お使いのブラウザは最新版ではありません。最新のブラウザでご覧ください。

CNET Japan ブログ

第二世代インターネット時代のサン・マイクロシステムズ(2)

2005/09/23 08:47
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

プロフィール

渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
ブログ管理

最近のエントリー

Sunが自社サーバーを単純にコモデティ化させない方法として、Javaは外して考えられないという話は前回触れた通り。95年から彼らが心血を注いでサポートしていることにも現れている。そういえばJavaOneも近い。

Java Community Process(以下、JCP)の会合があり、発表会に参加してきた。JCPの定義をSunのサイトより念のため引用すると以下の通り。

Java Community Process (JCP) は、Java プラットフォームの発展を目的としたオープンな組織です。JCP は、世界中の Java 開発者およびライセンシによって構成され、Java テクノロジ仕様、リファレンス実装、およびテクノロジ互換性キットを開発および改訂する特権を持ちます。

プレゼンターは以下の方々。

-JCP 議長
 Onno Kluyt, Chair of the JCP
 ( Sun Microsystems Inc./ Sr. Director, JCP Chair)

-JCP Executive Committee
 Pentti Savolainen
 ( NOKIA Corporation / Director, Java Platform Standardisation )
 Ed Cobb 
 ( BEA Systems )
 Michael Bechauf
 ( SAP AG / VP, SAP NetWeaver Standards)

参加メンバーが大規模な会社中心になるのは、旗を振る役割であることもあり業界への影響力も必要なことから出てくる流れだろう。
 
 
Java Community Process
 
以下現場でのメモから引用しつつ。まずはJava Community Processの役割と位置づけについて。

▽コミュニティプロセスの役割と意味
・世界規模でのバイナリソフトスタンダードの構築
 ”WriteOnce”を開発者に保障すること
・JCPとして大事なこととはスペックを書くこと
 APIが何をするのかを特定し、定義
 開発者によるスペックの実装のコミュニティへの証明 
 互換性の維持(この互換性という意味は文脈により変わってくる)

▽コミュニティの原則
・標準化は市場を含めたコミュニティで動作品質保証がされなければならない
・デベロッパーが作る標準を重視
・標準を維持する能力。破壊者への対応。
・同意を生み出すべく決定していく能力
・信頼と平等性
・囲い込みの放棄
・官僚主義の排除

プラットホーム・リーダーシップの原則通り、強くコミットはするものの、Sunの事業会社としての活動からはJCPは切り離されるよう意識されている。Sunの思惑だけで方針が決められることはないというのが基本原則として確認されている。また、Sun自体の活動が全体貢献を意識しており、利益相反になっているのではないと各社よりコメントされていた。

この点はSunの事業設計とも関わるところであり、構造としてはIntelがチップセットやUSBで果たしてきた役割と似通っている。当初はJCPがなくSunが直接標準化を引っ張っていたが、おそらく、明確に組織を分けた上で上手く距離を取った方が良いとの判断がどこかで下されたのだろう。

個別企業の参加理由として、ノキアを例とすると

▽JCP参加のメリット
 グローバルスタンダードの獲得による市場全体の増加
  ※差別化はスタンダードの上に載せることで可能との考え
 長期的なJavaの進化への貢献
 ⇒当然、長期に渡っての投資とコミットが要求される

市場での技術の断片化を防いで標準を作る、ひいてはヨーロッパと米国が別々に動いているというのではなく全体で通して使える標準を獲得することが、参加者全員のメリットになる(当然、最大手であるノキアにも大きく帰ってくる)というのを挙げている。
 
 
Sun/Java/JCP
 
Javaは元々Sunの内部技術として開発された。紆余曲折の経緯は例えば『サン・マイクロシステムズ』などで詳しい。

これまでの流れを一言に集約すると、内部管理していたものを共同管理し、業界全体の財産としていく過程と言える。オープン(かどうかは意見の分かれるところになろうが)な標準を如何に作っていくか、反面影響力を維持し続けるかのバランス取りが重要となる。手綱を締めすぎると当然反発を買う。緩めすぎると最悪、Javaの標準が守られなくなるリスクを負い元も子もなくなる。

もうひとつ、オープンソースとの折り合いをどうつけるかも鍵となる。周辺で作られるアプリやサービスを上手く取り込んでいくことはコミュニティ全体の成長に繋がる。しかし、見境のない取り込みは標準化プロセスとぶつかりかねない。Javaをオープン化すれば片付くという簡単な問題でもないと思えるが、外から見て納得の行くプロセスを作っていくのは最低限必要だろう。

ひとまず今回はこの程度で。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
運営事務局に問題を報告

最新ブログエントリー