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ニコニコ動画と”通信と放送”の間

2007/09/04 17:50
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プロフィール

渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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ニコニコ市場が始まってしばらく眺めている間、見るたびに考えてしまっていたことがある。
 
これって、ワンセグやデータ放送、ひいてはテレビがやりたいと思っていたことじゃないだろうか、と。
 
分かっている人にはもう説明するまでも無いが、ニコニコ市場の仕組みをざっとまとめると、
 
・動画コメント(?)サービスである、ニコニコ動画がある
・ユーザー登録をすれば、関連商品をユーザーが張れる
・動画を見ている人は関連商品を気に入ったら買う
 
というものになる。要すれば動画を見た人がその場でモノを買っていっている訳である。
 
ポイントは動画/コメント(スレ?)/商品というコンテクストが三層で効いてくることで、動画に突っ込んだり議論が起きているコメントの流れを受けて商品を張る、商品の張り方自体がネタやオチになっているという遊び幅の広い使われ方が日常的に起きている。
 
こちらのインタビュー記事でも触れられている通り、関連商品をオチで使うという手法はあちこちのBlogで随分前から行われているが、オリジナリティ云々という話でもないので問題視するところではないだろう。
 
もうひとつ、後述するがユーザー生成コンテンツ、CGMあるいはUGMと商品販売までが綺麗なフローに収まっている。
 
 
動画(映像)を見てからモノを買うまで
 
分かりやすいのでテレビと比較してみる。リアルリテールとの関連については話がややこしくなるので範囲外。

1)通販やダイレクトマーケティング

これはテレビを見てその場でモノを買う、に近い。しかし、通販番組はあくまで通販番組である。エンターテイメント要素はたぶんにあっても決してドラマそのものではない。2時間サスペンス、犯人当て通販番組などという酔狂なものが出てこない限り両者の壁は残る。

2)冠番組

番組一社提供や、元々の商材元が番組作りを引っ張ってる場合などは、今風の言葉で括るとプロダクトプレイスメントの一派ということになるが、番組と商品があちこちで混ぜられている。例えば、週末夕方にやっている料理番組や同じく週末版にやっている料理を作って星を三つまでつけてみる番組など、番組内部で商品ブランドがどういう風に映され扱われているかを見ていると面白い。
 
ただ、やはりこれも、その場で買うというものではない。手元の携帯から買っていたとしても媒体やスポンサー側がその事実を掴むのは両方の繋がりを捉えたトラッキングシステムを整備してチェックしている場合のみである。
 
3)普通に番組+スポンサー
 
一般的定番の形。今回の整理図式のなかでは特段解説を加えるようなものでもないので特に触れず。

という訳で、改めてざざっと並べてみても、「動画を見た人がその場でモノを買う」という状況とは少しばかり違っている。また、これはそもそもそういう作りなのであり、テレビってダメね、というものでも本来は無い。
 
 
あらためて通信と放送
 
先日、ライツマネジメントを専門としている会社の方に会って、ビジネス動向について意見交換をさせて頂いていたが、通信と放送の融合という話を敢えて短絡的に理解すると、「動画を含めたメディアコンテンツからモノが売れるまでの筋道をもう一回考え直す」という動きと解釈出来る。
(上記ミーティングで本題だったコンテンツビジネス周りについては本稿テーマから外れるのでこれまた敢えて割愛)
 
放送行政の様々な考慮事項を鑑みながら、落としどころと利益調整を日々考えている方々からすると怒られそうな理解の仕方であるが、ブランド効果と販売効果を期待する事業会社と、事業体として収益を上げなければならないメディア企業両方に共通する産業課題は、メディアとしてやるべきことはきっちりとこなしつつも、やっぱりどうやって売っていくかという点が重要項目として挙げられる。裏打ちはメディアコンテンツ企業の最近の決算を並べてみるだけでも十分だろう。
 
というところで、ニコニコ市場の話に戻る。
 
本モデルが全ての事象に対しての回答であるというのは言いすぎである。しかし、シンプルな形で、
 ・動画を見て
 ・コメントをして楽しみ
 ・楽しみついでに商品を買う
という流れが提示され成立している。また、サイトを利用したことのある方は体で把握出来るところと思うが、飛び交うコメントを見ていると、コンテンツにより深く入っていける。作品背景に対してのコメント、ファン派閥同士の対立、見流してしまいそうな細かい要素をすかさず拾う突っ込みなど、ガイドがついたような形で視聴出来る。
 
結果として、コマースの取扱幅が広がる。一見するとありえないような動画と商品の繋がりがごく自然に商流として成立しており、実際にモノが動いている。
 
肝心の動画コンテンツの取扱いについてなど、グレーな話もまだ残っていることもあり、昨日今日明日で結論付けるにはまだまだ気が早いが、とりあえず、起こっていることについては適度に目を配っておかないといかんと思えるサービスであるのは間違いない。
 

 
長くなったので、CGM/UGM周りについては日を改めて。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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