだけの人が少なくとも助かったことを何かに感謝したいと思います。
厳しい話になりますが、救助の手が間に合わなかった方も含めて、何日かすれば初期対応のフェーズは終わることでしょう。家を失い、避難所に身を寄せている方々はその後の、避難生活をこれからどう過ごしていくかという長ければ数年にも渡るフェーズに入ることとなります。つまり、長期に渡っての支援維持が必要となります。
長期に渡る支援を支えるのは、下世話で不謹慎と言われるかもですが、正常に経済が回っていることから出てきます。モノが作られ、一部が現地に送られという生産物流機能、どこに持っていけばいいかというこれらを支えるメディア情報機能や行政機能が健全に回っていてはじめて実現できるものです。つまり、直接被害の無かった、あるいは軽かったエリアの人間は無理のない範囲で、出来るだけ日常業務を粛々と、しかしその中でも出来ることを気にかけながらという高い意識の下で遂行していくことが求められます。
私たちは何を果たすべきか。思案検討の上、直接に出来る幾つかのこと以外に、現行関わっているプロジェクトに今後を見据えた社会デザイン・ビジネスデザインの検討提案を織り交ぜること、出来る範囲での業務をいつも通り執り行っていくこととしました。本メールマガジンも、こんないつも通りのことをやっていて本当に良いものだろうかと思案しましたが、私たちが少しでもより良い知恵に支えられて前に進めるための素地となるのであれば変わらず続けようとのことで予定通りお届けしようと決めました。
異論をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。お持ちの方はもし宜しければ事務局問い合わせメール宛てにその旨を頂ければと思います。
内容については地震以前に実施されたものであるため、今回も含めて今後何回かはやや不謹慎な空気に読みとれるところはあるかと思います。この点につきましてはご理解をお願い出来ましたら。
なお、今後予定されている対談インタビューについては、地震を契機に変わるだろう日本の社会デザインのあり方や各企業のあり方といったテーマを混ぜていきたいと思います。募金が十分に出来ない、現地に手を差し伸べにいけないということを必ずしも負担に感じることはありません。経済を社会を健全に回していくことは復興の大きな支援となります。ひとりひとりが、自分の立場と力で出来ることを粛々と積み上げていきましょう。そして、その中で出来る支援を行っていきましょう。
株式会社企を代表して 渡辺聡