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ISPから見たBlogビジネス:OCN「ブログ人」統括 河村明氏インタビュー

2004/06/17 23:27
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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ISP業界を中心に猫も杓子もBlogBlogという状況が続いている。メディアでBlogを書いている私も一角に入ってしまうのだが、関係者的立場から見ていても今の状況には思うところが多い。では、関係者そのものはどう考えているのだろう?Blogをどのように捉えているのだろうか、という疑問を抱えてOCNの「ブログ人」を統括されている河村さんにお話を伺いにお邪魔した。Technorati Meet-up in Tokyo以来のご無沙汰となる。

NTTコミュニケーションズ C&O事業部 OCNサービス部 河村明 氏
 
 
参入の背景
 
--まずはISPとして、Blogサービスに参入した背景と経緯について教えて頂けますか?
二年以上前からBlogger等を見ていて、昨年から日本でも出始めたのでずっと気になってました。最初、周囲の声では「Blogは日本では流行らない」という意見もあったのですが、面白そうだということで導入を検討することとしました。Blogをどういうものと捉えているかと聞かれると、ホームページもそうですが、プレゼンスを個人にとって与える場所、ウェブ上での自分専用の外向きの玄関のようなものだと考えています。また、位置づけとしてはISPの基本サービスになっていくのではとも思います。
 
あと、ブログ人のネーミングは200個くらい候補に挙げた中から何か引っかかるということで残しました。違和感というか何かあるといえばある名前ですが、人の記憶に残ってなんだか気になるというところで採用に至りました。日本沈没地図も別名があったりしたのですが、同様にちょっと毒の要素も感じるNTTコムっぽくない名前を混ぜてみました。

立ち上げは兼務を含めて四人で行ったので正直きつかったです。まずは「Blogって面白いよ、まずは使ってみようよ」というところから始めて社内に広めていました。丁度他の大きい仕事がないという時期があって、じゃあやってみようという機運が出てきたので、本格的なサービス導入すべく動いていきましたが、リソースの調達も自分達でしなければならなかったり、ありとあらゆることに関わりました。それこそ、契約書の一枚一枚に目を通すことからインフラ構築まで短期間でこなす必要があったので大変でした。好きじゃなかったらあそこまでは出来ないのではと思います。
 
 
--ストレートに、トータルで収益が上がっているものなのでしょうか。
まず、プロモーションにはなっている感触があります。問い合わせ件数は多くなりました。またメディアでの報道を見ていても、Blogを導入していないと取り上げてもらえないような状況が続いています。あと、OCN全体のトラフィックでも若干増えているのかもしれません。

数は出せないのですが、有料のユーザーが意外と多いのですが、これはフォトアルバムを付けて300円に置いたことが理由の一つだと思います。米国でのプライシングのマジックナンバーは、Typepadがそうなのですが、5ドルなのだそうです。日本だとiモードなどから300という数値が定着しています。

成功しているかどうかというのは、良く聞かれる質問なのですが、今のところ結論を急ぐ段階ではありません。まだ始まったばかりで経年変化も追えないですし、一時のブームではなく、じっくりと使ってもらえる息の長いものとするには、長い目で考えたいです。
 
 
日本市場の特徴
 
--前のTechnorati Meet-upの時にも話題になりましたが、日米では市場が随分と違っているように見えます。違いについて何か思うところはあるでしょうか。
まず、日本だとページを飾る人が多いです。これはもうびっくりしました。凝ったデザインを作って色々なものを足していく。これは米国だとあまり見ない傾向です。元々考えていたテーマは「思ったことを書く」というところで、日常を淡々と綴っていっている人がもっと増えて欲しい。ブログ人を利用されているユーザーは、各社比較して決めたというよりは、あるから素直に使ってみたという風な人が多いようです。

--米国のように経営者や学者、現役の作家など、プロが書くという展開はあるのでしょうか。
新聞の署名記事が少ないことなどとも関わっているとも思いますが、基本は書きたい人がどこまで出てくるのか。インターネットがメディアとして立つかどうかがポイントになると思います。これに関しては、ネット上の中での論壇みたいなものが必要なのかという話も耳にしてます。
 
 
--ソーシャル・ネットワーキング・サービスなど周辺の動きはどのように捉えてますでしょうか。
この前、確か日立だったか、法人にBlogのホスティングサービスを開始していますが、仕事の方が便利に使える面もあります。ウェブ上だと何をどこまで書くかを気にしなければならなかったりしますが、仕事だと好きに書ける面があります。GoogleやSix Apartは社員全員が基本的にBlogを書いていますが、どういうことに興味があるのか、どういう考え方をしているのかが自然に分かっていいみたいです。将来的には、社員にメールアドレスとPCとBlogという時代が来るのかもしれません。ソーシャルネットも個人的に気になっていますが、社内では具体的な動きはありません。
 
 
今後の展開
 
--関連サービス、上位のサービスとして出てきそうなものはありそうでしょうか。
まず、使い方というところで、自分のBlogを自分で良く見ているのではないでしょうか。過去やったことや出来事などを思い返すのにBlogを読み返してます。自分にとって便利な、使いやすいものになっていくと一つ思います。まずはユーザーに使い続けていってもらいたいというところと合わせても書いている人がまず便利な風になっていって欲しいです。

これから必要そうなものとしては・・・Technoratiで出ましたが、リンクされたら通知してくれるとか自分が書いたコメントへの返事があれば知らせてくれるとかそういったものはあったら便利です。

--サービスを開始して個人的に、よかったこと、嬉しかったこととかありますか。
実名で顔も曝してしまっているのですが、人と会う機会は増えました。匿名で書いている人もいますが、情報を出すと繋がる機会が多くなるのも事実なので、積極的に出していくメリットは大きいと感じています。

ユーザーの反応はダイレクトに返って来るので、いろいろ分かるのは面白い面もある反面、ユーザーに言いたいことストレートに言われると落ち込むこともあります。
 

--
ここで予約していた会議室の使える時間が過ぎたので、主なところはあらかた終わっていたものの、場所を移動して夕食を入れつつ雑談的に話を続けた。ウェブの世界の捉え方として、個人が情報を発信し、繋がり、一緒に何かを作り上げ、作り上げたものが公開されるというサイクルでコミュニケーションやサービスを捉えているだという話が印象的に残っている。このモデルに乗ると、Blogは「発信」と「繋がる」部分を担っていることになるが、後者の二つについてはカバー出来ていない。Blogが出てきた今、コラボレーション系のツールが再び面白くなるのではという意見には賛同出来る。

Blogに限らず、コミュニケーションツール、Tivo、携帯電話など気になったことは一通り情報交換をして話を終えた。

河村さん、また面白い話があれば持って行きます。ファミレスでアルコール抜きでサラダを突付きながら真面目に酔っ払いましょう。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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