お使いのブラウザは最新版ではありません。最新のブラウザでご覧ください。

CNET Japan ブログ

メディア・リミックス

2010/06/24 18:34
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

プロフィール

渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
ブログ管理

最近のエントリー

業務上の相方にあたるクロサカの連載に(他媒体になってしまうが)少し補助線を引きたくなったのでごく単純に足しておきたい。
 
記事中で描かれてるメッセージは、前後のコンテクストを全部落として要約すると、「Apple、Google、Amazon。どれもある意味メディアビジネスに乗り出してきており、伝統的なメディア出版や関連流通の市場に挑戦し、着々と成果を上げつつある。日本のプレイヤーはこの動きを捉えた上でどのようにポジショニングすればいいか見定めないと猶予はなくなってきている」という趣旨となる。
 
この話を浅く読むと、旧来のメディアビジネスは攻められっぱなしでもうダメポみたいな読み方が一面ではなされる。所謂ところの新聞や死んだ、テレビは死んだ、これからはネットだというテンプレート表現が該当しよう。
 
この認識は確かに一面として正しい。現実に起きていることなのは間違いない。従来型のメディアは真綿で首を絞められるどころか、革ひもでぎりぎりと首を絞められるような状況に陥っており、もはや来期は無いかもしれん(今期で財務的に行き詰る)という声や噂が具体名を伴って出てくるような状況である。あるいはもう店閉めちゃったとか。
 
という、宜しくない状況の上に電子書籍協奏曲やサイネージワルツが繰り広げられているのが昨今と、簡単にはまとめられよう。
 
では、先ほどから”一面では”という表現を意識して使っているが、メディアビジネス、あるいはメディア機能は不必要になっていくものなのかという問いが出てくる。
 
ここは事態進行中につき最終的な結論を断言はできない。が、ほぼ間違いなくでそんなことはないだろうと想定される。つまり、メディアが実業の側に逆に入っていく、あるいは支援範囲を広げていくということが動きとして可能となるからである。
 
冒頭に挙げたネット系(アップルをネット系と括ると変だが)の御三家は、メディアとなんらかのビジネスモデルのハイブリッドという特殊種である。でも、同じようにメディア機能を取りこんでハイブリッド的な動き方を志向出来るビジネスというのは各所にある。これまた良く言われる表現を借りると、メディア化したい、出来る企業は各所にある。
 
このところ検討を進めていたり、相談を受けてプロジェクト化しているのは、このような逆参入的な動きのお手伝いだったり事業可能性の見通しの整理だったり、ビジネスモデルの考察に関わったものが目立ち始めている。単純にプロモーションでソーシャルやりましょうというだけではない、新しいビジネスの形を模索する動きが出つつある。

旧来の4マスの存在感が薄まるという枠の中でのシフト、あるいは枠ではなくコミュニケーション的なところへの予算シフトというマーケティング手法の全体論的な転換の動きもあるだろう。この意味においてはメディアビジネスは縮小傾向にあるといって間違いない。
 
しかし、じゃあメディア的な商売はお先真っ暗なのかと問われたら、適切な事業転換を図ればむしろやることは増えるのではというのが周囲と議論していてのいまのところの結論である。これは、新しい環境適用が必然として含まれるので、出来るところ出来ないところでふるい分けが起きてしまい、現時点のプレイヤーがそのまんま穏便に生き残れるということは意味しない。競争は当然ながら激しいし、内部での改革に向き合うと大変ではある。
 
それでもなお、単純に電子書籍をバラ色として気を紛らわせたりするのではない、未来の探り方というのはあるという実感を得つつある。
 
リンク先記事はこの手の議論の前半部分だけになってしまってるようで、後半の本項でまとめたところが(元々の狙いが携帯産業の分析にあることもあり)、落ちてしまった形になっている。パンドラを開けっ放しにしてるのは個人的にどうも落ち着かなかったので、その先にあるものをこうして少し補助線として引きたい。
 
問題は、最後出てくる希望に辿りつく前に箱から出てきた悪いもの諸々で倒れたり諦めたり閉じこもってしまったりしないことと、すべきことを知恵を絞ってひねり出すことであろうか。流行りものに取り込めば良いという単純な状況では無いため、まっとうに経営力と事業創造の力が問われるはずである。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
運営事務局に問題を報告

最新ブログエントリー