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SIビジネスの現在、あるいはSIer2.0

2006/04/11 10:19
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プロフィール

渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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メーカー系の大手SIerの方から(というよりは、御邪魔すると役職者も含めて10人弱の方が会議室にいらした)、世の中で進行しているWeb化について、特に2.0への対応について、カウンターストラテジーを立てるためのディスカッションに参加して欲しいとの依頼があり伺ってきた。

日経コンピュータでも丁度「エンタープライズ2.0」との特集が組まれており、そろそろ本気で気になってきたというタイミングなのだろう。
 
 
戦略フレーム自体の揺れ
 
関連業界含めて様々な方とやり取りさせて頂いているが、周囲で議論を進めていて緩やかなコンセンサスになりつつあるのは、

1)SIerの抱えている問題は業界問題であると同時に、業界間問題である。隣接市場と競争関係に入っているため、まずもって事業環境認識をどうするべきか、どこまでを競争範囲と捉えるのかから揺れている。

2)要素プロダクトのコモデティ化は押しなべて進行しており、過去通用していた差別化のポイントが効かなくなってきている。放置すると(というよりはもう既に)、互いのマージンを削りあう状況に陥る。

3)各社立ち位置によって、受ける影響と出来ることは異なる(そもそも、SIerという言葉自体が多様な役割定義を含んだ言葉なので、括っての議論は難しい)。よって、当然のごとく戦略は個別化する。

4)戦略実行に必要となる組織能力はしばしば変化する。今起きている潮の変化は、事業サイズの維持を願うのなら、変化させないと対応出来ないと考えられる。しかし、獲得しようとしたとき文化が邪魔をするケースは珍しくない。何パターンかざっくりケースを分類してみたが、業界間の構造変化に対応する方針を選択すると、組織能力と文化が矛盾する場合がある。

5)戦略転換には時間がかかる。4の組織文化の問題に絡む場合は特に。現実残り時間がどれくらいあるのかは正直なところ良く分からない。

というあたりとなる。

市場競争の前提条件となっているルールの前提でさえも崩れている状態なので、競争空間の定義がまず出来ない。

肯定的に見ると事業環境の自由度が上がっている面もあり、転換を果たそうとしているケースもある。しかし、元々SIビジネス以外の軸を持っていて資源配分の重みを変えつつ形を変えているだけのケースが目につく。

SIのSは、実際の現場でServerなのか、Systemなのか、Serviceなのか。どの言葉を嵌めてどの層に意識を置くのか。置いた意識に基づいてやり切れる組織能力、転換のシナリオを組めるか。更に転換中にも追加で起きる(これは間違いなく起きるところは起きる)変化を取り込んで、転換の方法を更に転換させることは可能か。
 
 
隣接周辺議論の例
 
最近、SIの議論を進めていて、メディアビジネスの話を並行させるようになってきた。理由は二つで、隣接業界との関係で幾つか似た状況があること、コアイメージして出ている「Software As "Media"」というキーワードで両者の接点が見えるからとなる。後者はもちろん、広告収入でソフトサービスを提供するという範囲の話ではない。

「Web2.0のトレンドを理解し、対応しているから我が社は大丈夫なのだ」。この問題設定と回答は本当に正しいのか。対応を進めている、と実は侵食されている、がイコールで無いと言い切れる理由は何か。

良いサービスを選べば良いという立場のユーザー企業側の方がもしかしたら考えやすいのかもしれない。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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