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CNET Japan ブログ

お盆前後の活動総括

2004/08/23 00:12
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プロフィール

渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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最近のエントリー

普段は海外を中心に記事紹介を行っているが、盆明けのリハビリも兼ねて最近の活動から今後何かに繋がりそうなところを幾つかピックアップしてみたい。
 
 
Weblogのビジネス利用
まず、先日募集していた交流会から派生して、Weblog関連の情報交換ネットワークを作っていこうという話がベンダーサイドの関係者の方と持ち上がっている。市場への初期紹介が終わり、一通りメディアにも紹介されたところかた、半数近くの人が「聞いたことある」というくらいの認知レベルにたどり着き、かつ日常的なツールとして自然と生活サイクルに溶け込んでいる人も珍しくない。「始めたいのだけれど、きっかけがなんかなくて」という人にも良く出会う。

隣に目を向けると法人市場へと展開しつつあるところも加えて次のステージに市場全体がシフトしようとしていることが伺える。先日のエントリ「企業のBlog利用6分類」に六つのトラックバックを頂いたこともこのトレンドと無関係ではないだろう。

ベンダーサイドもユーザーサイドもまだまだ何がどこまで出来るのかを掴めずに、押す方も押し切れず、受ける方も決断を仕切れずという空気感を感じ取れる。テクノロジー産業によくある、立ち上がり時期にお互いのコミュニケーションが全く取れていない状況に陥っている。解くにはシンプルに情報交換とコミュニケーションをするに限る。場を提供することで解けるものであれば、是非お手伝いしたい。
 
 
ネットイヤー石黒代表
こちらにも少しまとめたが、ひょんなことから、ネットイヤー石黒代表にお会いする機会があった。伸び盛りの企業のトップにも関わらず、少々シャイなところもある、非常に魅力的な方である。

短い時間のやり取りとなったので、表面的は話しか伺えなかったが、「SIPSはもう終わりだ」と言われた2001年前後からターンアラウンド(という表現が正しいかは微妙だが)を果たして順調な成長過程に再び乗っている様子である。おそらく、業界全体がハイプカーブの波に大きく影響されてしまった流れに巻き込まれてしまったのだろう。

メディアの報道からすると、第三者割当増資によって一つの区切りがついて過去のものとなったという評価が当時されていた。果たして、時間が経ち今日の評価としてはどのようなものが正当と言えるのか。冷静に考えると、IPネットワークが拡大しつつある今日、マクロ環境がネガティブに働いているとは言えない。過当競争や特殊な構造変化が起きていない限り市場の成長に沿って自然と成長する方がありうるシナリオである。改めてインタビューの機会を頂けそうなので、お邪魔して実際のところを伺ってみたい。

ネット企業の老舗であり、象徴的存在でもあることから、何が起き、何を潜り抜けてきたかは今の市場を考えるに良い材料となることだろう。
 
 
テクノロジー産業研究会
お盆時期で表の活動がスローダウンしていることもあり、多数の友人知人と会って話をすることが出来た。ぐるっと回って感じたことを総括してみると、
 ・家電も含めてIPネットワークの届く範囲はすべからく構造変化している
 ・PC系産業から家電系産業まで、確定した未来像は描けていない
 ・市場の定義、プレイヤーと競合も明確な区切りが失われている
という傾向はあちこちから実感を持った声として受け取れた。大手SI企業の経営企画及び人事の方、商社で投資事業に関わっている方など複数方面から同じような問題意識を頂き、「分かりやすい業界構造の捉え方」があるか相談を受けているところからすると状況は解決どころか複雑化の一途を辿っている様子である。

産業アーキテクチャーの変化はこのBlogの本質テーマの一つとして捉えている。具体的に相談を受けたこともあるが、業界全体が突き当たっている問題であれば、重めに追ってみるのは意味のあることと言えるだろう。個別企業の守秘義務や戦略上ポイントとなるところなど、差し支えのある部分は別として、可能な範囲−特に公開情報に基づいている部分−適時情報公開して共有出来るような形で情報交換を進めて行きたい。これも出来れば会のような形でネットワーク出来ないか検討を進めている。
 
 
「名経営者が、なぜ失敗するのか?」
失敗は成功の母、という言い回しは良くされる。しかし、米系のビジネススクールでは、成功は失敗の始まりでもあるということが指摘され始めている。プライベートのBlogで何度か取り上げたクリステンセン教授の研究も、成功の果てにある不可避な失敗という矛盾したシナリオを描き出したものである。

優秀なリーダーに率いられた優良企業が失敗への道を歩んでしまうのはなぜか。50社以上の調査に基づいて行った「mistake」の研究をまとめた『名経営者が、なぜ失敗するのか?』が翻訳され、いぶし銀の評価と共に読者に受け入れられている。

バブルというのは、詰まるところ業界全体が壮大な間違いを起こしてしまう現象とも受け取れる。例えば、書中で紹介されているウェブバンの挑戦と失敗のケースは初期のインターネットビジネスの多くの失敗にそのまま拡張可能である。また、上記にまとめた通り、産業全体が構造変化の時期に差し掛かっているのであれば、失敗のリスクは再び高まっている可能性は高い。

著者のフィンケルシュタイン教授の直弟子であり、日本語版の監訳者である橋口寛氏とは本書についても含めてやり取りする機会が多くなっている。新技術の採用というのは常に失敗のポイントとなりやすいが、本書の知見を環境適応として読み解いて応用できれば何らかヒントになる。テクノロジーの研究会と重ね合わせるような形で、情報交換から何か生まれ出てくるようであれば、形にして行きたい。
 
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というところで、テーマ的な遠さもあってCNETでは公開しにくいものも加えて、今後の展開の楽しみな話がポツポツ出てきている。表に出せるものは出しつつ、フィードバックとして還元可能なものは参加される方々にもお返ししつつじっくりと育てて行きたい。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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