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世界に通用するサービスを:ウノウ山田社長・石川副社長インタビュー

2005/10/27 07:54
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プロフィール

渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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セカンドベンチャーシリーズの一環として前回の早川社長に続いてお邪魔したウノウ株式会社。サイバーエージェントの一桁台の社員であり、中核メンバーである石川さんを訪ねてというのがそもそもの話の始まりだったのだが、「せっかくなので社長の山田も同席していかがですか?」ということで、お二方にお話を伺ってきた。山田さんはいわゆる企業Blogではないが、個人実名Blogとして「ShinBLOG」を運営されている。

非常に有意義だったのは先に一本「2.0時代の経営戦略」としてエントリした通りとなる。本題となるインタビュー部分をお届けしたい。ちなみに、特に記載の無い限りは山田さんの発言が(結局は)多くなってしまったので以下その前提でまとめてみたい。


落ち着いたオフィス風景

--サイトでもプロフィールは概ね公開されていますが、今日までの経緯を含めてお願い致します。

元々は個人会社でフリーで動くための器として有限会社を作っていたのが始まりになります。

元々シリコンバレーで何かやろうと考えていて、実際に去年米国に行ってみたのですが、一概に米国が何もかも優れているとは限らないこと、日本ではネットワークはあるのに、米国ではまたゼロから作るとなると手間がかかることを考えて、だったら日本かな、と帰って来ることとしました。

サイトのサービスを比べていても、使い勝手や作りこみなど、日本のサイトの方が優れていると感じるケースは結構あります。向こうで先端事例と言われて紹介されているものを見ていても、これだと日本の方が良くないかと思うことはしばしばでした。また、ありとあらゆるテクノロジー企業はGoogleとぶつかってしまうということや、市況、人材獲得の面を考えて行くと日本は悪くない。

日本から外に出て行けないのは言語の壁がどうしても出てくるため、ワールドワイドで通用するサービスを作ってみたいということからスタートの想定をシリコンバレーといていたのですが、輸出して世界に持っていくことに挑戦してみたいという気持ちが強まりました。
   
また、サイバーエージェントで会社が立ち上がってから1000人になるまでつぶさに見てきた石川さんと一緒にやりましょうとなったことも大きな要因です。
 
 
--今の事業ラインを選んだのはなぜでしょうか。

映画生活は元々趣味の個人のサイトとしてある程度あったので延長になります。世界レベルで、ということになると英語だとAmazonがIMDbという巨大なものを持っているので難しいです。

とはいえ、映画というものをもっとユーザーに近づける、良いものを発掘できる場所にして行きたいと思っていますので、日本一の映画メディアを目指しています。
 
 
--写真の共有サイト、写真Blogといったものは他にも多数ありますが、写真をテーマにしたのはどのような理由になりますか。

フォト蔵は仲間内で共有することを目的として、認証にSNSを組み合わせて作ってみました。フリッカーはなど外向きに写真を公開することを目的として作られたサービスよりも、ポータルの写真アップロード機能の進化として考えています。
  
mixiやGREEなどSNSとの違いとなると、純粋な写真の共有をベースにしています。日記機能をつい先ほどリリースしたところなのですが、最終的には似通ってくるかもしれません。今は写真という切り口から入っているところが違いです。
 
 
--サービスとして公開していくことは考えていますか。

APIを出したりもして行きたい。デジカメの管理ソフトと繋がったり、シェアウェア、フリーウェアと繋げるなどプラットホォームとして使われていくことを考えています。写真から生まれるコミュニケーションのプラットホームでしょうか。
  

--事業の範囲定義はありますか。どういうものには参入する、あるいはしないといった基準になるものはあるのでしょうか。

オリジナルなインターネットサービス、且つ、ワールドワイドで展開出来そうであり、自分たちが楽しんで取り組めるものです。あるテーマに特化したりという見方はしていません。

社内に未踏(未踏ソフトウェア創造事業)のプログラマーが二人いたりと、面白いことやりたいエッセンスが詰まっている状態です。

みんな割と自由にイベント行ったり集まりに顔を出したりと出入りしているのですが、何か面白そうなことをやっているという感じを出していくことと合わせてリクルーティングの費用くらいに思っています。
 
 
--シリーズものということで、一社目と二社目以降の違いについてお伺いしたいと思います。サイバーエージェントの時代に事業の立ち上げは何度か経験されているので、二社目という表現もちょっと違う感じもしますが、如何でしょうか。

