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電源供給のイノベーションはネットワーク普及のルールを変えるか

2004/06/10 00:15
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渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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ネットワークの複雑性、という前回のテーマに絡めてpatrickWebにあったCable and Wirelessでまとめられていた物理配線周りの話をネットワークに絡めつつ。
 
 
ケーブルのイノベーション
 
PC周りの配線をシンプルにしたのは、LANも当てはまるだろうが、筆頭はUSBだろう。サイズの小ささや汎用性、且つ基本的に抜き差しが自由であること(PCにそう慣れていないユーザーを考えると、この機能は地味ながら重要といえる)から完全にデファクトとなっている。対応しているのは

The USB (universal serial bus) cable has the primary goal of creating a more compact, instant, hassle-free way to connect a keyboard, mouse, printer, joystick, scanner, digital speakers, digital camera, PC telephone, and more to your PC.

キーボード、マウス、プリンター、ジョイスティック、スキャナー、スピーカー、デジカメ、電話。他にも携帯メモリやAir"HにもUSB仕様のものがあるなどありとあらゆる機器が繋がる。

というところで、何十もピンの連なった頭の大きいケーブルは接続設定の違いからも次々と乗り換えられている。

USB makes adding peripheral devices really easy. USB replaces all the different kinds of serial and parallel port connectors with one standardized plug and port combination. With USB-compliant PCs and peripherals, you just plug them in and turn them on. What's next?

それでは次は何が来るんだ?
 
 
Power over Ethernet(PoE)
 
USBベースの携帯電話などが紹介されているが、イノベーションの可能性を感じるのは、「The next step is to simplify the electrical connections.」。電源の供給。Power over Ethernet(PoE)と名付けられた本技術は開発自体は前から進められていたもののやや水面下に潜っていた感があった。しかし、最近進展の気配を感じる。

This will have huge implications for anyone wanting to put a wireless access point in the ceiling or closet. Getting category-5 cable to those spots is fairly easy compared to installing electrical power.Ethernet cabling has eight twisted wires inside and not all of them are needed for data. Wireless access points are not the only target of opportunity. I use Ethernet cable to provide power to various relays in my home automation system.

そこまで統合の必要があるかの議論はあるが(インフラが集中するのはリスク管理としてはあまり良くない)、LANにさえ繋げれば良くなればACアダプターの持ち歩きが不必要になる。携帯しやすさを追求しているモバイル端末からするとこれは朗報である。

Power over Ethernetという専門サイトにあるPurdue Universityでの導入事例(より詳しい版はこちら)では、校内のWi-Fiスポットの構築に際し、スポットの末端端末への電力供給にPoEが採用されている。

In order to create the most widespread coverage for the wireless network, the team had to mount wireless access points in areas like the hallway ceilings. With PowerDsine's Power over LAN Midspans, the team was able to provide electricity to the access points without having to install all new power points and electrical circuits since none existed in those spots.

大量の電源を敷設することなくネットワークの構築が可能となり、

Through PowerDsine's Power over LAN solution, Mr. McCoy discovered that his utilization of PoE saved between $350 to $1000 per access point installation by eliminating labor costs incurred from contracting an electrician to run wiring for new AC outlets.

機器のコスト減のみならず工期の短縮にも繋がる。ついでに、恐らくはメンテナンスコストも低いと予想出来る。
 
 
普及シナリオと影響範囲
 
世の中全てがLANに繋がる世界は急には来ないことから、本事例のようにまずはネットワークの末端からじわじわと採用されていくことになるだろう。家庭、法人オフィスとも普通の家電やオフィス機器が生き残っている限り全面スイッチは起こりえない。本流では新たな提供価値として徐々に広まっていく程度だと考えられる。あとは、局所的に色が塗り替えられていくという浸透モデルは「Wi-Fiはローエンドから」でまとめたWi-Fiモデルと類似したものがある。

一見すると地味なイノベーションであるが、ネットワークの敷設コストが落ちると、普及の強い後押しとなる。特に、コスト的に微妙に採算の合わなかったエリアにネットワークが張られることに繋がる。携帯でもカバーエリアはサービス利用のポイントとなっている。同じ視点がWi-Fiに適用されるのであれば、これまで使わなかったユーザーが利用し始めることとなり、市場規模は拡大する。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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