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プラットフォームとしてのウェブ(2)

2005/09/12 09:27
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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前々回の「プラットホームとしてのウェブ」の続きを。プラットフォームという視点からWebサービスについて少し考えてみたい。素材は先の通り、A VCの「The Death of a Web Service」より。タイトルどおり、やや批判的な視点で考察が進められている。

エントリ内での状況理解が冒頭にまとめられているので、まずそこから。

I have talked endlessly on this blog about the emerging world of web services where you can easily build really useful applications by patching together a bunch of open web services.

オープンAPIを利用してアプリケーションが作られていく世界、その際に基盤となるアプリケーション+データをセットしたサービスがWebサービスと定義されている。

では、このWebサービス(という言い方は事業者も何も定義していないので、ひどく曖昧な定義にはなるのだが)、プラットホームとして位置づけるに十分だろうか?

But what happens when one of these web services dies?

これって、落ちたらどうなるの?
 
 
プラットホームとしての違い
 
OSやアドビなど、ソフトウェアプラットホームと比べると違いは明白で、どこか誰かのサーバーで動いていることにある。アプリケーションの設計上、ハードや周辺ソフトとの相性が悪くて機能しないというのがソフトウェアの時代の課題だったとすると、まず単純に「落ちたらどうするの?」というのが加わる。少し前であれば、アプリと基盤ソフトの設計が問題ないとの前提の上で、システム設計の上でSIerあたりが担当していた稼動の安定性というところに該当するだろう。

当然、分散大規模のシステムを組む場合、サーバー間で機能を分けていると、相手方のサーバーが落ちている可能性はアプリケーションの設計でも要求される。しかし、この場合は、普通はとあるサーバーとやり取りするサーバーはシステム内部では定義され限定されている。外に繋ぐにしても相手が不特定というのはあまりなく、認証や決済など決まった相手とやりとりすることの方が多い。

というところで、オープン、不特定多数という利用環境を想定すると、基本は変わらないものの若干細部が異なることになる。エントリ中で提案されている指針は以下の通り。

* Allow the users to easily get all of their data out of a web service anytime they want.
* Don't hold users captive and let them remove themselves from the service.
* Always shut down a service that users rely on in an orderly and professional fashion.

一つ目はデータベースが遠隔になり、サービス経由でしか引き出すことが出来ないことから、システム内部のデータ保存の考え方とは違う表現になっている。その他基本線は妥当なところか。

他にも、ベンダー選定と考え方は近いが、セキュリティも含めたサービスの信頼性(結局、提供元が何者なのかを調べることになるのだろう)、つまり悪意を持ってAPIを開放しているのではないかの判定や認証や、文中のケースやコメント欄で出てきている、あるサービスから別のサービスにデータを移して処理するもしくは完全移行の出来る出来ないなど、システムが手元にないが故に判断のポイントがフェーズとして早まるものも加えられる。
 
 
やはり残ってしまうもの
 
と、一通り攫ってみたところで気付くのだが、先のエントリで引用したプラットホームの要件を振り返るとシステムorアプリケーションのダウンが存在しない、つまり運用の安定性を所与と考えても、十分には満たせていない。

結局、サービスを組み合わせるアプリケーションやミドルウェア、ブラウザなどが消えて無くなるわけではない。言語規格、標準ライブラリ、オープンソース、メーカー製パッケージ、いずれを持ってくるにせよ「それを支えて保証するのはどこの誰?」というところは残るわけである。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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