(石川氏)経歴的なところになるのですが、サイバーの新規立ち上げ屋チームみたいなのがあって、立ち上げをほとんど専門的にやっている時期がありました。反面一年以上いたものはなかなかありません。立ち上げては次に、という動き方です。

大きなものとして、韓国の事業立ち上げを印象的に覚えています。資本のサイズも大きく見ていて楽しかったです。ウノウは韓国の再挑戦。もっかい海外でやってみたいという思いと、山田が海外がしたいと言うのを聞いていたので一緒にやりたいと思っていました。

ちなみに、社長の藤田さんと喧嘩別れなのかなどと聞かれるのではなく、そういうことはなく、随分前からいずれ出て何かをやりたいと伝えていて、「じゃあ、締めくくりにこの事業を見てよ」という感じで区切りを作ったところで円満退社となりました。
 
 
--最近の技術の変化と事業運営の関わりについてお伺いしたいでのすが、小さくビジネスを作れるようになった。でも長生きは出来るようになったのでしょうか。

安く作ったものがたくさんの人に使われるようになっていっているのは確かだと思います。とはいえ、伝播させて適度に普及させるのも適度に難しい。開発競争は細かく早くなったので競争は結構あります。技術の参入障壁が減ったので余計でしょう。お互いコピーは早いけれども、先頭になるのは難しいと感じています。
 
 
--となると、勝ち抜く基準、競争軸は何になるのでしょうか。技術でしょうか

技術があることと技術をビジネスに変える方法は、ちょっと違うのではと考えています。いわゆる技術力も大事ですが、例えばmixiのように淡々とユーザーの声に耳を傾けて作り続け維持していくことなど。取り入れと目利きと適度なイノベーションのバランスが大事になっていると感じています。

重厚長大インターネットと小規模の企業との違い、技術ドリブン、サービスドリブンといえば、どちらかといえばサービスドリブンで動いてます。

シリコンバレーでも、生き残った企業を見ていると意外とサービスドリブンでは無いでしょうか。本当に技術ドリブンなのは見てみるとGoogleくらいで、Yahoo!にしてもAmazon、eBayにしても技術だけの企業ではないです。
 
 
--事業の目標(会社の目標)を挙げるならどのようなものでしょうか。

まず、技術者の中から出てきた良いアイデアを事業化していく仕組み。そういう組織体を作って行きたいです。良いサービスを作り上げ、広めていくことが目的なので、自分が社長であることには別にこだわっていない。良いサービスのために自分はいるので例えば石川が社長になる、外部から連れてくることが良いのだったらそうします。
 
 
--話戻って組織運営や文化みたいなところになるのですが、非常にゆったりと物事が進んでいる感じを受けます。何日までにリリースしないといけないとかそういうのありますか。

品質が何かに達したら出すという暗黙の流れがあって、リリースの締め切りという考え方はあまりないです。方向付けは大事で、一日遅れるとかは本質的ではない、もっと長い目でみて考えようとしています。

夜もすごく早く8時くらいには終わってみんな帰ってしまいます。夏には海外に行っていなくなってしまったりもします。そもそも製造業みたいな何時間働いたから何個といった比例の世界ではなく、出来る出来ないが分かれる世界です。エンジニアの舵取りやバランス取りは難しいところですが。

いろんなところに出て行って、”目利き”として自分で経験するように心がけています。
 
 

メディアの記事や周囲で話されていることを読み聞き整理しつつ、もしかして世の中を理解するのに、何か見ているものに漏れがあるのではないかと感じていたのだが、ひとつヒントを頂けたやりとりであった。貴重な意見交換の機会を頂けたことに改めて御礼を言わせて頂きたい。

途中雑談的に出てきたのだが、山田さんのBlogのマイペースなトーン、石川さんが隣でニコニコと頷いている様子が会社の本質を示しているのではないかと思う。そして、このペースの作り方は間違いなくサイバーエージェントの軌跡を何年にも渡って中身から見てきた経験のエッセンスが散りばめられていることだろう。本当に良いものを生み出すにはどうすれば良いのか。

たいていの場合、情報システムやサイトのサービスはその組織の癖がそのまま反映される。今回も例外でなく、お二方の印象と重なる部分は多かった。このサービスの影にこの人ありというのはあちこちお邪魔する際の密かな楽しみの一つだったりする。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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