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転換期の外食産業とインターネット

2008/04/22 09:34
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プロフィール

渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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外食産業で整理の動きが出てきつつある。印象的に記憶しているのはデニーズが130店舗閉めるという判断をした件。ヨーカドー資本になるため、セブン&アイ全体の戦略でどうポジションされているのか、他のチェーンはどっちに向かっているのかといったところをちらちらと眺めていた。
 
財務面や数字的な経営計画の見通しといったところについて、それはそれで見るとして一旦さておいて、どのような流れの中での判断かというので面白い記事を見つけた。

 ファミリーレストランの特徴であるマニュアルは、かつては料理の味やサービスのばらつきをなくし、働き手にとっても、消費者にとってもいいものだった。けれども、今やマニュアルはすっかり「負」の部分の方が多くなってしまった。色々な角度から見て、ファミリーレストランには厳しい時代が進んでいることは間違いないだろう。

 これからはもう一度、「個人店の時代」がやってくるのではないかと思う。経営者やスタッフなど人の顔がはっきり見える店。コミュニケーションがあり、温かさがある店。消費者の変化に敏感で、それにスピーディに対応できる店。何よりおいしくて楽しい店。そんな個人店が頑張って、街が賑わいを取り戻して欲しいと思う。

最近の店選びのパターンは?という話をしていると、知っている店からというのはもちろんだが、検索して探す、ぐるなびのようなイエローページ的なサービス、あるいはユーザーの口コミを集積したサイト(食べログなど)から探すといった人が5年10年単位で考えるとやはり増えている。
 
これらのサービスが普及すると、店選びはどう変わるか。
 
(いまさら改めて説明するまでもないが)外食関連のサービスサイトは津々浦々細かいところまで情報が行き届いき、且つエリアやキーワード、地図を利用して自分の好きなように検索して店舗情報にリーチ出来るようになっている。
 
つまり、

  • 目抜き通りの好立地
  • 誰もが知っている有名巨大ブランド

といった量の勝負をしなくても、質的勝負で戦いやすくなることになる。ちょっと奥まって不動産価格の安いところで、いいものを出していればユーザーが見つけてくれるようになったからである。
 
また、些細であるが、「ここ美味しかったよ」と他人に紹介するのが楽になった。URLをひとつ二つ飛ばせば場所と雰囲気を伝えられるようになり、受け取った側も口コミ動向などで自分なりに裏取りが出来る。
 
という、実際にヒアリングしていて増えつつあるユーザーの情報利用スタイルの変化と上記の引用部分の話は割と整合していて面白い。

何が外食産業を変えているのか

もちろん、主要因については景気動向やライフスタイル動向といったところが基本であり、ケータイやインターネットが普及したことが外食の状況転換の全てであると説明するのは勇み足に過ぎる。
 
なのであるが、こういった間接変数というのは表向きの統計やリサーチに出てこない場合が少なくない。結果、事業者側の認識とユーザー実体が潜在的に乖離しやすい。
 
ちょっと脱線するが、リアルリテールのシェアや販売統計情報というのは各種調査会社や日本チェーンストア協会といったところがまとめているが、ECになると格段に情報精度が落ちる。
 
理由の一端はもちろん加入していないEC業者が多いから、というひねりもオチも無い回答になってしまうのだが、それくらい情報ギャップが出やすい状況にある。
 
今回の外食のケースだと、店舗の認識からも調査統計からも漏れやすいのが口コミ系統になる。
 
いわゆるところの口コミサイトだとある程度まとまっているため全体を俯瞰できているように見えるが、実際はSNSやBlogといったところはメディア的に機能していることは少なくなく、またもっと基本に戻るとメールやメッセージサービスで個々人ダイレクトに情報をシェアしている。これらは、項目としては「友人に薦められて」「評判を聞いて」といったようなヒアリング項目に収まることになる。
 
◇ 
 
数年前から、外食のグループを見ていると、ホールディング企業を作り、下にブランドの多産多死の構造を持っているところが少なくない。ブランド上もホールディングとブランドは一致していない。
 
この業界動向について、消費の多様化とサイクルの早さというところで理解していたが、もしかするとこちらも、メディアとツールの変化を要因としてもう少し強めで考えていても良いのかもしれない。
 
明確な結論がすぐに出る話ではないが、量販、小売といったセクターにも関連するテーマなので、引き続き気にしてみておきましょうというところで。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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