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CNET Japan ブログ

ニュースポータルとジャーナリズム(2)

2004/09/29 12:14
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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前回に引き続き、オンラインのメディア論、手編集の代表格としてのYahoo Newsを。

まず全体像から。

Yahoo News, launched in August 1995, has been in a tug-of-war with CNN.com all year over the No. 1 online news ranking. In August, Yahoo News attracted 22 million unique visitors to CNN's 22.9 million, according to Nielsen//NetRatings. In July, and during the Democratic and Republican conventions, Yahoo News topped CNN.com.

日本のオンラインニュースでも強い影響力を持ちつつあるYahoo Newsだが、この動きは米国でも同じで、CNN.comなどと一位の座を争っている。アグリゲーションサービスであり、コンテンツ生成をしているメディアサイトと同列に並べてよいかは議論の余地があるが、サイトのメディアパワーが強い事実は変わりない。文句なく良く読まれているニュースサイトである。

"We use actual humans," he added. "News is far too human of an endeavor to rely 100 percent on automation."

記事の選定方法は人間の手が加わっており、アルゴリズムのみで処理されている訳ではない、そういう意味では古典的な意味での「編集方針」が存在していることになる。

このポリシーによってGoogleとはもちろん立ち位置が異なっている。差別点が四点挙げられているので順に見て行きたい。裏返せば、アグリゲーションサービスとは何かが見えてくる。
 
 
速報性重視

First, he said, "we'll always have breaking news faster. It's very difficult to be timely on breaking news if your news service is relying on an algorithm that works off news being published elsewhere first." Yahoo News' partnerships with major news organizations allow it to publish news about major events within seconds or minutes of a story being filed. By contrast, a search engine that depends strictly on trolling the Web might publish news that's 20 minutes old on a news site, but the story could be two days old.

まず、速報ニュースを重視している。クローラーを用いていると、クロールするプログラムの巡回速度と方法にニュースの表示タイミングが決定される。それでは、何か新しい動きがあった時に数分で対応してニュースを表示することは出来ない。
 
 
信頼性の担保

Second, Birkeland pointed to "accuracy and trust issues." "We're working with news partners who are in the accuracy business," he said. "We don't have the kinds of situations where the reader scratches his head wondering why a story from a questionable source winds up at the top of the main news page. It's extremely important to have editorial oversight rather than rely on an algorithm's questionable judgment."

正確さと信頼。この二つを担保すべく人の目が用いられている。トップで扱うべきニュース記事はそれ相応の理由があり、かつ出所のしっかりした情報源=メディア企業やメディアサイトから採用される。サイトで表示されている情報はパートナーと協力した上で信頼性を担保したものが提供されている。

裏返してメディアの機能を狭く定義すると、Googleはメディアではないとも言えてしまう。
 
 
ニュースとコラムのバランス

Third, an editorial staff allows Yahoo News to better sort the news into opinion and analysis sections in addition to straight news.

いわゆる事実情報を伝えるニュースと、コラム、オピニオンなどの分析記事をバランスよく配置出来る。
 
 
横串の情報整理

A final advantage is that readers get a more comprehensive, friendlier user experience when they're reading the news on a single site such as Yahoo News as opposed to hopping from site to site, Birkeland said. By hosting the material, Yahoo can display additional material and tools, such as related stories, video and photos, message boards, and the ability to rate the story or e-mail it to a friend.

この利点はGoogleとも共通して横串のメリットとなる。ニュース以外の関連情報を出しやすいというのは現時点でのGoogleとは比較ポイントとなるが、A9のような新種のアグリゲーションの形を見ているとアドバンテージというのでもないだろう。むしろ、単一のソース提供を行っている情報ベンダーとの違いと解する方が実態に即している。

Yahoo Newsの主張を見ていると、メディアがインターネットに対して比較主張している言葉を思い出す。Googleは骨の髄までテクノロジー企業だが、Yahooはメディア企業である。その違いが如実に出ているのがこの比較だろう。昨日の「このルールはウェブにどのように転用されるのか」という問いに暫定的に答えを出すとしたら、

・Google
サービスとして道半ばであり、十分な解決は測られていない。しかし、純粋なテクノロジーの応用ということから、恣意的な意図があってのものではないため、メディア倫理上責められるといった展開にはあまりならない。

・Yahoo
媒体は紙ではなく、オリジナルコンテンツは持っていないが運用としては、メディア企業のそれと同じである。よって、フェアネスを問われやすいとすればこちらになる。

というところだろうか。メディアの利用時間の変動が起き、ウェブやポータルでのニュース情報取得が当たり前となってくると、どちらにも風当たりは強くなり、あるべき姿への要求が高まるだろう。しかし、当面は見識の高い層が先んじて議論を進めているという状況で、メディア全体を巻き込んでの大論争となるほどではない様子である。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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