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NILS補足:ヘッジファンド業界とWeb2.0

2006/05/26 14:49
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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NILSのセッションフォローの一本として。とはいえ、参加されて無い方にも分かる範囲かと。
  
(念のため簡単に補足。二日目朝の「Session 5-A Web 2.0 サービス開発の潮流」でモデレーターを担当していました。ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。ご挨拶出来なかった方も何か機会がありましたら)
 
セッションで取り扱ったテーマとして、オープンソースのコストとリスク管理というものを一つ取り上げたが、参考イメージとして面白いエントリを見つけたのでご紹介したい。ヘッジファンド業界のこれからの話である。
 
ヘッジファンド業界とオープンソース、その先のWeb2.0がどう繋がるのかという質問が上がるだろうが、類似ポイントは二点となる。
 
・ワークスタイルの共通点:そもそもの業界の立ち上がり方が似ている
 
・品質保証:断片化し、個々に深化した情報を取りまとめて扱う際にアウトプット品質をどのように担保するのか
 
情報化の進み方としては、商材の癖もあり金融界は情報化が早い。よって、産業構造としては先行事例として考えられる側面がある。どのような業界の変遷を辿っているのかは門外漢ながら出来る限り見ようとしている。
 
 
業界の立ち上がり方
 
Web2.0を業界と言って良いのかは議論の余地があるところだが一旦脇に置く。ヘッジファンド業界の立ち上がり方はこのように表現されている。

ベンチマークとかトラッキングエラーとかストップロスとか会社の上層部の思惑とか他部門の業績とか、そういった従来の発想やしがらみに閉塞感を感じたサラリーマン・ファンドマネージャー達が、『自分の信じる投資手法を極め、そしてそれが成功した暁にはその正当な対価を受け取りたい』という純粋な願望を実現するために独立することを決め、そしてその際に使い勝手が良くて(しかもちょっと格好良さそうな?)ヘッジファンドというプラットフォームを用いることを選んだだけのことです。

西海岸でも東京でも様々サービスが生み出されている流れに似てないだろうか。小さい組織が大量に存在すること、反対側で超大型のプレイヤーに収斂する力が働いていることなど粗めにみると共通項は多い。
 
初期のインターネットも層だが両者ともに、フロンティアとして、外から見たらいかがわしい良く分からないものとして立ち上がっていった。その後、世の中に認められていき普及するにつれて徐々に日常生活、産業の仕組みに取り込まれていく。

ただ、これだけ多くの人が移住していったヘッジファンドのコミュニティは、もはや絶海の孤島などではなく新大陸と認識すべきかもしれません。そしてそれがコミュニティを形成するようになった以上、その住民たちは運用業界における市民権を得るのと引き換えに、市民としての義務や責任を自覚し全うする必要もあります。また、そもそも新大陸におけるコミュニティとしての規律や秩序の整備も急務です。

こうして世の中の秩序に組み込まれていく過程は他多くの分野でも見られる通過儀礼のようなものである。人によっては「つまらなくなった」という表現を使うこともある。
 
両者共に秩序が出てきつつあるフェーズにある。
 
 
ユーザー側の対応
 
また資金の運用者と技術を利用するユーザーの対応についても共通点がある。細部については分かれていくところであるが多様な選択肢のあるなかで上手く取りまとめて全体をパッケージングする能力でパフォーマンスは変わる。リスクに対してのリターンであったり、業務の安定性やサービス能力はサービスの提供者ではなく利用者によって大きく変わってくる

これからのヘッジファンド投資とは、高度に専門化されたヘッジファンドを組み合わせることによって従前の銀行や保険会社のポートフォリオの凝縮版(ミニチュアだがより高質・濃密)を合成していく作業に近いともいえます。これだけ多種多様な資産へのエクスポージャーを、『オフショアの私募形態の箱を経由している』という理由だけでヘッジファンドという名のどんぶり勘定で管理することが適切でないことは、誰の目にも明らかです。もはやヘッジファンドという言葉は、進化し続けるヘッジファンド業界の実態を何ら具体的に定義出来なくなっていると言っても過言ではありません。これからのヘッジファンド投資においては、とくに機関投資家の場合は、従来よりも遥かに科学的なアプローチで自身の投資プロセスを最適化(正当化ともいう?)する必要がありそうです。

どちらも、組み合わせが多数あり、それぞれの組み合わせ品質保証が曖昧であるというところでは足元は似ている。
 
保証を如何に取るのか、品質をどこで獲得するかについては、全分野でではないが、社内で得る方法と外部調達する方法といずれもある。
 
内部で品質管理をする際は、金融のリスク管理能力を高めるようなチームを雇うか、オープンソースの世界を理解したエンジニアチームを雇い入れることになる。
 
外部の場合は、ファンドセレクションを行うファンド・オブ・ファンズ、パッケージングとディストリビューションを担っているRedHatのようなプレイヤーと契約しサービス提供を受けるような形となる。
 
いずれが良いかはそれぞれの立場によって異なってくる。ある程度以上の品質を得るのはなかなかに難しい面も出てきているというのも事実である。特に単純にサービス運営するのならともかく、差別化のポイントとして練り上げていくとなると簡単なショートカットは無い。
 
 
採り入れないリスク
 
世の中の動きとしては確かな方向が出つつあり、距離感はともかく何がしか付き合わざるを得なくなってきている。

そう遠くない将来において、“伝統的運用 vs. オルタナティブ(ヘッジファンドやプライベートエクィティ)”という対立軸は消え、伝統的運用の世界をも巻き込んだ再編の後に、“パッシブ運用(ベンチマークから少し乖離するタイプの今日的なアクティブ運用を含む) vs. アブソリュートリターンのアクティブ運用”という新しいパラダイムへと移行していくものと考えられるからです。そして、もしも世界がこうした方向に向かっているとすれば、投資対象の選択肢からヘッジファンドという新大陸を除外するということは、あまり賢明とは言えなくなります。

同じく、不可能ではないが、オープンソース周辺を選択肢から全て除外してしまうのは、少し勿体無い。単なる業務基盤ではなく、ある程度サービスがテクノロジーの影響を直接受けるのであれば採り入れ方については真剣に向き合って損はないところだろう。

遠目で見ると、金融業界と情報関連業界。どうも似たようなロジックで変化が起きているのではないか。つまり、相互に学べることは結構あるのではないだろうか。

セッション資料の自分作成分について、一部抜粋かもしれませんが、ご希望の方には配布いたします。こちらのメールアドレス宛に、

 s.watanabes(at)gmail.com

(at)の部分を書き換えてご送付くたさいませ。

今回はクローズドの集まりですので、大変申し訳ないのですが、会の趣旨を鑑みて参加された方のみとさせて頂きます。ご理解頂けましたら。mOm

NILS参加者の声(見かけたもの順・随時更新):
ニューズ・ツー・ユー社長のブログ 「NILS2006Springその1
iemoto blog 「NILS2006
丸山勇人の独り言(コールセンターのIT事業に夢中) 「NILS2006Spring
小林雅のブログ-ベンチャーキャピタリストの独り言 「NILS2006Spring無事終了
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