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電子化する情報消費

2004/06/03 09:33
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プロフィール

渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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(紙の)新聞はどこに行くのか、もっと広くメディア産業はどうなるのか、という議論は95年以降現在も変わらず続けられている。あちこちからの感触を総合する限り紙は芳しくないようである。小規模の媒体が休刊、廃刊に追い込まれている話を聞く機会が増えた。細かくは裏を取っていないが大手と合わせても若年層を中心にユーザーベースが失われつつある傾向がある。

では、その傾向はどの程度のものでどういう特徴があるのか。米国市場になるが、Net News Use Widespread, But Not Dominant でリサーチの結果がまとめられていた。

まずサマリより。

About four-fifths of US online adults turn to the Web for news, according to recent research by Harris Interactive, but only 26% feel that online news has reduced their use of other media.

というところで、単純にシフトしているのではなくメディアの全体では接触量が増え、増加分はオンラインの媒体が貢献している。話を広げると、恐らくこの背後には、書籍を含めた広義のメディア消費に影響が出ているか、ある大手トイレタリー企業の方の「私達のライバルは携帯電話です」との話のように更に拡張した近接領域のどこかが煽りを受けていることだろう。可処分所得と可処分時間は急に増えるわけではないだろうことから、「ながら」で並行消費をしない限りは増えた分はどこかが減らざるを得ない。

具体的な中身を見ていく。

The most popular type of news people go online for is the weather. Exactly 60% hit the Net to find out whether it'll be sunny or rainy, slightly more than the 56% who go in search of national news, and a good deal more than the 44% who seek international news and the 36% who seek local news. The least amount of people go online to find news about movie, TV or sports celebrities.

グラフの形ででもまとめられているが、天気(60%)、国内ニュース(56%)、国際ニュース(44%)、地域のニュース(36%)と堅いところが動いている。スポーツ、映画はあまり見られていないというが、これは映像を見て初めて意味がある消費と捉えられてウェブにシフトしていないのだろう。逆に言えば、帯域が十分に確保されると、ウェブ化する可能性が高まるとも考えられる。

チャネルと見ると、

Online adults are not going to unusual places to find their news. About one-half either read the headlines on their ISP's homepage (48%), or the Web page of a newspaper (45%). And while 37% frequent an online news service, the same amount of people go to a TV network or station Web site.

ISP、メディアサイトを中心としており、いつか語られたように、ひたすら分散していくとの展開は起きていない。適度な網羅性、情報の信頼感あたりが要因だろう。

リサーチを行ったHarris Interactiveの結論としては、

the Web is becoming a part of the news media tapestry, rather than becoming a dominant medium.

メディア消費の重要な部分となりつつあるが、主役交代というわけではない、としている。

これらのデータを見る範囲で、ユーザーが示していると考えられるのは
信頼出来る情報発信主体からのニュースを消費している
日常的な行動とマッチしているので、違和感のある話ではないが「誰」が発信元かを意識している。ISPの利用が多いのは普段から利用しているサイトなので「ついでに」という理由と信頼感との組み合わせだろう(Technorati Meet-up in Tokyoの際にも似たような話があった)。つまり、例えばBlogが旧メディアを代替することは簡単には起きない。起きるとすると、情報の信頼性・網羅性など、一段上の要求を十分にクリアすることが必要になるが、今の形だと満たせているとは考えられない。
コンテンツの種類によってメディアを使い分けている
「やはり見るなら映画館で」というように、コンテンツの種別ごとにメディアを選ぶのはごく自然なことである。ウェブでもこの基本原則は変わっていない。

問題はこの動きが破壊を伴うかどうかである。例えば、映像依存のリッチコンテンツはDSLやFTTHなどブロードバンドがあまねく普及した際にインターネットシフトを起こすのか。テレビ局の方の話を伺っていると、受動的な消費が出来る点は制作サイドでも競争力として強く意識して作っているという。ネットワークが高速化しディスプレイとテレビの境目がなくなってくると(例えば、ソニーのエアボード)、分けて考えることは意味がなくなってくるが、今の機器の使われ方と編集方法の延長線上では適度に使い分けをされていくことだろう。

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最近で動きを感じたのは、知人がニュースサイトを携帯でチェックするようにシフトしたという話だった。ふとしたきっかけで乗り換えを行った結果戻るのが面倒になったのだという。こういう理由の付くようで付かないシフトは根深い。習慣的に利用するようになってしまうと、ユーザーは強いきっかけが無い限りもはや戻って来ない。軽い情報は軽い端末で細切れの時間に消費されるようになってきている。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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