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ビジネスBlogケーススタディ:日産「TIIDA BLOG」の舞台裏

2004/12/04 01:10
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プロフィール

渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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「是非是非に」ということで、「コンテクストとコミュニケーション:カレン四家氏インタビュー」でご登場いただいた四家さんのご紹介でTIIDAのキャンペーンでBlogのプロモーション企画「TIIDA BLOG」を担当されている工藤さんと山本さんを訪ねた。所属は日産自動車のマーケティング本部でもインターネットチームの特にダイレクトコミュニケーションを軸にして動いているチーム。サポートをされているカレンの日浅さんにもご同席頂いてのインタビューとなった。
 
 

TIIDA公式ブログ「TIIDA BLOG」と運営チームの皆様

--提案を受けたときに戸惑いはありませんでしたか?

特になかったですね。「いつかはやるだろう」という気配が前からあったので。
Blogについては2年ほど前から注目していたんですが、カレンのサイトがBlogになったころ(2004年3月)から、具体的にマーケティングに活用できないかという話をしていました。

ただ、当初はオーナーの声をまとめていくという感じの企画でイメージだったんですが、上手く落とし込むことが出来なかったんです。ただ、今回のTIIDA BLOGの場合は情報発信を中心としたカタチで、うまく全体のプロモーションの中に組み込むことができたので、納得できる提案でした。
 
 
--社内でプランの意思決定を行う際、企画のOKを得るのに手間取ることはありましたか?

上に上げるのはスムーズでした。ユーザーからのネガティブなご意見が出てくるリスクについては認識していましたが、コメントは受けない、トラックバックもきちんと監視をしてコントロールをする旨を伝えて納得いただきました。新しいことに挑戦すること自体への評価もあり、特に問題はありませんでした。
 
 
--実際に関わってみて、他のプロモーションと異なることについて何かありますか?

伝えたい情報をすばやく手軽に更新できるのは大きいですね。柔軟な運用が出来るため突発的なネタがあった際にフレキシブルに進められるます。池に投げた石で波紋が広がっていくのを見るように、ユーザーの反応を見つつ「では次はこれを出そう」というやり方が出来ます。メインのシナリオ想定はありましたが、フレキシブルに運営していく中で、ネタが生まれてきたので、まだまだ更新できていない記事があります。
 
 
--広がりの事例で何かよいのはありますか?

シートの質を訴求した「指で押さずにいられない」という記事には、「押してみたくなる」というご意見や、実際にお客様が実体験した感想を書いていただけました。また、レンタカー企画をご案内した「想像してください」という記事では、「レンタカーを借りるとしたら、どこに行きますか?想像してください」という呼びかけに対して、「想像してみました」と返ってきたというのもあります。いただいたトラックバックは視点や語り口など新鮮なものがたくさんあります。
 
 
--キャンペーンの効果はいかがでしょう?

大規模にプロモをかけた訳ではないですが、アクセスがあまり落ちないです。通常だと、新車発表後、告知から時間が過ぎるとサイトへのアクセスは減っていくものですが、今回100%維持は出来ないにしてもあまり下がらずに推移しました。指標をどれで取るかは難しいところですが、単純にアクセス数と滞在時間を見ていると、効果があったのではと考えています。
 
 
--これはBlogでは出来ない、ということ、相性の悪いものはありますか?

商品次第、ターゲット次第ではないでしょうか。
ティーダの場合は、企業のオフィシャルな言葉やスペックでは伝えにくかった、伝えきれなかった点がたくさんありました。Blogはそこのところを上手く拾えるものと理解しています。

ターゲットの年齢層が高いものについては、相性が悪いというか、(現時点では)適切ではないかもしれないですね。
 
 
--運営も含めてこの辺には気をつけた、ということはありますか?

メーカーの顔として出ているということは一つ意識をしたところです。読み手との距離感の取り方や出し方は三年間のメールマガジンの運営で積み重ねて生まれたトーンに沿って書いています。ちょっとくだけているけれども、馴れ馴れしくはない、という感じです。

掲示板的な管理という面では、批判については甘んじて受けるが、他のメーカーも含めての誹謗中傷や個人情報関連であれば、削除対象だというルールを持っています。ただし、内容で判断してトラックバックを削除したことはありません。いままでに削除したものはリンク先が無くなってしまったものと重複トラックバックが数件だけです。
 
 
--他のメーカーさんとのブランドが混ざることについては気にしていましたか?

上記の基準で問題があるもののみ検討の遡上に上げるというスタンスですね。ユーザーさんの書いたものであれば原則通します。
 
 
--ズバリ、やって良かったですか?

良かったです。全社的にも。指標も何もない状態かの開始だったので、その辺の感覚やベンチマークを作るためのベース得られたのが大きいです。これから、キャンペーンを振り返る形で今後に使っていく評価モデルを作って行きます。
 
 
--具体的でなくてとも、第二段以降の希望はありますか?

Blogは自分たちが伝えたいことを波及させていくためのツールとして捉えています。しばらくやっているとリピートが増えていくと同時に、石を投げたあとの範囲が決まってきているのでは?という感じを受けています。ある程度以上になると広がりが固定化してくるところもあるので、新しい人たちを獲得して、生かしていく方法を考える必要があると考えています。
  
 
--将来車種ごとについていくということはあるのでしょうか。

それはないです。新規性のある今だからというのはありますし、出来る車種、出来ない車種があるはずなので、使うときは使うという風になっていくはずです。
 
 
--ある程度コミュニティとして成長したらそこから先には進めないものなのでしょうか。

プラスアルファがやはり必要ではないでしょうか。車に詳しい人が参加している、やや敷居が高いBlogになってしまっているかな、と感じています。参加者もトラックバックを追う限り、初期は広告やインターネット系から、乗り手、車ユーザーに移っていきました。想定ユーザー層に近しいところと言えますが、もっとフランクな、ちょっとしたことでトラックバックをいただいてもいいと思っています。新しい切り口の問いかけなども模索していきたいですね。
 
 
--カレン全体の中での個別ケースとしての「TIIDA BLOG」の特徴はありますか?

元々カレンが得意としているEメールマーケティングとの関係です。メッセージングに重きをおいているのは、Eメールの機能の一部代替という面があります。また、Blogへお客様を誘導するEメール配信があり、BlogからEメールでのご相談を受け付ける窓口もある。これは、現時点では特徴と言っていいと思います。

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その他、雑談的に伺ったのだが、日産ブランドでのRSSリーダーの提供も行っているという。TIIDA専用に作ったものではないが、せっかくであればリンクさせて使えるようにしようということでBlogの更新情報が簡単に分かるように手を加えたとのことである。

全般的な感想として、今はまだ「Blogだ!」「新しい!」という目玉メニュー的な流れがあるが、そのうちごく普通に取り入れられていくだろうというのを強く感じた。元々プレーンなツールなため、プレーンな位置づけに落ち着いていくことだろう。トラックバック機能については、しばらくの間トライアル&エラーの期間を要するはずだが、先行事例を見つつ直接話を伺っていると十分な経験値とリテラシーを積まれている印象を受ける。先行メリットは多少なりともあるのだと感じられた。

ご対応頂き、ありがとうございました。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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