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信頼性とメディア設計

2006/06/07 15:10
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プロフィール

渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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前段は流れの確認なので、斜め読みして分かる方は最後だけ目を通して頂ければ。
 
信頼性の確保という視点でメディアの歴史を、ネットサービスの一部、特に検索周りを中心として描いてみたい。

 
アウトライン整理
 
・新聞、雑誌など
 
テレビも含めても良いが、少し話がずれるので気持ち除外で。このスキームでは、組織が情報を担保する。現場に行き、裏取りを行い、デスクが確認し、組織として担保した形で信頼の置ける情報を世の中に送り出していく。本当に出来ているのかという議論も無い訳ではないが、基本は以上の仕組みで動いているため、読んでいる人はそれなりに安心して内容を読めば良い。
 
エンジンは専門組織と組織内でのルールとなり、対象はコンテンツからパッケージングまで及ぶ。
 
・ディレクトリサービス
 
コンテンツは外にあるが、組織内の人間がセレクションを行う。セレクションについては責任を負って外に出す。新聞社と通信社の関係も一部はこのような作る役割、パッケージを作る役割に分かれている面もある。
 
Yahooニュースなどのアグリゲーション型サービスの場合、基本としては記載内容についての責任は追わない。実際訴訟や判例が出てくると違う解釈がされる可能性はあるが、いわゆるメディアほどの重い責任は発生しない。
 
エンジンは組織であること、ルールの重要性も変わらないが、記事内容、すなわちコンテンツの品質担保は範囲外となる。
 
・サーチエンジン
 
アルゴリズムはどうあれ、コンテンツは自分で持たない。またプログラム処理されるので、セレクション作業も自動化される。もちろん、アルゴリズムを設計するのも調整するのも人間なため、人間の関与がゼロになる訳ではないが、前二者に比べると随分と小さくなる。
 
エンジンは、文字通りアルゴリズムのエンジンとなる。記事内容の担保もセレクションの担保も、サーチ品質という形では問うが緩くなる。
 
この段階で、一回のサービスについては人手の関与は小さくなる。
 
・ソーシャル系サービス
 
ブックマークからソーシャルサーチまでまだまだ開発中であるが、サーチの欠点のひとつであるまとまったスパムに弱いという弱点を、人間の判断を上手くアルゴリズムに組み込むことで良いサービス品質を維持出来ないだろうかというところとなる。
 
とはいえ、ベストなアプローチかと問われるとまだ結論は早い。ソーシャル系サービスはソーシャル系サービスなりのスパムがあり、ややこしい話も一部では起きているのも事実である。
 
エンジンはアルゴリズムになるが、重み付けや範囲設定などを人間がサポートする形でサービス品質を確保することになる。コンテンツについてはCGM的アプローチが含まれると組織ではなくなり、含まれないのならエンジンの作りと人の協働作業が揺るやかに担保することになる。
 
 
何を信頼するのか
 
あらためてざっと整理してみたのだが、要するにそれぞれのスキームで何を信頼の単位とするのかが変わってくることになる。
 
例えば、新聞の場合は署名記事とかいう話もあるだろうが、まずはその新聞社を塊で信頼するかどうかになる。書籍だと出版社もあるが、直接的には著者だろう。
 
Blogになると普通は書いているその人自身。クリッピングサービスは、全体としてはコミュニティへの信頼と裏側には運営者への信頼。個別のコンテンツは個別コンテンツへの信頼。
 
情報の取得コスト、つまりタダで見られるというのがコストが安い状態としばしば言われるが決してそうではない。中身の信頼性のない情報が幾らあってもそれはノイズにしかならないので、むしろ無いくらいで良い。必要なだけの支払いの上で信頼性が得られるのであれば、必要な人にとっては妥当性のある取引となる。
 
自分で判断するのか、どの単位をエージェントとして信頼するのか(運営体か個人か)、どのような組み合わせがトータルコストが低く効率が良いのか。
 
また、主体設定の無い万人にとってではなく、「自分にとって」必要十分な仕組みはどのようなものか。
 
オープンソースもそうだが、ある品質を得たいというのであれば、どこまで自分でやるのか、どこをアウトソースして必要ならコストも支払うのか、判断して決めることになる。参加型、民主化、2.0などと言われるのはそういった世界でもある。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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