お使いのブラウザは最新版ではありません。最新のブラウザでご覧ください。

CNET Japan ブログ

ウェブビジネスの成功法則(2004年版)

2004/07/26 23:44
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

プロフィール

渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
ブログ管理

最近のエントリー

派手さは無いが好んで読んでいる書き手というのが時々いる。日本人も日本人以外でも。BeyondVCの著者、Ed Simもそういう人である。さらっとした語り口のせいだろうか、ものすごく盛り上がっているという印象は受けない。しかし、淡々と綴られるエントリに目を通していると「なるほど」と思わせることが少なくない。バランス感のよさと適度なくだけ具合は参考にしたい人である。
 
 
Ed Sim
 
そういえば、人として紹介したことが無かったのでAbout Meを参考に簡単に。

Ed Sim is a founding member and Managing Director of Dawntreader Ventures (previously SoundView Ventures) which was established in 1998. With $290mm under management, Dawntreader Ventures primarly invests in early stage information technology companies.

VCを生業としており、対象はアーリーステージのハイテク企業。いわゆるベンチャーキャピタルのイメージである。

Ed's private equity career began in 1996 with Prospect Street Ventures, a New York-based venture capital firm, where he worked on software and technology investments like 24/7 Media (Nasdaq: TFSM). Prior to joining Prospect Street, Ed worked with J.P. Morgan's Structured Derivatives Group on the development of a real-time trading application for global asset allocation.

スタートが投資銀行というのは良く聞くVCのパターン。しかし、業界分析系ではなく、アプリの開発をしていたというのは少し面白い。ニューヨークのキャピタルに移ってからはVC畑一本となっている。96年からのキャリアというと、Amazon、Yahooなどのメジャープレ−ヤーの誕生には間に合わないものの、インターネットの勃興からバブルまではつぶさに見ている人となる。80年代のソフトウェア全盛期の人と比較すると「ネット世代」と分類出来る。読んでいてすんなりと頭に入ることが多いのは書き方の問題だけでなく、時代的に近いものを見てキャリアを積んでいるからなのだろう。
 
 
ウェブビジネスの成功法則
 
さて。ぱらぱらっとページをめくっていて読んだ「Web-based businesses circa 2004」をご紹介してみたい。無理やり意訳すると「ウェブビジネスの成功法則2004年版」というところだろうか。最近の伸びている会社に見られる傾向を上手くまとめている。

1. Critical Mass
言葉としてはバブル前後にも良く耳にした言葉である。曰く、「短期の収益は犠牲にして素早くクリティカルマスに到達することを目標とする」などなど。しかし、本来的にはようやく語ることの出来るものだとしている。

During the bubble period, the promise and potential of the Internet was all around us. However, the critical mass was not there. Today, we have critical mass, a number of users that are experienced with the web. We have real broadband penetration (although not as high as Korea, for example). This obviously allows any new company to actually build a real business with real users that can throw off cash flow.

理由は、ネットワーク環境。十分な回線速度が維持されて初めて、まっとうにキャッシュが伴う形でユーザーとやりとり出来るようになった。
※そう言われると2000年前後に書かれた資料を再読したくなる。例えば、シーベルシステムの創業者であるトマス・シーベルの著した「E-ビジネス戦略」などは既に古びてしまっているところがあるが、比較してみるには使える。

2. Technology/Experience
モジュール化、オープン化を受けて全てを作らずとも使える部品が世の中で流通するようになってきていることから、サービスを生み出すコストとスピードは格段によくなった。加えて、

We have more capability built into the browser. Pluck and Onfolio, for example, are built and integrated into IE instead of being a separate application. We have toolbars galore built into IE. It works.

構築出来る範囲もより広くなった。こうなると、勝負のポイントはアプリよりもサービスに移りやすい。ソフトの機能ではさほど差別化が出来なくなると、違う競争軸にシフトしたくなるものである。

3. Business models
という訳で、ビジネスモデルはやはり大事になる。環境変化として明らかに違うのは、既存の成功者が存在すること。

Companies like Yahoo, Google, Amazon, and EBay have become big enough to build a business around-they have an ecosystem-they are the gorillas of the web and entrepreneurs can launch products around them.

以前のようにまっさらな市場を攻めるというのではなく、ある程度形の見えた市場に鋭く入っていくこととなる。先にあるのも買収期待であることも少なくない。特定少数への売却を目指して作られた企業も珍しくない。

Additionally, we know how to reach users better and measure success. We are not throwing money away on stupid advertising campaigns. The smart and seasoned entrepreneurs now have more outlets for guerilla marketing (blogger community is a new and great one).

もう一つ、大量の挑戦事例が蓄積されたことで、少なくともやってはいけないことくらいは分かるようになった。広告を大量に投下してユーザーだけ集めればよいというやり方は見なくなった。
 
 
「あなたなら何を足しますか?」
 
この三点についてのEd Simはこうコメントしている。

OK, I am being master of the obvious, but I am interested to see what else you can add to the list below.

確かに汎用化されたものであるし、あっさりとまとめたものとなっているため、別のポイントを指摘することはまだまだ出来るだろう。これぞというものは思いつくだろうか?

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
運営事務局に問題を報告

最新ブログエントリー