YouTube経験以降、どうもオンラインのDVDレンタルサービスを鈍く感じるようになった。あるいは、HDDレコーダーに録画したテレビ番組のリストを眺めていてもどうも何か動かされるものがない。
問いかけがおかしいことは自覚している。しかしこう言いたくなる。「なぜここには、録画したものしかないのか。」
アップルのビデオレンタルサービスの噂
そういえば取り上げるのは初めてになるが、TechCrunchでAppleがiTunes上でビデオレンタルサービスを始めるのではないかという噂を取り上げている。内容については、リンク先でご覧頂きたい。
コンテンツの流通網を持ち、あまねくDRMを圏内ではかけることは出来、決済システムを持っており、既に動画のダウンロードサービスを各社と組んで進めているとなると、レンタルやらない方が却って不自然に見えてくる。技術的には、なんとでもなるだろうことから、業界内の調整と、やるならいつ始めるかという判断くらいがポイントだろう。
コンテンツ流通の流れは変わってきているのか
YouTubeが訴えられているというニュースが耳に入っている(via 池田信夫Blog)。グレーゾーンを走ってきたサービスなので、このまま上手く調整出来るのか、調整前に第二のナップスターになるのかは分からない。
しかし、各所で話をしており、同時に各所で書かれているが、ナップスターはiTunesを生んだ。同じくYouTubeはもし生き残らなかったとしても、iTunes的なサービスを生むきっかけにはなるだろう。既に米国だけでも200社近いビデオ配信のベンチャーが出ており、大手と契約を結んで本格的なサービス提供を狙っているところも少なくない。
経験してしまったことを忘れ去ることは出来ない。時計は逆に回せない以上、現行のものとどの程度のバランスで済み分けるかはこれからの議論としても、つきあっていかざるを得ないことは間違いない。
間違いないのだろう、と思いつつ、あちこちのサイトを見ていると、コンテンツの流れ方が変わってきている気配を感じる。違法不法系のものではなく、過去プロモーションとして流されていたものがみかけなくなってきていたり、逆に積極的に見るようになってきている。
東京おもちゃショー/機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER
週末に仕事のリサーチも兼ねて東京おもちゃショーに足を運んできた。昼前から相当入っており、イベントとしても割に面白かったのだが、その話はまた必要ならいずれ。
バンダイのブースに行くと、当然だかドル箱コンテンツのガンダムは強力にプッシュされている。歴史と作品の対比からプレミアムグッズから力の入れようと素材の多さは半端ではない。
新作となるのが、機動戦士ガンダムSEEDのC.E.73 STARGAZERになるわけであるが、プロモーションと流通チャネルの多様化の両方を兼ねて、先にオンラインで配信されている。バンダイチャンネルの特設サイトはこちら。ちなみに、今日現在、AmazonではDVDは発売されていない。予約受付が行われている。発売予定日は11月24日。まだ数ヶ月先になる。
過去の流れだと、映画館⇒DVD⇒オンライン、もしくは、テレビ⇒DVD⇒オンラインという流れが普通に見るものだった。しかし、今回は映画館とDVDは無く(これは単発作品であるのがそもそもの要因だろう)、オンラインが先に来てDVDパッケージが後に来ている。
最近の事例として、期してか期せずしてかは分からないが、事実上のオンライン配信先行になったものとして、 『涼宮ハルヒの憂鬱』がある。マーケティング事例としてどのようなものかはいしたにさんのまとめが綺麗にまとまっている。また、これも触れて置きたいがおそらく、知る限り、きっちりとまとめてマスと準マスに載せたのはこのページが最初ではないかと考えている。反応の大きさはブックマークを参照されたい。
話を戻して。
ネットをマーケティングツールとしてみるか、収益ポイント(あるいは権利侵害者)としてみるかで付き合い方とアプローチは随分変わってくる。例えば、涼宮ハルヒはいまだにYouTubeから消えてない。気づいてない訳ではないので、積極的に潰しにかかるのではなく放置していると考えた方が正しい。上記でもまとめられているマーケティングの流れを見る限り(そして幾つかの裏取り情報を合わせるに)、どれくらいの反応がネットであるかも把握している様子があるので、実験か本気かは分からないが、載せていてOKという判断を下しているのだろう。
今回のバンダイのアプローチは、完全にフリーで流すのではなく、視聴+有料配信でライトユーザーを取り込み、最終的にちゃんと買う人にはDVDを届けるという段階になっている。おそらく、ヘビーユーザーは先に見たいから全てオンラインで見てなおかつ最後DVDを買うのだろう。
そういう組み合わせが可能になっているところで、ポータブルデバイスであるiPodと、徐々にテレビ領域にも手をかけようとしているアップルがビデオレンタルのスキームを提示するのなら、コンテンツ制作側はどのようなチャネル設計、パッケージの組み合わせが望ましくなるのか。
◇
追記:
今朝方かなり早朝から話題になっている、極楽とんぼ山本事件であるが、19日16時過ぎの現在時点、YouTubeでの視聴数が80万を越えている。少し時間を置くとカウンターは数万単位で上がっている。あちこちで報道された結果、ネタ元を見たいという流れの受け皿になっていると考えられるが、この時間でこの視聴数が何を意味するのかというところだろう。