先日、「ビジスパ」の件でアルトビジョンを訪問した帰りに思ったこと(サービスリリースおめでとうございます>中のみなさま)。
メディア系の案件検討や相談事項、各社のリリースを眺めていると、出版、放送、(サイトとしての)ウェブという垣根は確実に崩れつつあるというか、大手コングロマリットでなくてもコンテンツをマルチに展開させようという動きが一般化しているのを感じ取れる。例えば今だと、電書やります、ウェブでももちろん出します、ついったー当然、イベントやったらUst当然、そこそこの数が事前期待出来るなら紙の出版やもっと聞きたい人があればまとまったセミナーも検討しましょう、というような。
さすがに地上波などのハードルの高いものはあるものの、単純に映像を希望者に流したいというだけであれば、Ustreamなど簡易なインフラが定着しつつあることもあり、映像でさえも気楽に扱うようになってきている。
そうなると、メディア事業あるいはコンテンツ制作というのは、個別機能の専門特化提供企業を除くと、あまたある選択肢をどう組み合わせて効率化を図るかというマルチチャネルマルチプラットフォームの発想が基本となる。ユーザー視点で捉えなおすと、それぞれがタッチしやすいチャネルと形態で自由にアクセスしてください、という感じになる。コンテンツとパッケージは一対多で紐づく。
思えば、半年超ほどお手伝いしているとあるメディア案件においても、そういう絵ばかりを書いているように思う。
このトレンドは、ユーザー側にも企業側にもマネジメント能力(個人だとセルフマネジメント?)が問われてくることを暗に意味している。マーケティング分野だと、統合マーケティングが該当するが、残念なことに日本ではこの概念がほぼ普及していない。広告のチャネル最適化を超えた話の先はごく一部の企業でしか議論されてないような気がする。
アルトビジョンの椎葉さんのお話を伺っていて改めて感じたのは、こうした組み合わせ管理を、事業規模やサービス運用規模に応じて適切なサイズで組み合わせ、管理レベルを定めることが上手く商売を進めるポイントになってきているというところ。これは、特定に何か、例えば最近だとついったーやソーシャルといったものに詳しいというものとは少し次元の異なるマネジメント能力が要求されることを意味している。
また、少し専門的な話になるが、80年代型コンサルティングフレームであるような単純なポートフォリオ的資源配分モデル(大前研一氏の全盛期が典型だろうか)では世の状況が要求している管理レベルに届いてないように見えている。マーケティングと広告とファイナンスを同時に語れるスキルセットを持った人がどれくらいいるだろうか、という問いが感覚としては近い。
SNSくらいまではぎりぎり大丈夫だったものの、そろそろ「新しいサービストレンドに追いつこう!」というアプローチでは厳しくなってきてるように見えている(もちろん、上述の通り専門特化でのサービス提供で伸ばしていく場合は別である)。