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メディア産業座談会

2004/11/19 11:35
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プロフィール

渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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来日されていた、Ad Innovatorの織田さんとやりとりする時間を持てた。昨日インタビュー記事を掲載させて頂いたタカヒロさんと三者会談という予定だったのだが、仕事の都合で参加出来ず。「Blog、インターネットで広告業界はどう変わるのか?」でインタビューさせていただいた渡辺さん、グループBlog「FPN」編集長の徳力さん。そして、お馴染み「ネタフル」のコグレさんも交えての意見交換会となった。

その中で提示された設題がなかなかに面白かったので、細かい話は後ほどとして、まずご紹介したい。
 
 
コモデティ情報とBlogのAddValue
 
織田さん、コグレさん(どうもカタカナで書いてしまう)、徳力さん共に、芸能人のごとく世の中一般に広く知られている訳ではないものの、知る人ぞ知るBlogの運営者である。誰からとでもなく出たセリフだったが、「でも、(何かを生み出しているのではなく)情報を紹介しているだけ、という面はありますよね」。CNETのこの連載もこの一言の範疇に入る。

さて、この言葉が概ね正しいとの仮定に立った場合、上記のBlog群はAddValueしているのだろうか、していないのだろうか。

情報がコモデティ化しているという過去何度も取り上げているテーマとこの設題は関連する。付加価値のポイントは何になるのかを問うているに等しい。
 
 
メディアの編集価値
 
上記の問いに答えるには、メディアの仕組みを簡単に整理してみると分かりやすい。新聞にしてもラジオにしても、簡単にモデル化すると、1)一次情報、2)コメント批評、3)パッケージングの三つくらいに分けられる。正確にはここに流通、例えば新聞配達や配本なども入れるべきなのであるが、今回の趣旨と異なるので割愛する。

一次情報はいわゆるニュース、どこでなにが起きてどうなったのかというものとなる。コメント批評はその一次情報をどのように理解すればよいのかについての補足情報、パッケージングは雑誌にしても新聞にしても、これらのニュースやコメント情報を記事やページといった一定の枠組みの中に整理するところとここでは定義する。

さて、冒頭の問いに戻る。Blogが担っているのは主に2と場合によって3である。織田さんのBlog、Ad Innovatorの場合は具体的なコメントもさることながら、このニュースをピックアップしたということそのものに意味がある作りになっている。一種のお墨付きが付いている訳である。反対に、コグレさんの場合はお墨付き効果よりも3のパッケージングの方に重心が移る。ネタフル、という括りで届けられる情報をまとめて見ていると、一定範囲の情報は漏れなくチェックすることが出来る。ご本人曰く、Blogをまとめて発行しているメルマガにも「見落としていたものを見逃さないように出来る」などという言葉が寄せられられているそうであす。

というところで、お分かりかと思うが、問いは「編集と批評にどの程度価値があると認められるか」という問いでもある。難しいことを考えすぎずに、読んで楽しい、もしくは役に立つという人がいて、かつ各Blogの存在により読み手の時間効率や漏れの防止が図られているのだとすれば、なんらかの価値提供をしていると言ってもよい。

それがいかほどのものか、あるいは課金が出来るのかという話は脇に置くと、価値提供をしていると考えてよいだろうと考えている。雑多なリストから、近しいものを抜き出すことの出来るサーチエンジンのランキングのアルゴリズムの提供価値とも似たものとなる。
 
 
パーソナル・ブランディング
 
本欄をまとめているうちに、FPNからトラックバックを頂いた。参加メンバーの徳力さんからのもので、「誰もが個人の看板で生きる時代は来るか」。こちらも、座談会のひとつのテーマとして意見が交わされた。

最近、企業の顔としてBlogを書いている人は日本でも出つつあり、米国ではすっかり珍しくない。CEOクラスが直接情報発信をし、テクノロジー企業以外でもじわじわと事例が出つつあるところである。また、当然のごとく個人の情報発信は既に日常の風景になっている。

そこで課題になるのは「大企業の中にいる社員は、どこまで個人の情報発信が許されるのか?」という点でしょう。

大規模に企業Blogを展開しているSUNやマイクロソフトは活動として概ね好意的に受け止められ、活発な議論の元となっている。個々のエントリについての賛否両論はあっても、Blogを閉じてしまえという話は耳にしない。提供側もPR効果も含めてメリットがあるという認識が広まりつつあるためだろう。

ところが、何をどこまで書いてよいかというところははっきりとしていないケースが多い。何社か、社員Blogのガイドラインを設けているところも出つつあるが、会社では特に関わっていないが社員が個人として情報発信をしている場合、更に仕事にも関わったコンテクストの情報を取り扱っている場合は一般常識以外に判断基準が存在しなくなる。

「そのうち、雇用契約にBlogに関する規約が含まれてもおかしくはない」というのは織田さんの意見となる。また、場合によっては、採用条件の一項目になってもおかしくないとも考えている。

というところで、電通のタカヒロさんがどのような心構えで日々綴っているのかには非常に興味があったのだが、生憎ニアミスとなってしまった。またの機会の宿題となっている。

◆関連エントリ
 ネタフル メディア産業座談会?
 FPN 誰もが個人の看板で生きる時代は来るか


ふと気づくとGoogleの検索結果から翻訳機能が使えるようになっている。サーチ結果の画面から翻訳出来るというのはユーザビリティ上非常に正しいのではなかろうか。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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