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いまそこにあるEDI危機

2009/04/02 17:52
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プロフィール

渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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先日知人と情報交換をして出てきた話題が気になったので、さらさらっとコンパクトに重い話を。あまり細かいところまでは触れづらいので表面を撫でる程度に。
 
今日に始まったところではないが、EDI分野で国際標準化を進めようという動きがある。例えば経済産業省だとこの辺だろうか。

このページはどっちかというとRFIDの方に話のウェイトが寄ってしまっていて、いわゆる企業間の古典的な情報取引手段であるEDIは少し脇に置かれているが、まぁ全体の趨勢と雰囲気はそれなりに掴めるところと思う。
 
実際のインフラ構築に関わったか少しでもかじったことのある方だと把握されているかと思うが、日本企業のEDIの仕様は2バイトコードの取り扱い(つまり、カナ漢字の扱い)などから、国内や企業グループごとに独自仕様となっているものが少なくない。
 
この手の話をすると、ガラパゴス良くない格好悪いという解釈に即飛んでしまう傾向がこのところあるようだが、商習慣最適化の結果として仕様が生まれてきたのがそもそもであり、多くの海外系業務アプリが日本のビジネス習慣に合わずに膨大なカスタマイズを生んでいるというのは、SAPコンサルタントが国内でも相当数いるというところからも窺えるところである。
(ちなみに、会計から労務管理系、在庫から何からで「基本仕様はどうやっても適用できねーけど予算上カスタマイズもできね〜」と頭を抱えながらプロジェクトを進めているITコンサルの方も少なくないものと思われる。業務パッケージ系は今も昔も大変で、そしてクラウドとかいう話になると更に大変になりかねないとか考えているがこれはまた別の機会に。)

EDI周りの周辺ソフトウェア群や構成ソフトを開発サポートしている会社は当然ながら国内企業がほとんどである。日本の需要に日本のベンダーに粛々と対応して応じてきたという経緯のもとに現在の(いわば)ガラパゴス構図が生まれている。
 
というところで、国際標準化を進めようという話がやってくるのだが、国際標準対応が強制される流れになった場合、国際仕様への慣れと導入支援ノウハウに劣る会社(=上記記載の多くの”国内企業”)は、優位性を失うためざっくり仕事を失うこととなる。気がつけば米国印のハードがあちこちに溢れ返り、米国人1インド人3とかいう支援チームのプロジェクトがあちこちにぽこぽこと生まれるといった方に力がかかる。EDI市場という全体は変わらなくても、旧来の国内向け仕様で動いていたセブセグメントは急速に萎み、内部でプレイヤー交代が急速に進むというシナリオが描かれる。
 
中間的な逃げ領域として、例えば、EDI部分を外受けして変換をかけてしまうといったNTTコムのプロダクトのようなものが挙げられる。この手のクッションとなる製品とサービスなどがあることを受けてもまんま全部が席巻されるといった単純なシナリオを描くのは早計である。

しかし、肌感覚も含めて、モノのトランザクションを握られるのは少々気持ちが悪い。会計領域と同じく、国際標準対応をなんらかする道は考えていかないところと基本は思うが、安易に進めずに派生市場も含めてどの程度のインパクトを生むか、特にマイナス面を考慮しての慎重な調査と判断をして頂きたいものだと思う。
 
この手の地味だが基幹系の大きな仕事に支えられている業者も多いだけに、そして、RFIDのお祭りと進み具合を見るに、大丈夫かなぁという気分と、更に同時に、もしこの手の施策が国内需要ネガティブに効果が出るとしたら、反対側で景気対策を行いながら施策を進めるという全体像はどのように理解すれば良い物だろうかという風なところにも思考が飛んでしまう。

ちなみに、余談ながら、今回のG20では(一応)保護貿易反対という立場がオフィシャルには(あくまでオフィシャルには)取られるようである。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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