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CNET Japan ブログ

オンラインDVDレンタルとソーシャルネットワーキングの出会い

2004/12/07 00:57
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プロフィール

渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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米国オンラインDVDレンタル大手、NetflixがSNSサービス「Netflix Friends」をリリースした。「Netflix Gets Social」より。

もちろんマーケティングの一環としてのサービス提供であり、

The Friends feature allows subscribers to invite other subscribers to join their network of friends, and then share movie reviews and ratings with them. Non-subscribers are invited in the same e-mail to join Netflix with a free two-week trial of the service.

既存のキャンペーンと組み合わされた形で、新規の会員獲得のフローに組み込まれる形となっている。王道である。
 
 
作りと狙い
 
機能の詳しくはbuzzhit!の「Deeper Thoughts on Netflix Friends」にあるが、人のネットワークを登録でき、商品レーティングが登録出来、というのはCGMの一種としてスタンダードな作りと言える。

"The idea is to get people to continue using the site and to share their love of movies with a larger audience," said Shernaz Daver, VP of corporate communications at Netflix. "It combines two activities that humans love doing -- interacting with one another, and watching movies."

映画を見て面白い、楽しいという感情を多くの人に知らせて共有したいというシンプルな欲求に答えるサービスであり、事業環境的には、

With the entry of offline players Blockbuster and Wal-Mart into the online DVD rental market, competition for subscribers -- both to grab them and to hold onto them -- has been heating up.

ブロックバスターとウォルマートというリテールの店舗も持った新規参入者との利用者の囲い込み競争への布石となる。

別段特別なところは無いが(特別である必要があるわけでもないが)、ビジネス上のポイントを順に。

"The whole idea behind social networking is that it's highly viral, and will allow them to acquire more subscribers, more quickly, at a lower cost," he said. "If I were invited to a service that I knew nothing about by someone I knew, I'd be more likely to try it and give it a longer chance to prove itself than if I just stumbled upon it." Customer acquisition costs could be lowered by as much as 30 percent if this effort is successful, Gentile speculated.

まず、顧客の獲得が第一義というのは上記に触れたが、コスト面では30%の削減を狙っている。口コミ効果あってのものであるが、削減率としては非常に良い。元々行っていたフリートライアルの紹介サービスもそこそこ良い効果であったことから考えると、ローコスト体制を築くのに一役買えることになる。

CGMとしては、汎用的なものよりもヒット率が高まる可能性がある。

"If my friends like a movie, that means something more to me than a recommendation from someone I don't know."

読むコンテクストが十分に備わった上で評価情報が流通することになる。偶然の出会いの演出は別途必要かもしれないが、Amazonなどのフラットにデータを蓄積しているプレイヤーと比較しても先行者利益と張り合う事は可能だろう。

汎用的なSNSと比較してのポイントもある。

The sense of community can help reduce churn, a problem all subscription services must address. Netflix has addressed churn by lowering its prices, offering a free trial period, and making it easier for new and trial users to get up and running quickly so they receive their first movies within a day or two and start experiencing the service more quickly.

SNSと言えどもユーザーの獲得にはなんらかトリガーが必要となる。もちろん、典型的なキャンペーンである必要はないが、自己増殖に入るまではなんらかのトリガーがないとなかなかに増えていかない。後発は特に増えにくい。その点、具体的なサービスと組み合わさっているのは強みとなる。この点、一見当たり前であるが、ローコストオペレーションを前提として考えると、メリットとしては捨て置けない。
 
 
日常の風景
 
結論として、NetflixのSNSは特別浮きも沈みもせず、日常の風景としてごくごく普通に使われていくことになるだろう。Amazonのレビューが普通に使われているのと感覚としてはおそらく近い。ニュースとして取り上げられているのはしばらくで、後は先行事例の一つとして語られるようになってゆく。

というところで、エントリとしても浮きも沈みもせずに最後まで来てしまったが、障害なく普通にユーザーが受け入れているということこそが個人的には面白いのでは、と思う次第である。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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