お使いのブラウザは最新版ではありません。最新のブラウザでご覧ください。

CNET Japan ブログ

IT投資の企業価値ガバナンスフレームワーク

2007/04/19 15:56
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

プロフィール

渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
ブログ管理

最近のエントリー

ISACA(情報システムコントロール協会)東京支部のメンバー向けアナウンスメントで、ITガバナンス確立のためのフレームワーク及びケース資料が日本語化されたというお知らせがあった。
 
中身を見てみると非常に良くまとまっていたのでご紹介したい。資料のダウンロードサイトは日本ITガバナンス協会専用ページとなっている。
(組織の位置づけとしては、日本ITガバナンス協会はISACAの下部組織となる)
 
長くなるが、フレームワーク資料の冒頭要旨から引用したい。これで位置づけは概ね示されることと思う。

企業は、事業を運営、拡大そして変革させるために不可欠な情報化資産に対して、膨大な「情報化を機軸とした事業投資(IT-enabled business investment:以下、情報化投資)」を絶えず行っている。
 
このような情報化投資においては、効果的なガバナンス・フレームワークにて適切な管理を行えば、価値を創出する多くの機会を企業に提供することが、経験に裏づけされた数々のリサーチによって実証されている。
 
多くの企業は、所期の構想、計画段階から、実際に行動に移る過程を通じて、投資の適正な選択と効果的な管理を行うことによって価値を創出している。その一例がIBM 社であり、バラバラだったサプライチェーンをつないで在庫量を減少させることで、2 年間で120 億ドル以上も節約することができたと伝えられている。サウスウェスト航空でも、サプライチェーン変革プロジェクトを実施した結果、調達コストの削減とサービスレベルの向上を実現した。
 
しかしながら、効果的なガバナンスと適切な管理がなければ、こうした投資は同じくらい重大な価値の喪失や破壊の機会ともなりかねないのである。事実、2002 年にガートナーが発表した書籍によれば、2 IT への全出費の20%が無駄になっており、その額は全世界で年6000 億ドルを数えるのである。

重要な教訓は、IT 投資は単なるIT ソリューションを導入するだけの問題ではなくなっているということである。

今日では、情報化を機軸とした事業の変革がますます増加しており、このことは、歴史的にみても複雑性やリスクが高くなっていることを意味している。伝統的に適用されてきた経営慣行が、もうそれだけでは十分ではなくなってしまったということだ。これが示していることは明確で、情報化投資は確かに大きな見返りをもたらす可能性があるが、それは正しいガバナンス及び管理プロセス、そして全てのレベルの経営者からの全面的なコミットメントと参加があってこそのものである。しかし現在に至るまで、経営者は情報化投資を検討するための明確な方法や、情報化投資に内在する成功や失敗の可能性を報告あるいはモニタリングする明瞭な方法を持ち合わせていなかった。

IT 投資と管理のためのガイドラインの不足を考慮し、ITガバナンス協会(ITGI)は、ビジネスやIT 業界の一流の専門家と共に、Val IT イニシアチブに着手した。本イニシアチブは、リサーチ、出版、サポート・サービスを提供するもので、その目標は経営者が上記のような課題に取り組む際、企業として、負担のできる費用で、また既知であり受け入れられる程度のリスクで、情報化投資から最大の価値を実現できることを支援することである。

この部分を引いたら余り多くを付け加える必要は無いだろう。多少なりとも引っかかるところのあった方は無償公開されているので、目を通して頂ければ。実務家の一人として、じっくりと読み込んで受け止めてみたい。
 
受けて、追加的な問題意識と課題として取り組んでみたいのはITガバナンスと一般的なコーポレートガバナンス、ビジネスオペレーションの関係整理。この辺がぽっかりと空いてエアポケットになってしまいリスクファクターとして残っていることは現場実務から経営領域まで日々感じている。対象領域が巨大なため一朝一夕では終わらないが、ここを解かないと問題を解ききれないことも分かっているためなんしかやっていきたいところではある。
 
また、本資料の日本語化作業は野村総合研究所、富士通、日本ヒューレット・パッカード、マイクロソフトの各社スポンサーと、ISACA東京支部のメンバーの協力によって為されている。個々の企業の立場とプロジェクト投下コストを越えて、一般公開の判断に至ったことにも感謝したい。
 

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
運営事務局に問題を報告

最新ブログエントリー