お使いのブラウザは最新版ではありません。最新のブラウザでご覧ください。

CNET Japan ブログ

ASP事業復活の狼煙は上がるのか

2005/01/10 02:03
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

プロフィール

渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
ブログ管理

最近のエントリー

年末の締めで、2005年の注目点の一つとして、RSSを挙げた。他にも、例えば、普段あまり取り上げていないがモバイル領域でも3Gが普及期に入り、データ通信の定額化、アプリケーションの表現力の向上と合わせて通話端末から情報端末へと利用範囲が確実に拡大してきているなど、今年面白くなるかなという分野はリスト化出来るくらいあるのだが、再度注目されつつあるApplication Service Providers (ASP)分野もそのひとつとなる。

Salesforce.comやNetflixなど中堅規模で成功を収めつつある企業が出た段階から、裾野が広がって様々な分野で伸びてくるのではとの指摘を各所で見るようになった。その中のひとつ、patrickWebの「On Demand」より。
 
 
一度は死んだASP
 
バブルの頃にASPというアイデアは一度大きく注目を浴びた訳だが、ごく一部を除いて一度は綺麗に行き詰った。上手く行かなかった原因を簡単に振り返ると、

Although I continue to be enthusiastic about the vast potential of the Internet, I felt at the time that the ASP model was premature -- primarily because there were not enough people with always on, high quality, reliable, connections to the net. (network computers suffered from the same problem). On top of the network issue was the fact that the ASP solutions introduced were of questionable value and the result was that the ASP model essentially disappeared.

平たく、ネットワークインフラがまだ弱く、十分なサービスレベルを維持できる段階に至っていなかったことが大きい。「理屈は分かるが実行効果が・・・」というリアクションは初期のJavaに向けられた言葉を思い出す。

当時と比較すると、ネットワーク環境は格段によくなった。国土の広い米国ではブロードバンドの普及は少し足踏みしている感もあるが、Comcastのマネジメントがケーブルインフラ投資の回収が始まったと強気な発言を行うなど、良い流れになりつつある。

I believe now is the time for the reincarnation of the ASP as a valid and important business model.

そうなると、周辺技術の発展と合わせて復活の気配も自然と出てくる。

復活と言っても、全てが以前と同じ展開というのでもない。

The new generation of ASP’s will provide applications that can not be done on a stand-alone PC. They will also be businesses “on demand” – a term we will be hearing more and more about

ウェブは何が出来るのか、どのようなプロセスを載せやすいかという経験が数年蓄積されたことで、旧来のPCアプリとは異なる発想のサービスが出てきていることは、AmazonやeBayのWebAPIを指摘するだけで事足りるだろう。
 
 
新世代ASP事業の特性
 
On demand businessesという表現が使われているが(さすが、元IBMのVP)、新世代のASP事業の特性が幾つか挙げられている。

On demand businesses share important characteristics, the most basic of which is delivering value-added results to their customers -- whenever their customers need it.

まず、基本として、付加価値の付いたアウトプットが、いつ何時でも利用者の手元に届けられる。一読すると、以前と同じに見えるが「whenever」の意味合いが変わっている。

24x7 means not just “always on” but also “everywhere”. WiFi enabled businesses will make their services available to all their constituencies whenever they want, wherever they are, and using whatever kind of device is being used to connect to the Internet..

ネットワーク環境の変化として大きいのは、無線技術の発達である。Wi-Fiとモバイルが使うと、文字通り、いつ何時でもサービスを受けることが可能になる。いつでもは「everywhere」を含み、どこで何をしているときでも、という解釈に拡大される。

もう一つ、これは進化の途上ではあるが、先行事例を探ると見えてくるところ、

There are two other very important elements to being an on demand business. First and foremost is integration.

プロセス設計が綺麗になり、担当ごとにたらい回されているようなサービス設計ではなくなりつつある。オンラインで何か購入した際に、事業者が物流決済を外出ししていることは珍しくもなんともないが、サービスフローが外出しされているサービスとの境目で切れているという場面を見ることは日に日に減っている。

そして、プロセスの取り込みはウェブの世界からリアルな世界に広がりつつある。

例えば、大学に設置されたコインランドリーのケース。

Students can visit a Web site to find out when a machine will be available. They can select various functions, such as the dispensing of soap and fabric softener - choosing from a range of products in storage bins attached to each machine. When the wash is done, they are notified via an email sent to their pagers or PCs.

空いている機械があるのか事前に分かり、洗濯が終わったらメールで知らせてくれる。事業者の側はメンテナンスタイミングや洗剤などの在庫管理に情報を役立てることが出来る。

コンピューターのアプリケーションをウェブ経由で使えますよ、という初期のASPのコンセプトの定義を越えていることは明らかである。
 
 
元エントリの後半部分ではこれまでの記述を踏まえて、個別の事例の考察が行われている。今までと何がどう異なるのか、サービスプロセスのどの部分が進化しているのかを考えながら読むとなかなかに面白い。これらの事例から滲み出てくるエッセンスを理解してIBMが今日の戦略を立てていたとするのであれば、規模の大きさも加味すると、凄いことなのではと改めて思う次第である。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
運営事務局に問題を報告

最新ブログエントリー