かねてから噂と気配のあったドコモの位置情報利用サービス検討について、メディアにリリースされた。
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20100915_394018.html
一言感想としては「ドコモ積極的に攻めてるな」という印象である。ガイドラインもセットでここまで綺麗に出してくるのは相応に力を入れていることを示している。
位置情報というプライバシーとしてもセンシティブ性の高いデータなため、取り扱いをどのようにするか、必要とされる保護運用技術はどのようなものかという検討が進められている様子はちらちら小耳に挟まっていたが、データの有用性検討というフェーズに一段進めることとなる。
記事にも記載されてるように、当面のターゲットは人口統計的な分野、公共的な用途が意識されている。これは、ターゲティング精度を上げた際の個人(位置)情報の漏洩リスクをなるべく取らずに済むために外堀からアプローチしていこうとの配慮から進められている事業開発ステップだが、回してみて感触が掴めてきたら民需の方にどこまで出て来れるか考えるだろうことは想像に難くない。今回の範囲設定は大胆に進める中でも慎重を期したというバランス感覚故だろう。
合わせて公表されているガイドラインも、プライバシー情報の事業者間を越えての流通、取り扱い検討にしばらく関わっていた(関わっている)ことから、内容的に非常に興味深い。例えば、秘匿処理の箇所についても、技術面ならず、分析対象データの品質管理上とのトレードオフが厳しくあることから、実際どういう形で組んでいるのかなど興味深い。
よって、たまたまではあるが来週明けの火曜に、プライバシー情報流通についてのシンポジウム(主テーマは映像ストリーミングのプライバシー)を少し手伝っているので、モバイル空間統計ガイドラインについても出来る限り触れるように調整をかけてみたい。
http://bwaunc.blog.ocn.ne.jp/blog/2010/09/post_12aa.html
ちょうど、この分野に関わっておられるMETIの横山弘泰氏もいらっしゃるので、良い機会である。ご興味のある方は足を運んで頂ければ幸いにて。
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また、これまた明日の話になるが、企業の情報管理周りについてのイベントに明日出演させていただくことになっている。
http://enterprisezine.jp/itiday/09
クラウド上でのデータ集積、企業内情報の分析活用から、各種ソーシャルサービスの勃興がどう絡みあってるかというIT業界とネット界隈のブリッジになるようなところをまとめる予定なので、同じくお手すきの方がいらっしゃるようであれば足を運んで頂けると幸いにて。