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「日本はこれから先10年、どうなりますか?」(1)

2008/04/11 10:05
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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年度が切り替わったタイミングでもあるので、少しいつも以上に俯瞰した話を。
 
タイトルはとある経営者の方とランチをご一緒していて頂いた問いとなる。マクロ経済と日本のポジションという話の途中で改めて出てきた。
 
ちょうど昨晩ご一緒していた森さん@Thinkとも、この先の経済の超基礎的条件という似たようなテーマで意見を交わしていた。両方をミックスする形でまとめてみたい。
 
 
成長限界と資源エネルギー、とテクノロジー
 
資本市場と経済の動きを見ている方ならもはや体で分かっているところかと思うが、成長と拡大という過去何十年かそれ以上の期間に渡り世の仕組みの基本方針だったルールが限界に行き着こうとしている。話はシンプルで、資源と地球のキャパシティがもうそんなに無い。

環境というマイルドな言い方が日常的には良く使われているが中身はもうちょっとシビアなところにある。例えば、食糧不足についてのニュースが多い。国際価格はあとでご紹介するとして、

といった話はニュースとしてもしばしば取り上げられている

他にも、レアメタルなんかはもう掘っても出てこないものになりつつある。

先進国の成長は数%、米国は諸々の仕掛けにより下駄を履き続けていたが、下駄が磨り減ってきているため、流れによっては日本欧州と似たようなところに落ち着いていく可能性もある。

新興国が成長してるじゃないか、世界経済は順調だよ、という意見は確かにある。短期的には賛成する。しかし、需要サイドが当面は先進国依存していること、次に内需にシフトしたとしても、やはりまた食料を含めた資源の問題が残る。
 
ブレイクスルーは無いのかと問われると、代替するものを探すか、今まで大変だから取ってなかったところまで資源を取りに行くしかなくなっている。例えば、主だった鉱山でも、掘っているのはその昔から遥か下の方という話は普通にある。採算取れないので放置されていたカナダのオイルサンドなども、原油高で採算に乗ってしまう状況が出てきたので、カナダは隠れた資源国扱いになっている。
 
諸々調査etcを見ている雰囲気、代替系の研究も進んでいるが、コストと量の問題をクリアできておらず、実需レベルでの代替にはなり得ていない。となると、多少代わりにはなったとしても、経済のコスト構造は基本から変わることにならざるを得ない。
 
ちなみに、コーンの国際価格小麦の国際価格推移はこのようになる。
(月足表示で見て頂きたい)

直近の価格についてはさすがに短期で上がりすぎているのではというところはあるが、それでも2倍から4倍になっている。これは先の産油国のニュースでの「パセリが3倍」とかいう話ともちょうど似たようなところにある。国内でも、ありとあらゆる食料品の価格が上がっているが、まだ上がってもおかしくない、というのがこの価格推移からも分かる。
 
念のため補足しておくと、原油レアメタルも含めた商品価格については、短期マネーが退避的に流入している側面もあり、実需より高めに推移している側面は少なからずある。とはいえ、BRICsの成長により需要が高まってることもあり、話半分か三分の一かは分からないが、値上がり傾向にあるのは間違いない。
 
このように、問題のレベルは物不足というところにあり、食い扶持はあっても食い物は無い、金なんか出しても食い物は手に入らない、という場面を見る機会が増えていくものと考えられる。また、エネルギーも同様となる。
 
「それは分かった、でもそれがテクノロジーとインターネットとどう関係するのだ」というところに先に答えておくと、シンプルに3点となる。

  • 情報産業は半ばエネルギー産業であり、資源が減るなら縮小するか節約型に必然以降する
  • 工業製品なため、原油やメタルの減少は生産に影響する
  • 経済全体に余力が無くなった際、必須機能と看做されるかがまだ分からない

というところで、存立基盤が揺らぐことになる。
(もっとも、この議論は他の産業でも多数成立することは触れておく)
 
インターネットを称して、悪い言い方をすると、通信産業へのただ乗りという表現がある。そして、固定コストで基盤側に投資負担を任せてしまっている状態からすると強ち間違ったコメントとも言えない。つまり、資源制約が今後強まるとすると、二重の意味でただ乗り感を指摘されることになりかねない。
 
 
サステイナビリティとインターネット
 
話を一旦マクロ経済の方に戻したい。
 
タイムスパンを長く見て、均衡点はどこ?という問いには、サステイナビリティの議論が分かりやすいフレームを提示している。シンプルに見ると原資はふたつしかない。
・単位時間内に得られた太陽エネルギー
・地球資源。ただし有限。
原油などの広義の太陽エネルギーと呼べるものは、両者どっちに入れても良いが話はさほど変わらない。つまり、有限資源を大事に再生利用しつつ、太陽エネルギーをなんらか(パネルでも風力でも植物経由でもなんでもいいが)、エネルギー変換することで消費するという形しか長期的に維持可能はモデルは描けない。
 
となると、そのサイズの中に人類が身の丈を合わせるしかない。あるいは、研究されるところではさらっとされている地球外発電や地球外資源の獲得利用など、SFかガンダムみたいな話を現実のものとする道になる。
 
このフレームを緩やかに前提として受け取ると、つまり、人類はこの範囲内で満足するような暮らし方を見つけていくことが課題と定義出来る。
 
エネルギー効率の高い満足感、あるいは環境負荷の低い生活、あるいは地球に優しい暮らし方。LOHASという言い方でも良い。
 
というところで、デジタル系のメディアコンテンツ、インターネット的なものがもう一度出てくる。非常に粗い議論になるが、経過をすっ飛ばして仮説部分だけいきなり書いてしまうと、有限資源に依存しないエネルギーサイクルで産業の再設計が出来た場合、エネルギー効率の高い生活と満足感というところに情報通信は貢献できる可能性がある。というか、ここで役割を果たさないと段々と居心地が悪くなっていくのかもしれない。
 
・・・というようなのが主に森さんとのやり取りの趣旨。実際にはここに最近の情報通信政策の話や国際政治状況、火星通信とコミュニケーションといったものも織り交ぜていたため、あと1段2段悩ましい構図になっていたが、骨の部分を単純化して抜き出すと上記のような話になる。
 
タイトルの「日本は?」というところは勢いに任せて長く書いてしまったので次回。日本とイタリアと国内政治と国際政治とBlogのタイトル変更はしません、という話になる予定。
 

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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