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Long Tail:ビジネスモデルの基本形とは?

2005/03/01 17:44
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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日本のYahooが大型買収を行いました。朝のオープニングベルでもeコマースとネット広告の最近動向として取り上げられていましたが、業界関係者の発言を追う感じからして、もう少し余震は続きそうです。

そんな中、アフィリエイトの先にあるテーマは?と問われると、ひとつがたびたび取り上げているLong Tailです。

Long Tail関連の発言は、爆発的ではないが各所でコンスタントに見かける。インターネットの本質的現象とも言えるものなので、このテーマだけしばらく専門に追っても面白いのかもしれない。
※Long Tailと耳にしてぴんと来ない方は「インターネットは80対20の法則を越える」、「Yahoo、Google、Blog、RSS後の世の中」を参照ください。要するに2割の商品が8割の売上げになるといういわゆる2:8の法則から、フラットにモノと情報が流通するようになってきているという話です。
 
 
Ross Mayfieldがまとめたそのまま「The Long Tale」より。冒頭の定義、

Distribution of income vs. goods reveals a power-law, a new market beyond the 20% mainstream market. Every single digital inventory item being sold at least once, in a world of unlimited shelf space and abundance.

がコンパクトで良い。先日ご招待頂いたカンファレンスの際もこれを知りえていれば一言で語れていたことだろう。

インターネットは電波に依存するテレビ、ラジオと異なって周波数制限がない。帯域制限が時と共に回線の高速化でなくなりつつあるとなると、需要<供給の状態にあるテレビラジオモデルから需要<供給の状態にあっさりシフトする。器の数が足りないので、器を握っている人が強い時代から、器の数が有り余っているので、ただ握っているだけではさして意味がない時代となっている。広告商売ももちろんこの影響を受け、販売方法の違いから一度はネット専業のプレイヤーが既存のプレイヤーと別に大きく伸びることとなった。

細かい話はさておき、情報を出す器が増えて情報配信コストが減ることでマーケットの基本構造を変えてしまうことになる。

Virtually unlimited capacity plus virtually free distribution equals custom streams, not mass markets.

マスマーケットではなく、「カスタムストリーム」。言葉としては商流の個別化とでも訳せばよいのだろうか。魔法のランプのように世の中すべてを変えてしまうのかはまだ検証が必要であるが、大きな流れとして起きていることである。

記事の面白いところは、ビジネスモデルへの考察が加えられている点。後半、断片的に考えたことを列挙した形になり、まとまりが無くなるが中段まではポイントポイントがまとまっている。
 
 
基本モデル2タイプ
 
まず、基本モデルを二つに分けている。
一つ目。

Digital catalogs: Services such as Netflix and Amazon, with unlimited offerings but physical

いわゆるEC。二つ目で出てくる金融やサービスのように形のない情報だけの商品と違い、物財は店舗置きするとどうしても店頭でお客さんに見せるために置ける種類や量には限界が出る。その点、店舗を持たないECであれば、個々のお客さんに上手く情報を届けられれば展示商品数の限界はない。バックオフィスでの在庫管理、商品管理能力の方がネックとなる。通販カタログと比較しても紙の制限がないことから、見せられる情報量で比べると通販より優れている。

二つ目。

Digital retailers: Like Rhapsody, lowest profit threshold for stores with no physical goods.

音楽、金融サービス、電子書籍、最近徐々に出てきた映像コンテンツなど、純粋にデータとして届けられネットワーク内のみで完結するサービスであれば、在庫管理スペースさえなくなる。もちろん、サーバーの台数が増えるなどシステムへの負荷は大きくなるが、各都市に拠点を構え、流通を整備しなどと力を入れるよりも使うスペースで言うと少なくなり、配送コストが落ちるのは間違いない。

両者に共通するのは、程度の違いはあれ今まで非電子的に管理されていたものが電子的に管理されるようになっていることである。古典的な言い方をするなら、アトムからビットへ、といったところか。
 
 
ビジネスルール
 
ビジネス遂行上の新しいルールとして提示されているのも二つ。

Rule 1: Make everything available.
「Embrace niches like documentaries」ということだが、幅広く満遍なく隙間なく取り扱い範囲を広げていくことが重要になる。Long Tailの基本を理解すればここはすんなり理解出来る。

Rule 2: Price it Right.
「Entertainment (want) prices down the Tail, Information (need) prices down the tail.」。この話はとあるマーケッターの方が同じような話をされていた。一部のプレミアム商品やマニア向けのものを除いて、古くなったコンテンツの勝ちが限りなく下がっていくことは珍しくない。中古レコード・CD、古本屋でずっと滞留している商品が該当する。

これら古い商品はアーカイブが整備されていくと、そのうちウェブ上でも手に入るようになる。データの管理コストさえ小さければアーカイブ化は可能である。しかし、需要が少ないため価格は自然落ちる。AmazonやiTuneのような広く使われているプラットホームの上で出てくる形か、完全にオークションに近いモデルに落ちるかどちらかだろう。

最後の方はまとまりが良くないために割愛してしまうが、ああでもない、こうでもないと思案しているそれぞれにヒントが散りばめられている。更に潜って考えを深めたい方は最後まで是非。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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