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FBSカンファレンス(2):セマンティックに資金を投じるEU

2005/12/16 08:47
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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FBSカンファレンスの記事の続き、こちらは、カンファレンス本編にも多少は関わる話。

同じく懇親会の席上でグルコースの大向さんと話をしていて、EUがセマンティックにかなりの予算を割いて力を注いでいるという話題が出てきた。RSSやXMLの規格仕様も範疇となる。本編で関わるのは記事だとこれが該当する。

なぜ、EUがセマンティックなのか。ざっくり語ると、通貨統合の話に繋がる。

EUは90年代から通貨圏を個別国家ではなく、EU全体にして、域内の経済活動をスムーズにする政策を進めている。今での特に旧東側の国がユーロを採用するか否か、基準を満たしているか否かで国全体を巻き込んでの議論が起きている様子が海外ニュースとして伝わってきている。

米国ドルと並ぶ経済圏、通貨の力を確保しておこうという政策であることやなぜといった話はここでは詳しく触れないが、まず、長い時間をかけてEU全体で取り組んでいる重要政策であるというところを前提として話を進めたい。
 
 
ユーロとセマンティックの接点
 
ユーロとセマンティックが繋がるのはなぜか。結論から書くと、言葉が通じる範囲と通貨の流通する範囲はある程度一致するからとなる。

例えば、外国の通貨が手元にあったとする。これを使おうと思うと、単純に遠いので使えるところまで行くのが面倒というのは別とすると、買い物するにしても何するにしても言葉のコミュニケーションが壁となる。買いたいものがどういうものかを聞かなきゃ分からない、そもそも値札や説明を読めないと現物を自分で目利き出来ない限りは取引は出来ない。

以上は情報化以前の商売の話。ところが今は情報化が隅々まで進みつつある世界。コミュニケーションをするのは必ずしも人間同士ではなく、コンピューター同士もコミュニケーションが円滑に行われないと不便なこととなる。

詳しい方はロゼッタネットでも何でもXMLの当初の歴史を思い浮かべていただくと、もしくはEDIの世界で業界標準を作る動きを振り返って頂くと素直に理解出来るかと思う。

ある商品をオンラインショップ買いたいと思った人がいる。この話は別にオンラインでの取引に限らない。企業の業務システムは何がしか情報化されているので、それぞれのシステムの商品定義がバラバラであると柔軟な取引が出来ない。

EU全体は多国籍多言語の経済圏となる。各地に住んでいる人はそれぞれその国なりその地方の言葉を使う。よって、人間のインターフェース(プロトコル?)は各国言語となる。しかし、経済活動としてはEU全体でスムーズに動くようにしたいため統一したい。よって、生まれたギャップをコンピューターがサポートすることが課題になり、属性情報、あるいはメタデータ、セマンティックの問題に行き着くこととなる。人間から見たらメタデータの層でコンピューターが商品を認識して取引する、メタ層をコンピューター側での設計の基本とするための基盤作りを壮大な規模で試みているということになる。

今後、システムを経由した取引が増えてくることとなると、セマンティックの問題は単なるコンピューターの仕様統一といった話でなく立派な経済政策となる。
 
 
EUから世界へ?
 
とりあえずEU内で進められている動きではあるが、将来的にはもう少し広い範囲に拡張されるかもしれない。例えば、通貨統合まで行かずとも緩やかに域内経済をまとめていけないかという話はアジアでもある。似たような話が出てきてもおかしくはない。

RSS/XMLの世界が面白いというのは、単純にFeedの利用量が増えている、広告メディアになりそうだといった近しい話題以外にもこういう視点もあるということで、補足の2として。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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