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映画ダウンロードサービスの先に見えるAppleとGoogleの提携関係

2006/09/13 15:27
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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招待状から「Special Event」、そして製品発表といつもながらのパターンで今回も終わったアップルのイベント。早速あちこちでレポートが挙がっているが、幾つか簡単に。

メディア各誌も素早く反応しており、インプレスに至っては4時には記事がアップされていた。3時頃からプレゼンテーションが始まっていたので、見ながらライブでの記事化だろう。また、いつものことだが、友人何人かは夜中起きてライブで見ながら解析チャットを繰り広げている。そして、こちらも好例だが、ギズモードなどのテック系Blogもライブエントリでフォローしている。

そう、毎度毎度のことながら、ちょっとしたお祭り気分になる。このことはコンシューマービジネスとして、過剰期待にさえなっていなければ良いアプローチと言える。

CNETでのラウンドアップはこちらサマリ記事よりも、レポートフォトレポートの方が雰囲気が分かる。
 
 
発表のポイント
 
個別の内容は記事を見ていただくとして、ポイントを列挙すると
 ・当然のごとくiPod新製品
 ・映画ダウンロードサービス開始
 ・リビングへの進出と並行してiTuneの進化
というところ。方向性としてはディズニーとの関係が深くなっていたことも含めて予想の範囲内になるが、内容が幾つか思い切ったものが入っている。

まず、単に映画の配信というのではなく、品質がDVDクラスということ。「iTunesからのダウンロード時間は、5Mbpsの回線で約30分と同氏は付け加えた」ということで、規模はともかく、音楽の市場で起こっているのと同様の変化が映像の分野で起きることになる。端的に言うと、媒体としてのDVDの位置づけが再定義を迫られる。

もちろん、急にCDが無くなった訳でもなく、ストレージ媒体としてのDVDの利便性はあるために同じく無くなっていくとは考えられない。また、デバイスのリテラシーの問題から、世の中全員がiTuneを中心としたサービスを快適に使える訳ではない。世の中まだFAXもきっちり生き残っているようにレガシーメディアは強い。よって基本シナリオとしては共存は共存するのは間違いない。

むしろ、影響を受けやすいのは、そのままダウンロード販売を行っているAmazonなどの競合やレンタルサービスを提供している各社と言える。

サービスフローとして、レンタルサービスの、1)申し込み、2)郵送、3)受け取り、4)返却、という二回物理媒体が郵送されるサイクルと比較すると、価格帯がそう遠くないのなら、さらっとダウンロードして今見てしまおうというユーザーは出てくるのが自然。
 
価格帯は、

新作価格は、事前予約または発売開始後1週までは12.99ドル、その後は14.99ドルとなる。参加映画会社はWalt Disney Pictures、Pixar、Touchstone Pictures、Miramax。旧作は9.99ドルとなる。

ということで、日本で比較すると、オンラインレンタルサービスの月額費用が2000円程度になるため、レンタルではなく購入価格と考えると悪くないバランスになっている。コスト構造の違いは、物理媒体での生産保存流通管理と、フルデジタルで流通から全て行うことに最後は行き着くはずである。
 
 
リビング進出とウインドウの確保
 
映像配信サービスは単体で進めてもあまり意味が無い。映画を見るのは普通の感覚だとテレビになる。ましてや
いい音といい映像で、とアップルも(そしてディズニーも)思っているということは、オーディオ関係とテレビにどうやって持っていくかという話になるが、今回発売にはならないものの、先駆けて「iTV」が発表されている。

端的な定義はこちらにある。

無線LANやEthernetを装備し、同一ネットワーク上のMacintoshやWindows PCでiTunes Storeから購入したムービー、音楽ファイルにアクセス。液晶テレビなどに出力できるネットワークメディアクライアント。

あるいは、フォトレポートの一枚絵と共に「iTuneに溜めてるものをテレビで見ましょう。もちろん、音も配慮して。」というコンセプトをそのまま掴めば良い。専門AV機器メーカーほどではないものの、端子も含めて普通に品質へのこだわりのアップルなので、通常利用としては十分な品質を提示してくるだろう。映画という切り口で後押しすると、既に始まっているテレビのコンテンツ配信あたりも生きる。チャネルがあると使ってしまうものである。
 
メディア企業各社の動きとも絡むので、詳細は省くが、映像コンテンツの流通を本気で再編する体制が組まれつつある。
 
 
Googleという配信ネットワーク
 
まだ発表から一月経ってないが、Appleの経営陣にGoogleのシュミットが加わっている

Appleの最高経営責任者(CEO)Steve Jobs氏は声明で次のように述べている。「改めて言うまでもなく、EricはGoogleのCEOとしてすばらしい仕事をしている。Appleでも取締役として貢献してくれるものと期待している。Appleと同様、Googleはイノベーションに重点を置く企業だ。Ericの深い洞察力や経験は今後の Appleの舵取りをしていくうえで、大いに役立つだろう」

具体的に何をという話は出ていないし、まだ細かいところは固まってないだろう。
 
しかし、Googleがビデオ広告サービスに力を入れていること、MTVのコンテンツを配信するなど、単に広告ではなく、コンテンツ配信ネットワークとしての使い方も模索していることは忘れたくない。
 
Googleから見ると、アップルはコンテンツのバイヤーと捉えられる。


 
関連シリーズ:
GoogleのYouTube買収と日本のテレビ業界
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※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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