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A9の目指す未来、「personal memory」とサーチの出会い

2004/05/25 02:02
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プロフィール

渡辺聡

インターネット/IT分野で事業開発に携わる渡辺聡さんが、注目ニュースなどを題材に、そのニュースの背後にある本質的な変化とその先行きを、経済や社会との関わりの中で考えていきます。
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John Battelle's Searchblog経由。A9のUdi ManberがWorld Wide Web (W3C) conferenceで講演した模様が記事になっている。タイトルは'Future of Search Will Make you Dizzy'。イノベーションはまだまだこれからだ、というメッセージが込められている。

肉声の部分を中心に、今抱えているビジョンを追いたい。
 
 
サーチの産業観とポジション
 
まず今の産業観

"Think about how the Web has changed your life in the last 10 years. Now, try to extrapolate 10 years forward and you should feel dizzy. We're still in day one of developing and innovating in search. There's still a lot of exciting discoveries to be made,"

dizzy、眩暈がするという言葉に集約されているが、まだまだ技術開発は続き、新しいサービスが登場してくるというのが基本的な見方となる。開発余地の表現は

"Search is a huge area and we have made a lot of progress but there are still a lot of things to be done. Despite all the advancements, the truth is that we still can't find what we're looking for,"

と、Googleの二人と似ている。

A9のポジション

"A9's mandate is to build new search technologies to improve the user experience. We want to invent new things and new ways of finding relevant information. The first question I get from people is, 'Are you going to build another Google?' But, no, that's not what we are doing. There's so much room for innovation that you can build interesting things that aren't available today."

まず、Googleとは異なる目標を持っていると言い切っている。先のサーチの産業観とも繋がってくるが、開発余地が十分残されているということから、複数の企業がポジションを維持できると考えている。
 
 
事業開発の方向性
 
開発の方向性としては、二点示されている。
user-dependence on single-word search queries
ユーザーが検索のキーに用いるワード=情報量の少なさがサービス開発の大きな障害になっていると指摘している。

"For most users, they expect it to be as simple as possible and that's a barrier. If music was invented 20 years ago, we'd all be playing one-string instruments," he said, suggesting that user habits needed to change to adapt to the advancement in search technologies.

ユーザーのリテラシーの向上を条件として、サーチ技術を高度化させられるのだと。

Relevancy
直訳すると、適合性、関連性、妥当性。素直に、ヒット感という表現でもいいだろう。

Another hiccup for researchers, Manber said, is that the relevancy of search results is hard to measure. "Relevancy changes all the time and is not well understood. Relevancy is different from user to user. We have to figure out better ways to measure [results] to make it better. That's the hard part. We need a science around measuring relevancy."

同じワードでも検索結果に対する要望は個々人違うというのは当然だが、同じ個人でも場面やコンテクストが異なれば望む結果は異なってくる。一口にパーソナライゼーションといっても、今世の中で開発されているのは、個人を特定するところまでのものが多い。SNSと組み合わせても、その時々の登録データをスナップショット的に使うレベルであれば、個々人のもつ多面性を切り取ることは出来ないだろう。一歩前進ではあるが、満点の回答ではない。

A9の差別ポイントを示した一言がある。

"It's not about speed or size anymore. It's all about quality. It's about delivering the tools that allow relevancy. It's good to make searching faster and faster because that part is well understood. The quality part is not understood and that's the challenge we face today," he added.

品質の定義を裏からしているのだが、
 ・スピードではない
 ・Indexサイズではない
 ・relevancyである
と、ひとまず拡大競争とは一線を介している。
 
 
足りない未来
 
サーチの品質向上に利用者の情報、特にコンテクストの情報が必要であれば適時エンジン側に十分な量の情報を投げる必要がある。この時、毎回手なり口を動かすのは面倒である。自然言語をクリアに解せばかなりのところまで到達出来る気もするが、それだけでは上記のsingle-word searchの問題を根本的には越えられないだろう。もう一つ紹介されている記事、WWW conference mulls Web as personal memory storeで紹介されている、小型のデバイスと常時繋がった世界で蓄積されるデータは

the treasure trove of personal data electronic devices create every day.

量を担保するには一つの解決策と言える。

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もう一方の方の記事のlife historyの記述もなかなかに面白い。

Researchers have gathered to hear technical papers on grand themes ranging from how to use the Internet to browse back through one's "life history" to how scientists can collaborate on Web-wide demographic or life-sciences studies.

情報機器に囲まれ、積極的なインプットやモニタリングされる量が増えていくにつれ、ウェブ上のデータは人の生活そのものになっていく。プライバシーの問題もまたこれまでと比べ物にならないため、途中で大量の議論を呼ぶことであろうが、大きな流れとして固い。逆転することはそうないだろう。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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