お使いのブラウザは最新版ではありません。最新のブラウザでご覧ください。

CNET Japan ブログ

ネットワーク世代とウェブのリテラシー

2004/09/06 13:22
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

プロフィール

渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
ブログ管理

最近のエントリー

インターネットが拡大し続ける世の中を見ながら、個人はどのような対応を迫られているのだろう、と考えることがある。このBlogでも軸テーマとして意識して取り扱っている。

個別のテクノロジーのことをそれぞれ指摘していくと止め処ないが、個人の側だとまず入り口にリテラシーが来るという結論を持っている。ここで言うリテラシーはPC詳しいです、機器が使えますというテクニカルなリテラシーではなく、ウェブ上での文章表現とコミュニケーションのリテラシーとなる。
 
 
ツールと表現の変化
 
メールやメッセンジャーを日常的に使い、あちこちのコミュニティに顔を出しつつBlogを書いていると、無意識のうちにそれぞれ微妙に使い分けていることが分かる。メールだから個人に向けて書く、メッセンジャーだから細切れでコンパクトになってしまう、という形式的なところだけではなく、何を書いて何を書かないか、表現としてどこまでが許されるのかというラインも微妙に変わってくる。同じ情報でも書き方一つで、プラスにもマイナスにも取られるという場面を何度も見てきた。

ウェブを経由して相手との距離感を適切に測り、使っているコミュニケーションメディアに合わせた形でメッセージに落とし込む。これは、いわゆるビジネスマナーやコミュニケーションスキルと似ているが少し違うものになる。

もちろん、「言い方一つで」というのは今に始まったことではない。相手のことを考えて、相手の反応を見つつ言葉を選ぶという作業は普通の会話でも要求されることであり、1000年とか2000年の歴史を持っている。しかし、潜在的にマスコミュニケーションになりうるBlogやメールマガジンはパーソナルなコミュニケーションツールとは似てやや非なる書き方に自然となっていく。コミュニケーションのリスク構造自体が変わっているのだと理解するようになった。また、もちろんのことであるが、ごくごく単純にツール=メディアが変わればコミュニケーションスタイルも変わるという違いも出てくる。

例えば、メッセンジャーで商談を進めているとする。ビジネス書のフォーマットは使おうと思っても使えない。添付すれば出来ないものではないが不自然である。添付するのであれば、図表など文字では表現の難しいものになる。多くて2,3行の細切れなやり取りのなかにコミュニケーションは凝縮される。丁寧に、敬意を持ってという基本は変わらないにしても、それは必ずしも紙からメールに対応してきた表現フォーマットにはならない。扱える情報量が少なすぎて(改行さえも使わない)、圧縮された情報の背後に収めるような形になっていく。

また、メールでも「お世話になっております」のような書き出しと締めが略されることも良くある。忙しい人とやり取りをすると、定型表現は一切出てこないが非常に丁寧なメールという不思議な代物に度々出会う。時間制約に端を発してはいるが、これは新しい適応の一パターンだろう。

メソッドの形に落としづらいこういった体感の感覚、言葉にするとやはりリテラシーが一つ鍵になっていると考えている。

そうは書いてはいるものの、手痛い失敗を過去なんども経験してきた。もう二度とすまい、と思ったことを繰り返してしまったことも一度や二度ではない。つい最近でも週末に出したメールで返って来てないものがあり、何かやらかしてしまったのではと反省しているところである。やり取りする量が多い分、失敗の数も多い。そういう経験から少しずつ学習を積み重ねてきたのが今の自分と言える。

週末にウェブもリアルも合わせてネットワークの力を最大限活用して仕事をされている方に、続けてお会いする機会があった。振り返っているうちにまとめたくなった次第である。
 
 
ツール間シェアとリテラシー
 
さて、以上は非常にパーソナルな領域の話であるが、裏側から眺めると、ツール間の競争、それぞれの市場サイズの問題に翻訳されていく。isologueの磯崎さんが以前概念的に分類されたりしているが、個々人が快適に思う形でコミュニケーションを最適化し、ツール選択を行っていくことが市場全体で起きることになる。更に、子供のころから情報機器がふんだんに周囲にあり、リテラシーを学習して身に着けたというよりも、水を飲むかのように体に染み付いている層ではコミュニケーション方法自体が変化していることも合わせるとどうなるのか。

サーチやメールなど利用頻度の高いサービス/アプリケーションはミリ単位での事業開発が続けられている。また、幾つかの領域ではバックエンドの裏打ちの上で、フロントエンドに競争領域がシフトしている。そんな中での彼らの動きを追っていると、ちょっとしたユーザーの変化を小さいからという理由だけで見過ごす気にはなれない。

どう使っていくのか、どう使っていくようになるのかという問いは考えていくと結構悩ましい。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
運営事務局に問題を報告

最新ブログエントリー